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何が「キャ~」で、何が「ワ~」なのだろうか?

3~4年前のドラマ、『『知ってるワイフ』を観た。


妻のゆかりちゃんが観ていて、僕も、なんだかんだと半分くらい観ていた。

女性社員が、同僚の男性を屋上に呼んだ。
勤務中なのに。

女性 「私のこと『好き』って言ったのに、ほかの女子と仲良くして…」
男性 「また数えてイイ?」

女性 「・・・」

男性 「3つ数えてキスをする。イヤなら逃げて」

女性 「・・・」
男性 「1、 2」(徐々に近づく)

男性 「3」
女性 「・・・」(逃げない)

カメラは男女の【あしもと】だけを映した。
2人の足は、近すぎる程に近い。
その足の近さから、2人がキスしていると分かる。


僕は、心の中で

(くだらない…)

とつぶやいた。


その瞬間とき、ゆかりちゃんが、

「キャ~~~!  ワ~~~ッ!」


と、大声で叫んだ。
目をキラキラさせていた。

本気でキュンキュンしている。
そのように僕には見えた。

何が「キャ~」で、何が「ワ~」なのだろうか?

( 乙女かっ! )
(五十ピー歳の乙女、……ってか⁉)

僕は、心の中で思った。


今度僕は、偶然を装って、ゆかりちゃんの手に触れて、

「あっ」

と、小さな声を上げて、オドオド&キョドキョドしてみるか。

57歳男性と、5〇歳女性の、恋愛ドラマごっこだ。
案外、ゆかりちゃんに、

「じょーじって、カワイイとこあるよね…」

って、

そんなことを言われそうな気がしている。







おしまい


※この記事は、エッセイ『妻に捧げる3650話』の第1643話です
※僕は、ゆかりちゃんが大好きです。



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奈星 丞持(なせ じょーじ)|文筆家
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