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住所:ラトリシエールとかマゾワイエールとか
京都市東山区祇園町北側、というような住所があります。
この祇園とあるのは、そもそも八坂神社の別名のことです。
八坂神社の北側にあるので、「祇園町北側」分かりやすいですね。
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フランスの ブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地域圏の コート=ドール県のボーヌ郡の中にニュイ・サン・ジョルジュ小郡に「ヴォーヌ・ロマネ」という村があります。ご存じ、ロマネ・コンティという、どえらく(D)リッチ(R)なカンパニー(C)が手掛ける世界最高級のワインの「畑」がある村です。
ヴォーヌ・ロマネの村名の由来は、京都の祇園と同じく、それが分かりやすかったからでしょうね。昔はグーグルマップも無かったでしょうし。
ブルゴーニュのコートドールの村々はみんなそうしていますね。
・ジュヴレ=シャンベルタン村 →シャンベルタン畑
・モレ=サン=ドニ →クロ=サン=ドニ畑
(クロ=ド=ラ=ロッシュとどっちにするか迷ったのではないかと。 語呂が悪かったのかな。)
・ヴォーヌ=ロマネ村 →ロマネ=コンティ畑という感じで。
ちなみに、ヴォーヌ=ロマネ村がヴォーヌ=コンティ村にしなかったのは、おそらくですが人名ですので登録商標法に引っかかるかも知れないからでしょうか。事実、ポンパドゥール夫人が奪取していたら、今頃「ロマネ=ポンパドゥール」と呼んでいたでしょうし。
知らんけど。
いわば、特級畑ロマネ=コンティ、というのは歴史に裏付けられた”住所”なのです。そういった意味でシャンベルタンのグランクリュの畑名は、
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シャンベルタン (Chambertin)
シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ (Chambertin Clos de Beze)
マジ・シャンベルタン (Mazis Chambertin)
リュショット・シャンベルタン (Ruchottes Chambertin)
シャルム・シャンベルタン (Charmes Chambertin)
マゾワイエール・シャンベルタン (Mazoyeres Chambertin)
シャペル・シャンベルタン (Chapelle Chambertin)
グリオット・シャンベルタン (Griotte Chambertin)
ラトリシエール・シャンベルタン (Latricieres Chambertin)
ですので京都市左京区の鹿ケ谷も大概で、鹿ケ谷黒谷町、鹿ケ谷菖蒲谷町、鹿ケ谷栗木谷町、鹿ケ谷不動山町、鹿ケ谷若王子山町、鹿ケ谷善気山町、鹿ケ谷徳善谷町、鹿ケ谷多頂山町があるくらいややこしいのです。
まあ、こういった名称によって村やその土地の価値を上げようとすることは昔からあったことです。
京都に無くてもJR湖西線「大津京駅」