インドア派も楽しめる沖縄「やちむん」の世界 ー沖縄の「へそ」うるま市石川のローカル生活(23)
「やちむん」は、沖縄の言葉で「焼き物」を意味するそうです。全国各地の陶器・焼き物が「◯◯焼」と呼ばれることが一般的な中で、ダントツ可愛くないですか? 今日はやちむんについて語らせてください。
僕は元々、焼き物や民藝品が好きな人に対して、高いお金をかけてかさばるモノばかり集めてウンチクを語り合っているイメージ(偏見)をもっており、正直ちょっと敬遠していました。
しかし沖縄に来てやちむんに触れてみたところ、次第に愛着がわき、少しずつ皿や器、湯呑みなどを買い揃えるように。自分でも驚く変化ですが、東京にいる今も愛用しています。
さて、やちむんといえば、沖縄でこの二ヵ所は外せません。
・壺屋やちむん通り(那覇市)
那覇市のど真ん中に立地する石畳の通りで、直売店が軒を連ねます。昔ながらの仕入を行っているような民藝店から、新進気鋭の作家の作品を集めたポップな店まで多様な店が揃っており、運が良ければ離島のやちむんなど貴重な作品も入手することができます。
僕が好きなのは、西表島にある青烽窯(せいほうがま)の作品です。本島の窯ではあまり見かけない緑や茶の配色が、山や森の自然を強く連想させる一方、デザインがポップでかわいらしい。(以下のInstagramは埋め込みでお借りしています)
・やちむんの里(読谷村)
自然豊かで隠れ里のような雰囲気の中を歩き回りながら、陶芸家たちの窯場を巡ることができます。年に一回、12月に開催される焼き物市ではたくさんの作品が出展され好きな人にはたまらない一大イベントです。その割に混まないのが素晴らしく、冬場の観光やインドア派(文化系)の観光にはよく案内していました。
人間国宝・金城次郎氏の一門の窯が多いのか、独特の魚の紋様が施された器を数多く見かけます。(こちらもInstagram埋め込みでお借りしています)
また恩納村のホテルムーンビーチでは、年に一度「全島やちむん市」を開催しており、期間中は宿泊客でなくとも自由に出入りし、買い求めることができます。タイミングが合えば、こちらもお勧めです。
なお、第6回の記事で紹介したうるま市石川の観光客向け居酒屋「榮料理店」では、供する料理の器や泡盛のグラス、カラカラ(沖縄の酒器です)にやちむんを用いており、店の落ち着いた雰囲気作りに一役買っています。
店に確認したわけではありませんが、おそらく読谷のやちむんの里にある、うつわ家さんのやちむんで統一しているのではないかと推察しています。こちらの器がどれもまた繊細な絵柄と色使いで、ついつい見入ってしまうんですよね。(こちらもInstagram埋め込みでお借りしています)
陶芸の食わず嫌いだった自分が言うのは本っ当に陳腐極まりないのですが、器との出会いは一期一会。手にとってしっくりくるものがあったら、その偶然は、必然なのかもしれませんよ。興味があれば、気軽に覗いてみてはいかがでしょうか。
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