見出し画像

The Cutting Edge1965-1966/Bob Dylan(1965)(1966)(2015)(2016/1/17)


【レビュー】

Bob Dylan ブートレグ・シリーズ、ついに来た、という感じの、「Bringing It All Back Home」「Highway 61 Revisited」「Blonde On Blonde」からのアウトテイク集。

この3枚は、言わずもがなの名作、泣く子も黙る作品であり、曲のクオリティは半端ではありません。
当然、デモ段階でも素晴らしく、むしろ、デモ段階だからこそ息遣いが聞こえるようで、興奮度は否が応でも高まります。

飛び道具とも言えるこの時期の作品に手を出してきたということは、そろそろブートレグ・シリーズも完結、自分の死期を悟ったのでしょうか。
なんですが、この3枚のアウトテイクを2枚にまとめるのはなかなかせわしなく、逆に散漫なことも否めません。
この点、同時期発売の6枚組では、Disc3が丸ごと「Like A Rolling Stone」であり、あの名曲のピースをひたすら聴いているのは、非常に心地が良いです。 Stones の「Sympathy For The Devil」を丸ごと映画にした「One Plus One」みたいな、ある作品が固まってくる過程を見ているような興奮度があります。

クオリティというか作品の意味合いとしては、明らかに6枚組に軍配。
後は値段なのですが、国内盤で2万円はさすがにどうなのか。
apple musicではまだ出ていないようですが(*2016年当時)、このような作品なので音質には目をつぶって、ストリーミング+音楽誌の解説本、といったあたりが現実的かもしれません。


【結論】

★4.5。
予想以上に素晴らしかったです。
Bob Dylan に関するレビューは、マニアが跋扈していてうるさくてしょうがないのですが、本作は「そこそこのファン」でも、聴いてみて損はないです。
あと、オフィシャルからは18枚組という変態的な作品も出ていますが、一生のうち一度くらいは現物を見て見たいものですね。

いいなと思ったら応援しよう!