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「出れんの!?サマソニ!?」に出れたらどうなるのか?  ~オーディション優勝者のその後を分析してみた~

はろー。noteのすみっこで、音楽業界を淡々とデータ分析しているまいしろです、こんにちは。




今回のテーマは「フェス出演権オーディション」


「なにそれ、見たことないよ」って方もいるかと思いますが(というかほとんどの人がそうかもしれない)、フェスに行かれたことのある方であれば、「出れんの⁉サマソニ⁉」とかは、なんとなくわかるかな?と。




そうです、あれです。

オーディションを勝ち抜いた若手アーティストが、本編のオープニングアクトの前にガチガチになりながら、演奏させてもらえるという、あのアレですね。




フェス常連にはなかなか人気の企画で、私もフェスに行くたびに間に合えば見に行ってるんですが、
毎回こういうオーディションを見ていて思うのが



ここで優勝したアーティストって、どれくらいが生き残れるんだろう...?



ということ。を縁起でもないこと言ってるんだって感じですが、職業柄、気になるものは仕方がないから許して欲しい。なんかごめんほんと。





というわけで、今回は


「フェス出演権オーディション」に出たアーティストがどれくらい生き残っているのか?


を調べてみることにしましょう!


毎回思うけど自分のnote、現実を叩きつける感じがすごいよね。業界自体が厳しいから仕方ないんだけどさ... 許せ...




ちなみに、この界隈に詳しい方ならご存じのように、公開型のバンドオーディションだと


・未確認フェスティバル ※旧・閃光ライオット

・MASH A&R


などなど、かなりの有名どころのオーディションが他にもあるんですが、今回は比べやすいし、せっかくなので国内4大フェスのオーディションで比較してみることにしました。




というわけで、まずは4大フェスのオーディションをまとめてみましょう。こんな感じです。








こう見ると、やっぱり大都市に近いフェスの方が応募数は多いんだなという印象。




東京と大阪のサマソニ、茨城・ひたちなかのロッキン

vs 

新潟・苗場のフジロック、北海道・石狩のライジングサン




で綺麗に応募数が分かれている。



特にライジングサンは想像以上に少ない。。
たとえ売れるためでも北海道はさすがに遠いし、高いということなのか。。いいフェスなのにつらみ...



あ、あとちなみにこちら、RO JACKは応募数を公式で見つけられず、推定なので要注意です!

(RO JACKは夏冬の2回があるので、もしかすると夏だけだと応募数2000とかかもしれない)




というわけで、4大フェスのオーディションをまとめたところで、さっそく「各オーディションの優勝者がその後どうなっているか」を見てみましょう。




今回はどういうデータを取ればいいのか結構迷ったんですが、最終的に2014 - 2016年の優勝&最終候補アーテイストが、その後2-3年で



1.どれくらメジャーデビューしたか

2.YouTubeでヒット曲がどれくらい再生されたか

3.バンドが解散せず続けているかどうか



の3点で見ていこうと思います。





ちなみにですが、今回の対象アーテイストは101組。
私のnoteだと分析対象として少ない方なので、だんだん100組調べるぐらいなら慣れてきた。慣れってすごいね!




1.メジャーデビュー率


さて、まずはメジャーデビュー率!

イナズマオーディションみたいに「優勝=フェス出演=メジャーデビュー」というおトクなオーディションもありますが、4大フェスのオーディションは基本フェスに出演できるのみ。



なので、ここを足がかりにしてメジャーデビューを掴んだアーテイストがどれくらいいるのか?という話になります。



(まあ、ご時世的にメジャーデビューを選ばないアーテイストもいると思うけども、そこは誤差ということで...)





というわけで、結果がこちら!








デビュー率ひっく




全体で16.3%て!

北欧諸国の消費税より低いよ!マジか!



だって、苦労してオーディション勝ち抜いたアーティストのうち、6組に1組しかその後2~3年でメジャーデビューしてないってことですもんね。

メジャーデビューってそんなに難しいの?? ホントに? つらくない???





ちなみに、アーテイスト数・デビュー率を考慮してフェス別で見ると


一番メジャーデビューに近いのは「出れんの!?サマソニ!?」


みたいですね。なので、ファンからするとここの優勝者は要チェックだ!



逆に、アーテイスト側からすると、応募者数少ないのにデビュー率が高いライジングサンは狙い目かもしれない。北海道遠いけどさ!



しかしこれ、データ計測期間が短いとか、オーディションは若手が多いとかいろいろ原因はあるのでしょうけど、想像の上をゆく少なさだったな... あと2項目あるのに既につらい...




2.YouTube再生回数


続いて、正直メジャーデビューよりもアーテイストの人気度を表しているかもしれないYouTube再生数の数字です。



今回は「そのアーテイストにとって一番ヒットしている曲」が何回再生されているかで見ていきます

(全曲の平均だと、売れない頃からずっと曲をアップしてるアーティストがいると、数字が大きくずれちゃうからね)




その結果がこちら。どーん。







FUJI ROCKつよ




ビックリした。フジ出身のアーティストだけ、YouTube再生数のケタが違う!!




ちなみに一応ネタばらしをすると、ここまで数字が違うのは最近のフジ出身のアーティストの中に

Suchmosがいるから

なんですが、Suchmos抜いてもサマソニと同じぐらいは再生されてますね。



なので、わりと本当にフジ出身のアーティストは、ファン人気が根強い。コアなリスナーが多いのかな。すごいなフジ。



ちなみに、フジは最近の出身者だと、上に上げたSuchmosの他にも


・Yogee New Waves

・The fin.

・SIX LOUNGE


とかいますね。どれも、けっこう本気で邦楽ロック好きな方には知られているアーティストだ!

そもそも母数が多いというのもあるけど、私がアーテイストならフジに出すと思う。苗場すごいね。




あと、個人的に意外だったのが「全体的に再生数多いな」ってことですね。

あくまで体感ですが、YouTube再生数が


5,000 - 5万回の曲が1曲ある → バンドオーディションに出始める
30万- 50万回の曲が1曲ある → インディーズのトップレベルとして活動するか、メジャーデビューする
100万回の曲が1曲ある → 普通にフェスに出る



という感じみたいです。1000万回超えるとロックファンを飛び超えた大ヒットですね。

体感なのでちゃんと分析してないんですが、面白そうなのでどこかで改めて調べてみるかも。




3. バンドが解散せずに続けているかどうか


正直、これが一番気になるよね。

オーディションに勝ったはいいけど、その後どれくらい続くのか?っていうね。



というわけで、つべこべ言わずにこれはサクサク結果を見よう!

まとめてみるとこんな感じ!









継続率93%以上。





めっちゃ活動続いてるやん







このnote史上、もっとも希望のある数字かもしれないですねこれ。


まあオーディションに出ているぐらいなので、本当に「若い」アーテイストが多い、ということもあるかもしれないが、それでもけっこう高いよね。

良かった... なんか最後に救いのある記事になってホント良かったです私...






というわけで、全部まとめたところで、タイトルの伏線を回収しておこう!笑



結論を言うと、「出れんの!?サマソニ⁉」などに出れた人は、



その後メジャーデビューは難しいものの、YouTubeなどのSNS経由でファンを獲得し、音楽活動を続けている



という形のようです。



なんだか今の音楽業界を表すような結論になってしまった。メジャーデビューがすべてではないけど、やっぱり経験のあるプロデューサーや資金があるに越したことはないから、レーベルとかがもっと新人育成にお金をかけられるようになるといいね。。



というわけで、あなたの音楽活動、もしくはファンとして何かの参考になれば幸いです!


長文お付き合いありがとうございましたー!良かったらフォローしてねん。

読んでいただき、ありがとうございます!