面と線を意識する
「舞扇」とは、主に日本舞踊で使用される扇のことです。
舞扇道ボディワークは、この舞扇を舞ではなく「基準」として用います。
舞扇をどのように捉えて体の基準として作用させるのか、をお話します。
舞扇には、面があります。面は水平性を感じることができます。
「面」の状態を縦方向から見ると、線になります。 こちらは垂直性を感じることができます。
このように、舞扇の骨に指を沿わせて両手で挟むと、散漫になっていた「気」が体の真ん中に集まってきます。
逆に言えば、「散っていたことに気付く」ことができました。 わたしたちは、知らず知らずのうちに「気」が体の外に散っています。
気を集める(纏める)と、集中力が上がるだけでなく心にゆとりができ落ち着きを取り戻します。 この時のコツは、
・両足はしっかりとつけて、2本の足を1本にする気持ちで
・両手に挟んだ舞扇と、舞扇に沿わせた指をしっかり伸ばして
・肘は張りすぎず、肩の力を抜いて
・腰を反りすぎず、尾骨を巻き込むように骨盤を立てる。
左の写真は、腰が反っています。 比べて右の写真では、骨盤を立てているため左の写真と比べると、自然と肩と胸の力が抜けているのがわかります。 加えて膝も緩やかに撓(たわ)んでいます。
身体中の角(肘や膝などの関節部分)の緊張を緩めて舞扇を両手で挟むことで、体の中の軸(真ん中)が意識できます。 そして自然と舞扇の「面と線」状に意識が集まって(纏まって)来るのを体感することができました。
骨盤が立ち、脊柱がしっかり上方に向かって立つこの姿勢が正しくできてくる(立禅)と、体の重心が下半身の方に落ちてゆき、ストレスやよくわからないイライラをアースのように地上へ返すことができます。
この上半身は淡く漂うように軽やかで、下半身はしっかり大地を踏んで全てを支えている安定した状態を「上虚下実」と言います。
舞扇を持っていなくても、持っているとイメージして両手を体の前で合わせてみると、意識を面と線上に集まる感覚を味わえます。
今日もたおやかな女性を目指して頑張ります。 お読みいただきありがとうございました。
舞扇道(まいおうぎのみち)のお稽古に興味がある、という方はコメントいただけたら嬉しいです。