【フランス】1960年代の社会運動が現代にも影響を与えた
こんにちは!
フランスの大自然で4歳の男の子の子育てをしているミキです。
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フランスの子育てのトレンドについて何回かにわたりご紹介しています。
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1960年代はフランスにとって転換期
今回は、いまのフランスの社会にも影響を及ぼしている1960年代の社会運動のなかでの家庭教育と学校教育についてご紹介したいと思います。
1960年代のフランスは、社会や文化が急速に変化した時代です。日本は高度経済成長期真っ只中でありましたが、フランスでも戦後10年以上が経ち、経済がぐんぐんと伸び始めた時期でありました。
この時代から少しずつ伝統的な家庭教育のあり方が変化してきました。相変わらず母親が家で子どもを育てるというスタイルはあまり変わりませんが、かなり少しずつではありますが、女性の社会進出が進むようにもなってきました。
それにより、子育ては母親がメインでするものから、父親も参加するという流れも少しは出てきました。(とは言っても父親の育休が法的に認められるようになったのは2002年からですので、フランスは北欧諸国などに比べると、まだまだ後進国であります)
フランスでは、現在の社会にも大きな影響を与えた学生運動が1968年にありました。一般的には5月革命と呼ばれるものです(フランス人には革命の血が流れていると言われます苦笑)。
この学生運動は、既存の権威に対する反発から始まり、自由や個人の権利が強調されました。特に、労働者の権利強化(有休制度や労働時間の短縮、賃金の引き上げ)や、教育改革(権威的な教育からの脱却と自由な学問の追求)、そして個人の自由と平等の拡大(性別、年齢、階級を問わず、個々人の意見やライフスタイルの尊重特に女性の地位向上)があります。
この5月革命の影響を受け、親や教師の権威を絶対視する考え方が次第に弱まり、子供の自立や個性を尊重する育児スタイルが広がるようになりました。学校でも生徒の意見や創造性を大切にする学びへとシフトしました。教室での厳しい規律はかなり緩くなり、より自由な学びの場を提供することが重視されました。
私の知人でも5月革命のコアメンバーだった女性がいらっしゃいますが、とても聡明な方で、彼ら彼女らが国とたった買ってくれたからこそ、現在の社会保障がどの国よりも手厚いフランスがあるのだなぁと感じます。
反対に言ってしまうと、規律を壊してしまい、「(なんでも)自由が一番!」という言い方をする弊害もあるのかなぁと感じていますので、それについてはまた少しずつ私の意見を書いていきたいと思います。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。