「ありがとう」「また会おうね」
終わらせなくていーよ。
*******************
私は、「卒業式」が苦手なのだ。
「苦手」である、と明確に気が付いたのは、教員になってからだけれど。
小学生のときからずっと「式典」では、いつもどこか上の空だった。
粛々と進む儀式が何だか不思議で、自分とまわりとが切り離されていて、いつもより着飾った先生方や友人たち、そしてそこにいる自分自身の存在さえも何だか「信じられない」ような感覚になった。
大学生のときには、修士課程に行くから、
修士課程のときには、博士課程に行くから、と「卒業式」にはきちんとは出なかった。
今思うと、私自身は何にも変わらないはずなのに、
「卒業式」によって「これで終わり」にされる感覚が苦手だったんだ。
(「これで終わり」にされて、ガンガンと次に向けて持ち上げられる?感覚)
「卒業式」では、みんな「これで終わり」みたいな顔をして、「ありがとう」「また会いに行くね」なんて言って泣いたり笑ったりするから、私は今まで気がつかなかったよ。
「卒業式」で、別に「終わらせなくていい」こと。
相変わらず卒業式(含めた式典)は、苦手だけれど。
「これからも続いていく」ことを、ようやく自然と信じられるようになったから、「これで終わり」という場にも、今までよりはしゃん、と立てるようになった気がする。
「ありがとう」「また会おうね」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?