大人になるタイミング

大人になるタイミングって何なんだろう。
自分はある時点まで大人になる事を拒否していたところがある。

拒絶していた大人への階段を否応なく登ることになったのはおそらく、数年前の失恋がきっかけなのかと思う。

「自分の思うようになんてならない」 

そんな社会生活を送っていれば当たり前のことを初めて経験した大失恋で28歳(当時)にして思い知らされた。

それからまずは自分を変えるために整形を決意した。好きだった彼を掠めていったあの忌まわしい汚い女よりせめて綺麗であろうと。

ただ、好きなことだけやってきた自分には整形の費用を払うこともできない。費用を捻出するにはローンを組むしか無かった。そのためにはせめて1年くらいは正規雇用で働くより他なかった。

結果的にそれがよかった。いま、整形をしたおかげで男と女を切り替えて生きる生活も何とか理解されつつあるし、あれ程忌み嫌っていた労働もコロナのタイミングとIT系職種に就業したことで、運良くリモート可能な職場に当たり、そのおかげで何とかこなせている。
この環境が無ければ、自分の体力では日本舞踊の稽古もできず、先日の舞踊コンクールで3位に入賞することもできなかっただろう。何より大掛かりな整形(骨切り&切開リフト)のダウンタイムをそこまで休むことなく捻出できたのもこの環境のおかげだと思っている。

先の失恋で、猪突猛進で激情型の自分には恋愛というものに向いていないし、相手に迷惑をかけるだけとわかり、ちまちまローンの返済をしつつ、今は好みの俳優やジャニーズを愛でる日々を送り、それなりに満足している。

「腹を括る」

これに尽きると近頃痛感する。今、自分の周りにいて仲良くしている人たちは皆それができている人たち。
それができない人とは自ずと縁が切れていった。振り返ると気付かされる。
数年経ち、忌まわしい失恋とあの掠めていった泥棒みたいな女にも感謝している。

「貴女が居たからマシな人生に転じました。どうもありがとうございました。」

永瀬

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