メソッドから見る景色
バレエの中にも、メソッドというものがある。
さらっと道のりを辿ってみると、
クラシックバレエは
実はイタリアから生まれ、
フランスでワインの如く熟成され、
ロシアで栄えた。
フランスで熟成された時に
世界共通のバレエ用語はフランス語と決められたけれど、
根本的に、一体何が違うのか?
バレエの手脚のポジションには
全てに名前が付いていて、
顔の向きや、目線もメソッドによって違う。
1番ポジション〜6番ポジション、
番号でも決まりがあり、
それぞれ手や脚の通る地点、到達点が違う。
フランスメソッドだと、
解剖学を基に自分の骨格に合った動きを養って
人体の調和(Proportions of Man)を
目指しているメソッド。
これは、日本の美にも共通しているなぁと思う。
フランス料理と日本料理の共通項を
とあるパリのフレンチのシェフに話してもらったことがあって
トータルバランスなのだ、と。
フランス人の方々が、武道や着物の美しさにも惚れ込むことが多いのは、そういうところから来てるのかもしれない。
イタリアメソッド(チェケッティメソッド)は、細かい手脚の角度、そこに的確さがあり、
ダンサーに対して、とても慎重に考え尽くされている。
後に、英国ロイヤルバレエの基礎となって発展した。
試験では先生が三角定規で生徒の踵の位置を測ると聞いたことがあるくらい、本当に綿密。
学ぶと発見が多く、機微に触れられる興味深いメソッド。
ロシアメソッドは、忍耐強く、感情をお客様に向けて、しっかり魅せるという
情熱的で、また素晴らしいメソッドだなぁと思う。
体の線の細さを保ちつつも力強く、線の美を表していくところも魅力的。
それぞれの国民性や色んな角度から物事を見るきっかけにもなる気がする。
実は昔はロシアメソッドのお教室に通っていた。
でも成長過程と共に骨に合わなくなって
挙句の果てに思春期で太る…その上に筋肉は付く…嫌なワードのオンパレードだった。
向いてないんじゃないかとか。
辞めたいのに諦めきれないような気持ちだった。
このスパイラルから抜け出すために
イタリアメソッド(チェケッティメソッド)、フランスメソッド両方を教えることのできる先生が声を掛けてくれたことで
メソッドを一変して、13歳から再スタートを切った。
練習量も下げて、要らない筋肉をとっていく。
新たなものを吸収することが、どんどん楽しくなって、
今後の目標が明確になってきた頃には、学校の英語の自習時間でフランス語を勉強していたことも。
続けることは、変化し続けることなのかもしれない。
https://www.instagram.com/maiya.goshima
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