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あなた 小坂明子の世界/小坂明子(1974)(2022/2/6)


【レビュー】

何度か同じことを書いていますが、サブスクの何が凄いって、フィジカルではとっくに廃盤になっていたものが、ひょいとカタログに入っていたりすることです。

もちろん、逆もありまして、Neil Youngしかり。
非常に、非常にこの人らしくて、嬉しかったりもするのですが。

ということで、小坂明子。
一定年齢以上の人はほぼ100%知っているのですが、しかし、そのうちの99%は「あなた」しか知らないという、ワンヒット・ワンダラー。
突如、過去のアルバムを解禁したというので、聴いてみました。

音は古くどっぷり70年代、フォークの色も残っていますけど、悪くはないです。
この人、歌はうまいんですね。

で・・・やはり表題曲の「あなた」。 確かに名曲なのですが、だけどまあ、「今時のジェンダー観どうこう」という以前に、いくら50年前とはいえ、この歌を堂々と歌うシンガーがいたというのが、ちょっと想像しにくい。

いや、10代のアイドルがおっさんに楽曲提供されて、というのなら、何なら今でもありそうなもんですけど、ポッと出のSSWのデビュー曲、作詞作曲小坂明子。

明らかに仕事はしていないどころか、卒業してずっと家事手伝いっぽいリリック。
何なら、あくせく働いている同性を見下している感すらある。無意識に。

他はこの曲ほど極端ではないけど、オープニングなので、アルバム全体、そんな立ち位置こそ至高、という意思表明にすら見えてきます。
これ、当時の人はどう受け取ったんでしょう。
すんげえ、気になります。


【結論】

★2.5。
サブスクなら聴いてみてもいいかと。
私は、現在の価値観で過去を判断するのは反対なのですけど、これはちょっと、当時でもアウト、少なくともサイレントな怒りは買っていたのではないかな、と推測しております。
誰か、特に女性の方、教えてー。

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