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腑に落ちること

『色落ちと色移り』について。

本建て正藍染
(ほんだてしょうあいぞめ)
と読みます。

正藍染の染物は、
色落ち、色移りがありません。

色落ちと色移りのない藍染と聞いたとき、
洗濯で青い色が出るのは当たり前、
他のものとの別洗いは当たり前、
そういう藍染しか知らなかったから驚きました。

"色落ちと色移りのない染め"
には、
まず建て方(染め液をつくること)
そして染め方、洗い方、干し方、

そのどれもに、手間と、工夫、経験、年季が要ります。肝要です。

どれをとっても、時間と手間を惜しまず、
それを何度も何度も繰り返します。
途方もなく、長い道のり。
すぐに濃紺にはなれません。

何度染め上げたらそのような色に辿り着くのか、わたしはまだ未知です。
そのくらい繰り返す。

昔のお殿様しか、褐色(かちいろ)と言われる濃紺の御召し物を身に纏えなかったのも、歳月のかかる染めものだったためだろう、ととても納得がいったのです。

あせる色に想いを寄せる、風情があるなぁ、という考え方がどうしても腑に落ちなくて、
なんで、色落ちしたのがカッコいいのか、
何故それを、味と呼ぶのかわたしには
理解できない感覚でした。

色落ちするから白物は特に気を付けて、
藍染のものとは別洗い、も、
昔の人は本当にそうしていたのか、とだいぶ疑問でした。

それに答えをくれたのが正藍染。


わたしはこの染めの持つ意味が、しっくりくる。
腑に落ちるのです。

工程ひとつとっても、熟すの いつ?
ってな具合。

一生未完やろ、わたし。

でも続けてる。


最近染めはじめたコサッシュ
下染めを2回ほどした後



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