宇宙と大地をわたしが繋げる
「天と地をわたしの中で繋げる」という今回の内容です。
タイトルの「わたし」とは、皆さんにとっての「わたし」です。 ご自身、各々という意味です。
地に足をつける、グランディング、という言葉があります。
しっかり自立できる、心を落ち着けて現実を受け止める、などどっしりとした足元のお話しっぽいのですが、
これは上方から下方へ、エネルギーを流す(通す)という意味もあるのだとわたしは考えています。
前回の「足の在り方」でも書きましたが、足はアースのような役割もできます。
頭のテッペンで受け取ったものや、上がってしまった気を下ろし、大地に流す。
この通過点に「骨盤」があります。
骨盤は、内臓の器です。 大きなお椀型になっています。
それから、足のジョイント部分(股関節)があります。
血液にとっても、一番太い血管が通っている股関節は、大きなジャンクションでもあります。
最近、よく聞かれるようになった話題で「座る時間が長いと、寿命が縮まる」って話を聞いたことはありませんか?
時代背景を揶揄しているのかもしれませんが、実際わたしは納得してしまいました。
座った姿勢と言うのは、この大きなジャンクションが曲がってしまった状態です。
車は速度を大きく落としますし、ホースが折れている感じですね。
必然的に、中の液体の流れは制限されます。
日々の活動や体の修復に必要な栄養や酸素やホルモン、
病原菌や死んだ細胞、有毒な重金属類などの老廃物が、上手く運ばれない、
こんなことが股関節のすぐ上にある、内臓の器である骨盤の中で起きていると思うと、思わず立ち上がりたくなりませんか。
酸素や栄養が届かない細胞は酸化し劣化(老化)するし、
老廃物を流して排泄できないと、細胞は酸化して劣化(老化)するし
どっちにしても老けます。
つまり、自分の能力(自然治癒力、恒常性)を発揮することができないと言うことです。
そして「体」が劣化すれば、精神も一緒に劣化してゆきます。
心も「腐り」ますよね。人体は60%〜70%水でできています。
水は流れていないと腐ります。
怖いですね・・・では座りっぱなしにならないように、お稽古してゆきます。
今日は、今までも何度か出てきている「骨盤を水平にする」と言うのを、舞扇を使ってやってみます。
扇の持ち方は
こうか
こう。
(A)足は合足(「足の在り方」を参照)で立ちます。
舞扇は両手で持ち、肩の力を抜いてから、
ふーーーっと息を深く吐くように、胸の力を抜きます。
それと同時に、尾骨を巻き込むように骨盤を立てます。
数秒このまま、それから体の力を入れて抜いて、ゆっくり深呼吸します。
次は、普通に立った状態の骨盤の角度と、
両手に持つ舞扇の角度を合わせます。
ここから、(A)の姿勢を取るときに、骨盤の水平と舞扇の角度をリンクさせます。
腰の少し上あたりが膨らむようなイメージで骨盤を立てます。
そうすることで、自然に胸が落ちます。
この姿勢を数秒保持し、今度は開放させる。
何度か繰り返すと良いです。
この時も、猫背にならないように注意が必要です。
頭の天辺(百会)が天を向き、背骨が天から踵を通って地へと向くことで、
宇宙と大地がわたしの中で繋がるのです。
わたしがよく注意されるのは、膝が曲がりすぎてしまうことです。
骨盤を立てると、膝は撓(たわ)みます。
関節を折るのではありません。 これがとても重要なことなのだと先生は仰います。
舞扇の道ボディワークは、動作に角や隙間を作らないことで、
美しくたおやかな心と体を作るお稽古です。
ポキポキ折れず、滑らかなたおやか女性を今日も目指します。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
次回は腕の意識を変えるお稽古をしてゆきます。