この「ペッ!」は、ある意味最高のタイミング!
とても不快な夢を見ました。(3年半前のことです)
目が覚め、あぶら汗をかいていたことに気づきました。
となりのゆかりちゃん(妻)は、スヤスヤと熟睡中。きれいな寝顔でした。
僕は、
「誰も、僕を信じてくれなかった」
という夢に、うなされていたのです。
夢の、具体的な記憶はどんどん消えてゆきます。
「誰も、僕を信じてくれなかった」という想いだけは目減りすることなく残り続けました。
誰も信じてくれなかったという淋しさが、僕の胸の中に、まるでその淋しさを手で触って、感触を確かめられるほど明確に残っていました。
怒りや、恐怖、怯え、むなしさ、不信感などという、いろいろな負の感情を抱いた記憶が、薄っすらとあります。
それらの何倍も何十倍も、「淋しさ」が大きく、深く明確でした。
孤独に押しつぶされそうでした。
ふと、となりを見ると、そこには、ゆかりちゃんが、ちゃんといます。
スヤスヤと眠っていました。
僕は、ゆかりちゃんの肩に触れてみました。
起こさないように。そっと。
僕には、ゆかりちゃんがいる。
そう思うと、僕は救われました。
勇気づけられ、癒されました。
淋しさが薄れてゆきます。
ぺッ!
手を払われました。
ゆかりちゃんの肩に、そ~っと触れていた僕の手を、眠っているゆかりちゃんが、ぺッ! と払ったのです。
蚊かハエを払うみたいに…。
さらに、僕に背を向けました。
(もしかして、起きてる?)
(もしかして、僕が見た夢を知っている?)
(その上でのギャグ?)
いや。
眠っているゆかりちゃんには、なんの計算もあるません。
僕は、凄い衝撃を受けましたが、それも、ゆかりちゃんには何の罪もありません。
ある意味、これ以上のタイミングはない!というタイミングでした。
後にも先にも、ゆかりちゃんに手を払われたことはないのですが、その1度が、このタイミングだったのです。
僕は、ゆかりちゃんが大好きです。
おしまい