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【時代の曲④】God Save The Queen/Sex Pistols(1977)(2024/8/18)


【レビュー】

「時代の曲」、ちょっと遡って、今度は、「God Save The Queen」、1977年。ベタ過ぎと言われようとも、ちょっと外せない一曲。

1980年代、一応パンクは終焉してニュー・ウェイブなるものに転化したと言われております。
今現在では、パンクという言葉を使うかはともかくとして、反体制的なアティテュードだったり、逆にパンクっぽいファッションだったりが、別の形で残っていたり、戦略的に用いたりもあるのですが、当時は、まだまだパンクの強烈な印象が強過ぎて、俯瞰して語るのも難しい状況だったと思います。
つまり、オリジナルパンク美化か、過度なオワコン扱いか、或いはバカによるファッションとしての消費か、といった分類になっており、パンク受難の時期だったと記憶しております。

例えば、私自身、1980年代半ば、時間があれば竹下通りに赴き、路上売りのおニャン子の生写真に後ろ髪を引かれつつも「ア・ストア・ロボット」などに行き、パンク・ファッションを眺めておりました。
ただ、当時の中学生でも、パラシュートシャツとかに物欲は感じるものの「これって、ただの真似じゃね?」と、強い違和感を持つほど、安っぽい商品化をされていた、という印象です。

正確に言うと、パンク、パンクと言いながら、原宿で消費されていたのはPistols、もっと正確に言うと、アイコンとしてのSidだったのでしょうね。
リストバンドや例のチェーンを首に巻いていた店員さんも、一方的に客に喧嘩ふっかけたりしていて、本当に頭が悪そうな人も多かったのです。

何だか、終わりの始まりみたいな前置きが長くなりましたが、極東の地でのファッション・パンクの神となっていたSid Vicious が加入して最初のシングルが、この「God Save The Queen」です。

今聴いても、本作はあまりにも強烈。
今でこそ見慣れてますけど、女王に目隠し、安全ピンを刺すって、かなりのことだったかと。現に、Johnny は右翼の暴漢に刺されているわけですし。
歌詞にしても、女王を白痴呼ばわりの上、人間ではない、と。

当時、初めて耳にした人は、どんな衝撃だったかなと思います。
人生変わった人もいるでしょうし、激怒した人もたくさんいたでしょうし、私の住んでいた東京でも、上記のように、発売から10年ほど経ってもブスブスとその影響は残っていたのであり、まさに風景を変えた一枚なわけです。

私自身も、何百回聴いたか分かりませんし、ものの捉え方なんかは、かなり影響を受けてはいます。
一旦何事も俯瞰して見てしまうクセは、この曲が原因の一つかな、と思っております。

なお、PVは、2022年、女王在位70周年にあわせて発表されたもの。
監督、Julien  Temple。The Great Rock'n' Roll Swindleの監督。
即位25年の際のジュビリーの、テムズ川のパーティーの様子が使われています。

ここから45年ですか・・・
そして、エリザベス女王は、発表直後、この年の9月に逝去。
時は流れましたが、本作の一瞬の爆発力は不滅だろうな、と思う次第です。



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