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実録!(業務改善)BPR記#01 改善プロジェクト失敗の原因の7割は〇〇〇〇

こんにちは、まじこじまです。
今日は趣向を変えて、転職・キャリアアップ系ではなく業務を通じて遭遇した教訓をお伝えしていこうと思います。


業務改善PJT失敗の原因の7割は人間関係

「反対勢力との闘い」と言い換えてもよいかもしれません。
多くのPMや管理職が頭を抱えているのはこれじゃないでしょうか?

  • 目標としていた施策を導入したのに、使われない…

  • 新しいやり方に適応できず退職が相次ぎ、効果検証どころではない

  • ベテランが後輩や新人に「あれはやらなくていい」と教える…

お局様が中心となってレジスタンスを組織しはじめ、意に従わない、逆の報告ばかり上げる、上司を飛び越えて告げ口されるなんてことも起こります。
もはや「反乱軍」と呼んでも差し支えないレベルになるところも珍しくないのでは。(頷いてくれている方が私には見えています…)

反対勢力が生まれるプロセス

「論破」が流行したのはつい最近のことですが、今でもトレンドなんでしょうか?石丸伸二氏がメディア記者の質問をスパっと切る様に爽快感を覚える人も多かったようですが、ひろゆき氏や成田悠輔氏ら若い世代に人気な方々の功罪とも言うべきか、ビジネス上でも「論破」をしようとする人が増えているように感じます。

そもそもビジネス上の関係において「論破」することが必要なシーンなど殆ど無いわけで、相手を言い負かしても何を得られるのか、と思いますが、たまにいる「彼らのような口調で自論を展開する人」に出くわすと結構なダメージを受けます。

主張する内容が100%正しければ良いのですが、ビジネスにおいて

「100%こうした方が正解である」

などという「解」があるほうがまれです。
これがわからないままに、自身が考えるアイデアが「解」であると信じて疑わず、説得に必要なプロセスを踏まずに主張を通そうとする人と出会うと厄介です。

自分の主張が相手に理解されない=相手が無能であるから、ということになってしまうからですね。その方の頭の中でなんですけど。

こうなるともう引くしかありませんが、大人になって引くと今度は

「自分の主張が受け入れられた」

ということに、いつの間にかされてしまう。
すると今度は「いつそれを実行してくれるのか?どうしてやらないのか?」としつこく粘着されかねません。

このあたりのコミュニケーションには私は非常に気を遣います。
BPRコンサルタントとして改善に行く時は、まず対象となる業務の内容理解からスタートしますが、沢山の従業員の方から業務についてヒアリングを行うからです。1on1で時間を設けずにOJTのような形で業務について教わる時でも「業務のグチ」は大量に聞きます。もちろん、愚痴は業務改善の大きなヒントになりますが…


一面的な視点での解決策の提案は必ずしもプラスにならない

「私はいつもここをこうしろって言ってるんだけどね」

という類の話を聞くのは日常的にあります。
このワードが出てきたら、最大限の注意を払ってその方の話を全集中して傾聴しなければならない、私にとって緊張感の走る瞬間です。

なぜならば、最終的に出した解決策の結論がこの方の話している案と異なる場合、解決策を実際に実装していくタイミングで反対勢力となる可能性が非常に高いからです。

ヒアリングの段階で、こういった意見に対して迎合して

「そうですね、私もそう思います」

などと生返事をしてしまっていると

「あの時私が言った意見を何で採用してくれなかったんだ。何のためのヒアリングだったのか?」

裏切られた人間として感情が怒りに変わります。
こうなると意地でも改善施策の成果が出ないように目的とは反対の努力をするようになってしまうことが少なくありません。

新たなシステムや新たな業務フローに対し、徹底的にBadな評価を報告する、言う事を聞かずに旧来のやり方を続けるばかりか、後輩や新人に対して改善施策を支持しないようロビー活動を始めるなどの「運動」を始めてしまいます。

私はこれまでに数十個の業務改善PJTを担当してきましたが、7割から8割くらいのプロジェクトの失敗(あるいは遅延)の原因はこうした人間関係にあります。


対処の方法はあるのか?

これに対する適切な対処は、完全に防ぐのは難しいと前置きした上で、立場によって異なりますがそれぞれについて私の考えを述べます。

あなたが上司の場合…部下の「グチ」を「提案」レベルまで引き上げる

あなたが「上司」という立場で業務改善のPJTを推進するのであれば、こうした愚痴を聞いた際にやるべきことは部下の言う事を愚痴で終わらせない努力をすることです。

業務上の問題点や課題を上司に報告するというのは部下の大事な仕事ですが、ビジネスパーソンとしてはそれはレベル1の人間がやることです。

本来であれば、業務上の問題点については改善策の提案までセットで行うことが望ましい。これを主体的に実行する人は評価に値する人材であり、ただ不満を言うだけ言わせてしまうとその人はいつまで経っても文句を言うだけの人から変わりません。

部下の成長を促すのも上司の仕事。

「愚痴」を「提案」にするには、どのような行動が必要なのか?

「改善するために、どうしたら君の言う解決策を実装できるか、ぜひ提案としてまとめてきて貰えないか」

と伝え、現状に対するリサーチ(定量+関係者の意見)を行い、提案資料として纏めて発表させる(意思決定者の合意を得る)

ここまでが業務改善に必要なプロセスであり、それが「できない」のであれば次のステップには上がれないということを指導する。

または、そこまでのプロセスを経て正当な理由を理解させた上で「却下」をしないと、本人が納得せず終わりのない戦いとなります。
プレゼンテーションをさせる過程で本人は多くの事を自分で調べ、メリットだけではなくどのようなデメリットやリスクがあるかも自分で考えます。その上で出た回答は他責ではなく自責になる。大きな成長機会となります。

これに伴走してやるのは大変ですが、

愚痴を言うだけなら簡単。改善するのは人任せ(上司任せ)

という癖が付くと、組織としての成長など夢のまた夢です。

部下の意見を聞いて、改善を全部自分で引き受けて働きまくる上司は一見魅力的ですが、マネジメントとしては褒められたものではありません。
ずっと自分が働き続ける羽目になります。

部下の成長機会であり、自分自身の負荷軽減にもなる長期的Win-Winを目指してリーダーとして機能しましょう。


あなたが改善PJTの推進リーダーとして外部(他部署含む)から入る場合…言動に最新の注意を払う

あなたが対象となる業務現場の直接の上長ではない場合(私のようなコンサルタント含む)にできることはこの時点では少ないです。

「そうですね」と生返事をしないこと
「色々な方からのご意見を聞いて回っている段階なので、参考にさせていただきますね」とあくまでも1人の言う事として受け取っていることを認識させること

NOを言い辛い上司の代わりにハッキリ突きつける
「NO代行」もコンサルタントの仕事だったり…

これらは最低限ですが、もう少し労力を割くのであれば私の場合はその人の意見を伺ったうえでクライアント企業の責任者の方にも相談し、どのような回答をするかコンセンサスを得たうえで再度丁寧に話します。

大抵の場合、現場から「〇〇という声があがっている」というレベルでは上長クラスも把握しているか、導入検討した上で却下になっている場合が殆ど。

一度却下されていることを

「私の言う事が絶対に正しい。部長のセンスがない」

と言い続けていて、新しくコンサルタントや業務改善の担当者が来た際に「刷り込み」を行うがごとく主張し続けているケースが大半です。

「あなたの上司はあなたの意見を認識していましたよ。でもこういう理由で導入には至っていないみたいです」

と丁寧なコミュニケーションを行う。

端から見たら伝書バトのような行為に見えるかもしれません。
こうした事に時間を遣うよりも、とっとと改善施策の実装を進めて貰わないと、という要望を頂くことも多いです。

ただ、業務改善のゴールは提案して終わりではありません。
実装して効果検証をし、成果を実際に出すところまでがゴール。

改善PJTの失敗の原因の大半が人間関係なのだから、コミュニケーションに手を抜くわけにはいかない…

理解され辛い現実ではありますが、提案の質と同じくらい
「嫌われコンサルにならないこと」というのは実行フェーズで重要になってくるので、無駄な工数を割いていると思わず見守って頂けるとありがたいです。


まとめ

  • BPR(業務改善)は反対勢力との闘い

  • 愚痴は改善の元。但し生返事は厳禁。

  • 迎合は悪。裏切られたと感じると人は鬼に変わる。

  • 部下のグチは「提案」まで昇華させると成長と納得を生む

  • 人間関係によるPJT失敗を防ぐため、コミュニケーションを丁寧に

以上が本日のまとめです。
いかがでしたでしょうか?

コンサルタントだけではなく、共通の悩みを持つリーダーの方は多いかと思われます。。。
本筋と関係ない事にスタミナを割くと思うと大変ですが、多くの失敗の原因は人間関係なのだから、いっそ本筋と腹を括って一緒に頑張っていきましょう。

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まじこじま〻現役法務・バックオフィス業務コンサルタント
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