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SPRING SUMMER 2025 furuta

2025年SSのテーマは「Ophelia」

【brand concept】
「ドレスを日常に。」 をコンセプトに、全ての女性性に響く洋服を展開しています。
私達の尊い日々の営みに共存する花や生き物といった有機的な存在を美しい刺繍などの技術で表現し、女性が生きる上で切り離すことのできない生活に沿うデザインやディティールを提案しています。
全ての人は、 男性性と女性性を持ち合わせてこの世界に生きています。
女性たちはスーツにパンツルックなど、社会の歴史の中で男性と向こうを張るためのスタイルで闘ってきたという背景があり、それは嗜好やトレンドとは別に、女性解放のための大切なファッションの変遷でもあります。
ジェンダーフリーが進む中でその風潮はだんだん過去になりつつありますが、それぞれがより本質のままに肉体的な性別を超えての女性性もまた、自由に体現されながら対等に愛されて暮らしてゆけますように。
着る側はもちろんのこと、 その人を見る相手側の女性性にも響く体験が起こることでしょう。
全ての女性性を呼び起こし、その価値を思い出させてくれる服。

furutaのブランドコンセプト「ドレスを日常に。」は、女性性に響く服作りを心がけ、着る人が「気分が上がる服」「褒められる服」であることを目指しています。

時代は変わり、土の時代がもう少しで最終章も終わりを迎え、いよいよ風の時代が本格化すると言われています。この数年間、土と風が入り混じる中で、私たちは多くの変化を感じ取ってきたはずです。

ブランドコンセプトも時代に合わせてわかりやすくブラッシュアップしており、女性から女性性へと、肉体を超えた核へと変遷されています。

この節目は、今後約200年間訪れることはないとも言われています。そこで、改めてブランドコンセプトに掲げる「女性性」に焦点を当てました。

また今回、初めて楽天ファッションウィークでショー形式の発表を行うにあたり、上記にある通りブランドコンセプトと私自身のルーツを改めて表現することを選びました。

ジョン・エヴァレット・ミレー「Ophelia」

テーマ「Ophelia」について
シェイクスピアの「ハムレット」は、古今東西の芸術家に影響を与え、数々の映画や絵画の題材となってきました。特に「オフィーリア」の生涯は、多くの芸術家に描かれています。日本では、ジョン・エヴァレット・ミレーによる絵画「Ophelia」が広く知られています。

私が初めてこの絵に出会ったのは、小学生の頃、図工の資料本で見た時でした。当時はただ「なんて美しい絵なんだろう」と感じただけでしたが、後にこの絵が彼女の悲しい最後を描いたものであることを知りました。

「◯◯の時代」にはめ込むと少しややこしいので今は横に置いておくとして、
オフィーリアは、男性性の時代に懸命に生きた女性性の象徴であると感じています。作中、彼女は積んだ花やハーブを登場人物に花言葉と共に手渡します。ルドンやミレー、ミュシャなど多くの芸術家が描いた彼女の姿には、必ず花冠(花束)が添えられ、彼女の存在と花が切り離せない象徴となっています。

その中でもミレーの「Ophelia」には、多くの解釈があり、彼女の状況に関わる花言葉の花が描かれています。その花々は、直訳するとネガティブな意味を含むものもありますが、オフィーリアの死は、男性性に翻弄された女性性の解放としても捉えることができます。
それは「破壊と再生」を象徴しており、タロットカードの逆位置のような意味として理解することもできると考えました。

彼女の魂は死によって自由を手に入れました。もし彼女が現代に生きていたなら、異なる結末を迎えていたかもしれません。

現代の私たちがここにあるのは、かつて時代や社会の中で苦しみ生き抜いた人々あってこそ。
だからこそ、今この時代に彼女の魂=女性性を呼び起こし、それを通じて見る人に響いてほしいと願っています。



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