
「天国は、遠いですか。」
きっと、あのこは笑ってるのに
わたしはいつまでもいつまでも
ぐずぐず泣いてばかりです。
でももう今更、どうしようもありません。
あのこがこの世界からいなくなった。
そんなことはもうとうにわかっているんです。
でも、あのこがいなくなった世界は、
ぽつり、と穴が空いたようになっているんです。
かなしいです。
さびしいです。
お誕生日の年末も、年始の挨拶のときも、なんとなくわかってました。
あのときもうすこしだけ
はなせばよかった。
わかっていたなら。
でも。
わかっていたのに
わかっていたから
話せなかった。
ねえ、天国は、遠いですか?
遠いのならば
わたしがそっちに行くときは
いっぱいいっぱいゆっくり歩いて、
その道折々見てきた風景を
おおきなおおきな花束にして、
そうしてあのこにあげようと、思います。
だから神様。
わたしにもっと色んな景色を見せてください。
キレイなものも
そうでないものも
すべて。
この世界、を構築しているものを
存分に見てから
わたしはあのこのところへ行って
わらってあのこにあいたいとおもいます。
生きた証を、カケラだけ、のこして逝ったあのこへ、
生きる事をかつて諦めたわたしからの
精一杯のお礼、なのです。
天国はあたたかいと、いいな、と冬空を見ながら思う、今日この頃です。
(あ。ねえ。ながれぼし。)