第490話 「海のない国は?」に、僕は普通に答え、妻は古畑任三郎の顔をする
※ この記事は2020年5月の記事の書き直しです
僕とゆかりちゃんがクイズ番組を観ると、ちょっとした競争になります。
2人とも、「自分」が、先に正解を言いたい!
その日観ていたTVは、「海のない国は?」という問題を出しました。
「バチカン市国!」と、僕は、間髪入れずに答えました。
でも、この答えでは、ドヤ顔はできません。誰でも思いつく答えですから。
僕は小学生のころ、地図が好きで、隅から隅まで見まくりました。
世界一広い湖は「カスピ海」で、そのカスピ海の面積は日本の国土と同じくらいあるとか、
もっと広く見える「黒海」は、湖ではなく海だとか、
そんな知識は、小学生の時に見た地図で得たものなのです。
その僕の答えが、誰でも思いつくような、イタリア真ん中にある『バチカン市国』では、ちょっといただけない…。
(たしか、ルクセンブルクも、海がない気がするなぁ、メッチャ小さい国だったけど、場所はどこだっけ? ヨーロッパの真ん中っぽかったけど、海がないという確信は持てないなぁ…)
などと、もっと、「おお~!」となるような答えを探しました。
ふと、黙り込んでいるゆかりちゃんに目を向けると、
ゆかりちゃんは、古畑任三郎のように、眉間に立て皺をよせて、真剣に考え込んでいます。
1つも浮かばないのかな? と思ったら、
「モンゴルしか浮かばない・・・」
と、ゆかりちゃんが言ったのです!
確かに! モンゴルも海がない!
僕は失礼にも、ゆかりちゃんを、見くびっていました。
申し訳なく思い、
「ゆかりちゃん! すごい!」
と、僕は、素直に称賛を言葉にしました。
ゆかりちゃんは、眉間にシワをよせたまま、まだ真剣に考えています。
「モンゴルしか浮かばない・・・」
と、悔しそうです。
その真剣な顔で、
「コマネチは?」
と、僕に確認を求めました。
もちろん、僕は爆笑です。
「ゆかりちゃん、『コマネチ』は、国名ちゃうよ~」
「ん? あっ! コマネチは都市かぁ~っ!」
またまた僕は、追加爆笑です。
「いやいや、人名だから~~~」
真剣な表情が、素敵でした。
僕は、そんなゆかりちゃんが大好きなのです。