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ニンジャスレイヤーTRPG:2版追加ソウル案『ネジレ・ニンジャクラン』

始めに

 この記事は「ニンジャスレイヤーTRPG」第2版に「ネジレ・ニンジャクラン」を追加する非公式のルールセットである。NM(ニンジャマスター)はこのルールセットに含まれるルールを自由にセッションへ導入することが出来る。ネジレ・ニンジャクランのPCをセッションに持ち込む際は、専用効果を使用してよいかNMに確認を取ること。

https://diehardtales.com/n/n20b0ff1f0f25

ネジレ・ニンジャクランとは?

 ネジレ・ニンジャクランはアンオフィシャルなクランであり、公式には(2022年2月現在)存在しない。
 ネジレ・ニンジャクランは、『苦痛の跳ね返しと肉体の変容』を主軸とし、肉体をより完成させ、『ねじれ』るべくして、ジツの開発を行ってきた。古代にドク・ニンジャクランから分派し、イタミ・ニンジャクランやアクマ・ニンジャクランとも接近した中規模のクランであり、来たる立ち枯れの時代においてその勢力を大きく減じたものの、サイバネ技術の発達によって勢いを取り戻しつつある。

効果:
 公式の基礎ジツと同様の形でジツやスキルを獲得できる。
 チドク・ジツのような自身へのダメージによって発動するジツと、特殊な条件で発動するヘンゲめいた系統のジツを含めた、やや独特の挙動を示すジツ系統である。
 各ジツには、効果に付随してフレーバー・テキストが収録されている。

追加のスキルやジツ

ネジレ・ニンジャクランのジツ/スキルリスト
『☆◉苦悶の報酬』
『☆◉自傷の悔悛』
『☆◉血の盟約』
『☆◉煮え滾る油の血』
『☆◉凍える水銀の血』
『★◉邪な献身』
『★◉ネジレ・サツキ/ネジレ・ジキ・ツキ』
『☆ネジレ・チドク・ジツLv1-3』
『★ネジレ・ケショウ・ナオシ』
『★ネジレ・フカツ・ジツ』
『★ドク・トラップ』
『★★ネジレ・モウドク・ジツ』
『★★グレーター・ドク・トラップ』
『★★ネジレ・スリケン』
『★★鋼鉄への変容』
『★★肉への変容』
『★★★ねじれた肉体』

☆◉苦悶の報酬

 ネジレ・ニンジャクランのソウル憑依者にとっての初歩の秘儀。おのれに与えられた苦悶の内に、カラテの高まりを見出すスキル。

種別と前提:自傷系

このニンジャが戦闘中初めてダメージを受けたとき、即応ダイス1つを獲得する。この即応ダイスは、戦闘終了と同時に消失する。

ピラミッドの巨石を運ぶ労役のため、苦痛に息を切らす少年は、己の肉体が苦しむほどに善く動くことに気づいた。第一のねじれの発見である。

☆◉自傷の悔悛

 ネジレ・ニンジャクランの第二の秘儀。自らの肉体を傷つけることで天啓を得る。イタミ・ニンジャクランのものと似ているが、物理的な回復を伴わない。

使用タイミング:手番「開始フェイズ」
コスト:体力1、瞬時
ターゲット:自分自身
発動難易度:ニューロン+ジツ:NORMAL
種別:自傷系

このスキルを持つニンジャは、手番開始時、自身に1ダメージを与え、特殊な『サツバツ!』表を振ることが出来る。この『サツバツ!』表の出目は2~5である。その後、即応ダイス2つを獲得する。この即応ダイスは戦闘終了と同時に消失する。

青年は己が肉体に刃を入れた。それは痛みであったが、更なる超越への示唆でもあった。……彼は血を舐め、そのうちに潜む黒帯を巻いた螺旋に気付いた。第二のねじれの発見である。

☆◉血の盟約

 このスキルを獲得したニンジャは、自身の血を浴びたモータルの精神を操り、ジョルリめいて操作することが可能である。

種別と前提:ジツ強化、ネジレ系の【ジツ】値2以上

このニンジャは、チドク系統のジツによってダメージを受けた、効果範囲内にいる「データ上同一の名前と能力値を持つモータルのモブ敵1種」(例えば「クローンヤクザ」や「レッサーマッポ」など)全員を、次のターンの間のみ、自分の手番時に『操り人形』化することが可能である。

『操り人形』化した者全員は直ちに、術者の指定するターゲットいずれか1体に対して、『近接攻撃』または『射撃』、もしくは『自傷』を行う。『近接攻撃』と『射撃』の組み合わせは自由だが、能力やコストは使用不可であり、移動も不可である。この攻撃が終わると『操り人形』化は終了し、『操り人形』化していた者全員はターン終了まで一切行動不能となる。

『●自傷』:
自らの胸にナイフで逆さ鳥居や魔法陣などのパターンを刻み、異常興奮状態に入る。手番中に「その他の行動」として自分自身に1ダメージを与えることができる(自動的に成功する)。

コブラの系譜と袂を分かち、急速に斜陽を迎えつつあったドク・ニンジャクランに青年は入門し、モータルを操るすべを学び、カイデンを受けた。ねじれの秘密を注意深く隠したまま。


☆◉煮え滾る油の血

 このニンジャの血液は、熱された油の如く高温である。触れるものに火傷を負わせることが出来るが、コリ・ジツなどによる冷却には弱い。

このスキルはソウルの性質を強く決定づけるため、★以上のジツを取得する前に取得しなければならない。また記憶スロットに送ることも削除もできない。

前提:ネジレ系の【ジツ】値1以上
種別:ジツ強化、エンハンス

このスキルを持つニンジャは、ジツの効果によってもたらされる毒属性のダメージ全てが、火炎属性に置き換えられる。毒属性化はできない。この際、チドク・ジツ系の『火炎属性を含むダメージに対しては無効』という条件は、『氷結種別の無属性ダメージを含むものに対しては無効』となる。

青年はモータルの操り人形の内から才覚あるふたりのモータルを取り立てた。ひとりには、燃える血液となるねじれを見出した。

☆◉凍える水銀の血

 このニンジャの血液は、超低温の水銀である。触れるものに凍傷を負わせることが出来るが、通電性が著しく高まっているため、デン・ジツには弱い。

このスキルはソウルの性質を強く決定づけるため、★以上のジツを取得する前に取得しなければならない。また記憶スロットに送ることも削除もできない。

前提:ネジレ系の【ジツ】値1以上
種別:ジツ強化、エンハンス

このスキルを持つニンジャは、ジツの効果によってもたらされる毒属性のダメージ全てが、氷結種別の無属性ダメージに置き換えられる。毒属性化はできない。この際、チドク・ジツ系の『火炎属性を含むダメージに対しては無効』という条件は、『電磁属性を含むダメージに対しては無効』となる。

もうひとりには、凍えるような血液のねじれを見出した。ふたりはアフリカ投げナイフめいた邪悪なスリケンを持ち、祭壇に潜んだ。

★◉邪な献身

 他者の前にその身を投げ出し、ダメージを肩代わりするスキル。ネジレ・ニンジャクランのニンジャにとっては、その献身は次なる攻撃への一手である。

使用タイミング:仲間の回避判定の代わり
コスト:その時術者が持つすべての回避ダイス
ターゲット:隣接する仲間1人
効果種別:回避

1ターン中1回までの使用。術者が『回避判定』可能な状態にあり、かつ隣接する仲間1人が『回避判定』を強いられたタイミングで、このジツの使用を試みられる。仲間の回避ダイスが残り0個の時や、本来は回避不能な条件下でも使用できる。術者が発動に失敗した場合のみ、その仲間は自身の『回避判定』を試みてもよい。

対象と隣接状態にある間、術者はその対象が受けるダメージを自動で肩代わりできる。ダメージ肩代わり時には『回避判定』を行えない。
強制移動を伴うダメージを肩代わりした場合、『警護対象』のマスを起点として強制移動する。範囲攻撃などに術者とその仲間が同時に巻き込まれている場合、その中で一番強いマスのダメージだけを受け、もう片方は無視する。このスキルによるダメージを受けた際、チドク・ジツなどの他のダメージを起点とするジツの効果も発動することが出来る。

ドク・ニンジャクランの高位ニンジャがその祭壇に秘伝のマキモノを奉納することを、青年は知っていた。彼には簒奪者としての決意のみがあり、そのために陰謀を企てていたのだ。

★◉ネジレ・サツキ/ネジレ・ジキツキ

 ネジレ・ニンジャはかの暗殺拳、チャドーのヒサツ・ワザを自らのねじれの中に見出すことに成功した。しかしそれはあくまでも模造品に過ぎず、威力は真なるものとは比べ物にならない。

前提:【ニューロン】10以上+【ジツ】値5以上
効果種別:ヒサツ・ワザ、カウンター
 
シナリオ中1回限りの使用。
素手装備時にのみ、敵の『近接攻撃』に対して『回避判定』を行う直前に、【精神力】2を消費して「ネジレ・サツキ」を発動できる。

このフェイズ中に行う全『回避判定』は『難易度:HARD』に固定される。『回避判定』に失敗した場合、通常どおりダメージを受け、支払った発動コストも失われる。『回避判定』の成功数が敵の『近接攻撃判定』の成功数を上回った場合、通常のカウンターカラテとなる。

『回避判定』の成功数が敵の『近接攻撃判定』の成功数とピッタリ同じだった場合のみ「ネジレ・ジキ・ツキ」が発動し、カウンターとして回避不能の1D3+1ダメージと『弾き飛ばし』を与える。

彼はファラオとその家来たちの目の前で、杖をあげてナイル川の水を打つと、川の水は、ことごとく血に変った。
───出エジプト記、ニンジャの暗示であるとAIが判定したテキスト

☆ネジレ・チドク・ジツLv1-3

 ネジレ・ニンジャが、ドク・ニンジャクランのものを参照し編み出したジツ。血液を猛毒のものに変え、自らを傷つけた敵を苛む。ネジレ・ニンジャは、この扱いの難しいジツを、ゲニンらにも使えるように軽量化した。

使用タイミング:手番「開始フェイズ」
コスト:精神力1、瞬時
ターゲット:自分自身
発動難易度:ニューロン+ジツ:NORMAL
効果種別:毒、効果継続(戦闘中)
 無効:『火炎属性』を含むダメージに対しては無効

このジツの効果が継続している間、隣接マスからの攻撃(『近接攻撃』だけでなくあらゆる攻撃方法を含む)で術者の【体力】を1以上減らした敵は、そのフェイズの終わりに、『回避難易度:NORMAL』『時間差』の『毒属性ダメージ』1を受ける。これは命中した1発の攻撃につき最大で1ダメージずつ発生し、カウンターカラテに対しても発生する。この効果によって、1ターン内に与えることの出来る最大ダメージ数は【ジツ】値に等しいが、3以上の値にはならない。なお、時間差を持たない2ダメージ以上の攻撃(カラテミサイルなど)は、1回の攻撃とみなされ、攻撃したものは、『毒属性ダメージ』1を受ける。

例:ボブのニンジャはネジレ・チドク・ジツLv3を発動し、ブラックマンバの近接攻撃を2回受けた。ジツの効果により、ブラックマンバは1,1の毒ダメージを受けるか、回避しなければならない。その後、グレーターヤクザのキヨシがボブのニンジャを2回近接攻撃し、双方が命中した。ネジレ・チドク・ジツのLvは3であるため、キヨシが受ける毒ダメージは1のみである。

エジプトを抜け、中東に到達した男は、改めてカイデン・ネームを名乗った。ネジレ・ニンジャクランのはじまりである。

★ネジレ・ケショウ・ナオシ

 肉体が損壊してもなお戦うためのジツ。カラテを籠めた血液の糸で千切れた肉を繋ぎ止める。しかし、肉体の本来のパフォーマンスは失われていることに留意するべきだろう。

使用タイミング:手番「開始フェイズ」
コスト:精神力1、瞬時
ターゲット:自分自身
発動難易度:ニューロン+ジツ:NORMAL
効果種別:変身系・効果継続(戦闘終了時まで)

このニンジャが『サツバツ!』の2~5を受けた際に効果を発揮する。このニンジャが損傷した能力値分だけ、近接・遠隔攻撃ダイスを得る。獲得ダイスの上限は【ジツ】値に等しい。また、このジツを保有しているものは、●部位損傷を獲得しない。
(注意:このジツを保持しても、『サツバツ!』による【カラテ】【ワザマエ】【ニューロン】の減少を防ぐことは出来ない。回避ダイスの減少も基礎能力値の変化に応じて行われる)

平安時代において、ネジレ・ニンジャクランは神秘主義の教団を隠れ蓑に活動を続けた。『山の翁伝説』の源流の一つには、このニンジャクランがあるとも言われる。

★ネジレ・フカツ・ジツ

 敵から受けたカラテを術者の肉体に留め置き、特殊なカラテ・パルスとして任意の対象に受け渡すジツ。

使用タイミング:手番「その他の行動」
コスト:精神力1、1行動
ターゲット:隣接する味方1人
発動難易度:ニューロン+ジツ:HARD
効果種別:強化、サツバツ消費

このジツを持つ者は、この戦闘で受けたサツバツ数を、全てカウントしておくこと。この最大値は5であり、『サツバツ消費』の種別を持つジツを使用した場合カウントは0へと戻る。
このジツの発動に成功した場合、対象となった味方は『即応ダイス』と『緊急回避ダイス』をカウント分獲得する。このジツの効果により獲得した即応ダイスと緊急回避ダイスは、戦闘終了時に消失する。

アクマの傍流より接近した、バラクィエルなるニンジャがこのジツをネジレ・ニンジャクランに齎した。このようなクラン間の繋がりは、ワンソーの敗北後も、ソガの手が及ばぬがためにユーラシア大陸にて長い間存続していた。

★ドク・トラップ

 より直接的に相手を攻撃するためのジツ。猛毒の血液の噴射、血で精製した武器による強襲、ひそかに仕込んだ毒物による罠などを総括しドク・トラップと呼称する。

使用タイミング:手番「攻撃フェイズ」
コスト:精神力1、1行動
ターゲット:この手番中に術者が通過したマス1個 または 隣接する3x3マス
発動難易度:ニューロン+ジツ:HARD
効果種別:範囲攻撃、毒

このジツは、ターゲット地点を中心とした3x3マス(もしくは隣接3x3マス)内の敵全員に対して、1ダメージ+毒ダメージ1を与える(『回避:NORMAL』)。これにより【体力】を1以上減らし、かつ術者よりイニシアチブ値が低かった敵全員は、続く手番に移動不能となる。

ネジレ・ニンジャはソガ・ニンジャに対して服従の意思を示した。ドク・ニンジャクランの栄誉は、今やその殆どがコブラに奪われ、まして盗まれたマキモノの事などを覚えているものはいなかった。

★★ネジレ・モウドク・ジツ

 チドク・ジツを更に強力にしたもの。噴き出す鮮血は、敵対者をより熾烈に苛む。しかし、失血死には注意するべきだ。

使用タイミング:手番「開始フェイズ」
コスト:精神力2、瞬時
ターゲット:自分自身
発動難易度:ニューロン+ジツ:HARD
効果種別:毒、効果継続(戦闘中)
無効:『火炎属性』を含むダメージに対しては無効

このジツの効果が継続している間、あらゆる種別の攻撃で術者の【体力】を1以上減らした敵は、そのフェイズの終わりに回避不能の『毒属性ダメージ』2を受ける。これは命中した1発の攻撃につき最大で1ダメージずつ発生し、カウンターカラテに対しても発生する。この効果によって、1ターン内に与えることの出来る最大ダメージ数は、術者の【ジツ】+1の値に等しい。なお、時間差を持たない2ダメージ以上の攻撃(カラテミサイルなど)は、1回の攻撃とみなされ、攻撃したものは、『毒属性ダメージ』1を受ける。

江戸戦争は目前に迫っていた。ネジレ・ニンジャクランは表向きは西軍に手を貸すことになっていたが、一方で東軍にもニンジャを寄越した。どちらが勝利しても、クランの益を生み出すためである。極東への軍勢を送り届けた後、クランの本殿に一人の男が現れた。

★★グレーター・ドク・トラップ

 ドク・トラップの更なる強化版。より高位のソウルを持つものが使用できる。

使用タイミング:手番「攻撃フェイズ」
コスト:精神力2、1行動
ターゲット:この手番中に術者が通過したマス1個 または 隣接する3x3マス
発動難易度:ニューロン+ジツ:HARD
効果種別:範囲攻撃、毒

このジツは、ターゲット地点を中心とした3x3マス(もしくは隣接3x3マス)内の敵全員に対して、1ダメージ+毒ダメージ1D3を与える(『回避:HARD』)。これにより【体力】を1以上減らし、かつ術者よりイニシアチブ値が低かった敵全員は、続く手番に移動不能となる。

男は高らかに宣言した。「ドーモ、ネジレ・ニンジャ=サン!我こそはアペプ、そなたがドク・ニンジャクランに対し行った不義を糾弾しに来たものである!」

★★ネジレ・スリケン

 自らが受けた物理的ダメージを蓄積させ、破壊的なエネルギーに変換して放出する恐るべきジツ。呪詛返しとしての要素も含む。

使用タイミング:手番「攻撃フェイズ」
コスト:精神力2、1行動
ターゲット:敵1体 または 20マス以内の1地点
発動難易度:判定不要
効果種別:射撃、サツバツ消費

このジツを持つ者は、この戦闘で受けたサツバツ数を、全てカウントしておくこと。この最大値は5であり、『サツバツ消費』の種別を持つジツを使用した場合カウントは0へと戻る。

このカウントが1以上の場合、自身の攻撃フェイズ時に、【精神力】を2消費して「ネジレ・スリケン放出」を宣言できる。これは特殊な射撃とみなされ、隣接している敵に対しても使用可能である。カウント数が3または4の場合、爆発性ネジレ・スリケンとしても放出できる。カウント数が5の場合のみ、その強化版としても放出できる。Xの値は被サツバツ数の値に等しい。

●ネジレ・スリケン:
射撃判定不要。『連射1』『毒属性ダメージX+1』『回避:HARD』

●爆発性ネジレ・スリケン:
射撃判定不要。このジツはターゲット地点を中心とした3x3マスにいる者全員にダメージを与える。中心点には毒属性ダメージD6を与え(『回避:HARD』)、それ以外のマスには毒属性ダメージ1を与える(『回避:NORMAL』)。

●爆発性ネジレ・スリケン強化版:
中心点のダメージが毒属性ダメージ2D3+1(『回避:HARD』)となり、それ以外のマスは毒属性ダメージ2となる(『回避:NORMAL』)。

アペプが極めて稀なカラテ強者であることには間違いはなかった。二人のカラテラリーは数日に渡り、イクサの地は互いの猛毒によって何人も住めぬ不毛の地となった。その終わりは、強烈なネジレ・スリケンによってアペプの首が跳ね飛ばされることであった。

★★鋼鉄への変容

 一部のニンジャのみが有していたヘンゲの能力は、バイオサイバネ技術の発展により花開いた。ネジレ・ニンジャクランの者は、特に埋め込まれたバイオサイバネとは正反対の性質のヘンゲを発現しやすい。

前提:『◉バイオニンジャ化』所持
使用タイミング:手番「開始フェイズ」
コスト:(精神力2、もしくは体力4)+回避ダイス2個
ターゲット:自分自身
発動難易度:ニューロン+ジツ:HARD
種別:変身系、戦闘終了時まで効果継続

このジツは、術者が『◉危険生物化』を所持している場合のみ、『●』としても扱うことが出来、『◉◉グレーターソウルの力』による制限を無視することが出来る。
術者は、ジツ発動に成功した場合、条件を無視して、事前に選択した▷3つ分の戦闘用カスタムバイオサイバネの効果を適用させることが出来る。埋め込み部分も任意である。ただし、この時【体力】と【精神力】は増加しない。

そのニンジャは西軍の援軍に向かうことになっていた。彼女は燃える油の如き血液を用い、かんざしを造り出し、形見として渡した。

★★肉への変容

 一部のニンジャのみが有していたヘンゲの能力は、サイバネ技術の発展により花開いた。ネジレ・ニンジャクランの者は、特に埋め込まれたサイバネとは正反対の性質のヘンゲを発現しやすい。

前提:『◉重サイバネ化』所持
使用タイミング:手番「開始フェイズ」
コスト:(精神力2、もしくは体力4)+回避ダイス2個
ターゲット:自分自身
発動難易度:ニューロン+ジツ:HARD
種別:変身系、戦闘終了時まで効果継続

このジツは、術者が『◉戦闘兵器化』を所持している場合のみ、『●』としても扱うことが出来、『◉◉グレーターソウルの力』による制限を無視することが出来る。
術者は、ジツ発動に成功した場合、制限を無視し、事前に選択した△3つ分の戦闘用カスタムバイオサイバネの効果を適用させることが出来る。埋め込み部分も任意である。ただし、この時【体力】と【精神力】は増加しない。

かんざしを受け取ったニンジャは、冷たい血液を用い、氷の花を造り出し、相手の髪に添えた。そして、自らの友軍のいる、東側の陣に向かっていった。

★★★ねじれた肉体

 このニンジャの肉体は究極的にねじれ、歪み、もはや人にも見えぬ領域にまで達している。

何も装備していない「頭部」「胴体」「腕部」「脚部」の防具スロットに「ねじれた肉体」を装備できる。これはどの部位でも『ねじれた(対応部位)』をもたらし、またどれも【万札】0である。
これらの防具には▷または△に相当する、サイバネもしくはバイオサイバネのカスタムスロットが存在すると見なされ、部位に対応したカスタムパーツを埋め込むことが可能である。▷+△といった組み合わせも可能である。「ねじれた肉体」に埋め込まれたパーツによる精神力不可は発生せず、またサイバネ数にもカウントしない。この追加サイバネによる【体力】や【精神力】の上昇は発生しない。

バイオサイバネを選択するにあたって、この記事では、公式『6:拡張ルールとコアデータ』ページの、◆戦闘用バイオサイバネ用カスタム器官の項における
△バイオ脳物質分泌器官~△おそるべき美貌
までを頭部バイオサイバネ用カスタム器官、それ以外のものを腕部バイオサイバネ用カスタム器官と見なし、
◆バイオトルソー用カスタム器官の項における
△毒ガス噴霧~△△△大型バイオ飛行翼
までを胴体部バイオサイバネ用カスタム器官、それ以外の者を脚部バイオサイバネ用カスタム器官と見なす。

★★★◉アーチ級装束生成をこのニンジャが取得した場合、「アーチ級生成装束」の効果に、『ねじれた(対応部位)』を加えることが出来る。


『ねじれた頭部』:頭部に相当する2つ分のスロット、交渉判定難易度+1、回避ダイス-1
『ねじれた胴体』:胴体に相当する2つ分のスロット、交渉判定難易度+1、回避ダイス-1
『ねじれた腕部』:腕部に相当する2つ分のスロット、交渉判定難易度+1、回避ダイス-1
『ねじれた脚部』:脚部に相当する2つ分のスロット、交渉判定難易度+1、回避ダイス-1

殆ど死体に近い有り様のネジレ・ニンジャは、その身を引きずり、荒野の洞窟に隠れた。己の過去の更なる収穫を恐れて、である。その死の淵で、彼はキンカクを見、そして悟った。この宇宙そのものがねじれである、と。第三のねじれの発見であった。
彼はもはや何事をも恐れてはいなかった。宇宙のねじれが彼に力を与え、その肉を、心を、ソウルを歪ませた。……かくして今でも、その荒野にはネジレ・ニンジャの狂喜の叫びが響くのだという。

追加のサイバネ・バイオサイバネカスタムパーツ

 以下に示すカスタムパーツは、ネジレ・ニンジャクランの【ジツ】値を保有していない場合でも装備することが出来る。

▷重油の涙(頭部用サイバネ)
 意図的な改造か副作用かは不明だが、装備者の涙は、攻撃者のヘイキンテキを乱す重油に変ずる。
 ・このサイバネを装備したニンジャがチドク系統のジツで相手の【体力】を減らした場合、付属効果として【精神力】に対してさらに1ダメージを与える。ターン中1回限りの使用。

▷▷無数の心臓(胴体用サイバネ)
 このニンジャには、無数の機械心臓が埋め込まれている。
 ・【体力】+4。
 ・シナリオ中に受けた『即死!』効果を、自動的に『痛打+1D6+6』に変換する(シナリオ中、2回使用することが出来る)。

△はらわた鞭(胴体用バイオサイバネ)
 自分の内臓を武器にする必要があるかは不明だが、とにかく血は染みついている。
 ・内蔵型の『ムチ』として扱われる。この装備によるあらゆるダメージは『毒属性ダメージ』となる。
 ・この装備は『☆◉煮え滾る油の血』『☆◉凍える水銀の血』によるダメージ種別変化の影響を受ける。
 ・例外として、この装備による『痛打』ダメージは無属性として扱われる。

△△+△△血液凝固器官(胴体用バイオサイバネ)
 血液を固めるための追加臓器。硬質な血の武器は切れ味に優れる。
 ・このバイオサイバネは、胴体部もしくは脚部の2スロットに加え、頭部もしくは腕部のバイオサイバネスロット2つを占有する。
 ・装備獲得時、「カタナ」「ノダチ」「ムチ」「ヤリ」「チェーンソー」「カタナ二刀流」「アサシンダガー」の中から1つの種別を選ぶ。
 ・(選択した武器の基礎攻撃難易度により消費コストは変化する。Nならば【体力】2、Hならば【体力】3、Uならば【体力】4)。
 ・自分の手番開始フェイズに、瞬時の行動として【体力】を消費することで、このPCは血液でできた近接武器を装備する。タツジン・ワザの適用は可能である。
 ・どの形状でも武器スロットは占有しない。
 ・このサイバネにより生み出された武器は、攻撃時に出目4が2つ以上存在した場合、エンハンスによる『毒属性ダメージボーナス+1』を得る。
  この際、装備者が『◉◉グレーター級ソウルの力』を所持している場合、エンハンスは出目4が1つ以上存在した場合に発動する。
  この際、装備者が『◉◉アーチ級ソウルの力』を所持している場合、エンハンスは常に発動している。
 ・この装備は『☆◉煮え滾る油の血』『☆◉凍える水銀の血』によるダメージ種別変化の影響を受ける。

祖たるネジレ・ニンジャが狂ったのちも、立ち枯れの時代を超えたクランのニンジャらは、モータルの中に潜みながらも、彼の見出した『第三のねじれ』の正体を見出すべく、終わらぬ研究を行っている。彼ら彼女らの中には中小規模暗黒メガコーポと結びついたものもおり、その理念に則ったサイバネティクスは僅かながらも市場に流通しているのだ。

ルールセットの改訂について

 このルールセットは試験的なものであり、予告なく改訂される場合がある。変更、追加が行われた箇所は表記ゆれの統一などルールに影響を及ぼさない些細なものでない限り基本的に明記される。NMは最新のデータに拘らず、好きな版のデータを用いて構わない。

利用規約

 このルールセットのデータが含まれるリプレイなどを公開する場合、公式ルールとの混同を避けるため可能な限りこの記事を引用元として明記すること。「ダイハードテイルズ」公式以外による無断の商用利用は法的に認められた例外を除いて原則不可。

参考資料:「ソウルワイヤード」ダイハードテイルズ

画像出典:https://unsplash.com/photos/hokONTrHIAQ

スペシャルサンクス:クランデスティンさん、古矢沢さん、Feno2さん、ICBluesさん、ARIさん、よっしさん

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