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男女で「優しさ」の意味は異なり、上司の『上級の優しさ』は家庭には要らない
あるキッカケがありまして、『優しさ』について深く考えました。
男女差があるように感じたのです。
この記事は特に、
上司、リーダー
子育て世代のママさん、パパさん
に、役立つと思います。
初老(54歳の僕)の後悔を知り、同じ轍を踏まないでほしいと思います。
◆女性が恋人に求める優しさ
女性が彼や、彼氏候補の男性に求める『優しさ』を考えてみました。
結論は、『私個人への優しさ』を求めているように思います。
「まわりにの女子にも優しくしてほしい」という、矛盾のような要求があることも知っています。
しかし、それは深く考えてみますと、
「あなたがそんなんじゃ、私がコミュニティから嫌われてしまうでしょ」
という、結局は『私個人への優しさ』を求めていると、僕はそのように分析しました。
この女子の求めに対し、僕(おそらく多くの男性)は、
・自分にだけに優しくしてほしいという女性を、「ステキな女性」とは思えない
・利己的すぎる
・ちょっと理解できない
と思ってしまいます。
今僕は54歳なので、それなりに人生経験を積みまして、実は90%以上の女子が、この『私個人への優しさ』を求めていると見抜いています。
本心が男子にもバレてしまう女子なのか、上手く男子には隠してしまう女子なのか、その違いなだけでしょう。
つまり、ごく一部の女子を除いて、ほとんどの女子の求める優しさとは”利己的”なのです。
◆男性が無意識に考えている『優しさ』とは
多くの男性は、『誰にでも等しく優しくしよう』という無意識があると思います。
できる限り、そういう自分でありたいと思うものなのです。正義の味方に憧れていいるのかもしれません。
もちろん普通に、好きな女性や恋人に「優しくしよう」と思います。
ウソではありません。ほかの女性以上に「優しくしよう」と思います。
ただ、『女性の求めるように優しくしよう』とは思っていません。女心が分からないのです。
男性は、自分の考える『優しくする』という方法しか発揮できません。
そして彼女と結婚し、彼女が妻になったあかつきには、
「妻には、特に『最大級の優しさ』を発揮しよう」
と、そう無意識で考えるものなのです。
◆男性の考える『優しさ』は、上司の優しさ
男性の思う『本当の優しさ』とは、『公的な優しさ』と言い換えることができます。
上司が部下に発揮する優しさや、先輩が後輩に発揮する優しさなどです。
その優しさにはレベルがあります。
1.普通の優しさ(主任、係長クラスの優しさ)
・手助けする
・援助する
・支援する
・励ます
・期待する、など
この優しさを「チンケな優しさ」と思う男性もいます。30代の僕がそうでした。
2.上級の優しさ(課長、部長の優しさ)
・注意する
・その人の能力を認める(褒める、評価する)
・その人の成果を認める(褒める、評価する)
・叱る
この、1と2の優しさは、部下や後輩の全員が喜んではいません。
「よけいなお世話」と思う人も、かなりいるハズです。特に2には抵抗を感じるはずです。
ごく一部の部下や後輩だけが、「これは本物の優しさだ」と受け取ります。
3.最上級の優しさ(実行できるのは1%のリーダーのみ)
・タブーを教える(なぜやってはいけないのかを、キチンと説明する)
・その人の可能性を信じる
・信じて任せる
・把握する(見守る)
・小いさな失敗させる(小さな失敗を許容する)
・再チャレンジを認める
・手柄は部下
・責任は自分
このような『最上級の優しさ』を、30代のエリアマネージャー時代に僕はできたか?
答えは「NO」です。
僕はもっぱら、2の『上級の優しさ』でチームをマネジメントしていました。最上級の優しさの定義を、当時の僕は知りませんでした。
『最上級の優しさ』は、53歳で【西野亮廣エンタメ研究所】というキングコング西野さんのオンラインサロンに入り、そこで教わったリーダー論です。
ここ ↓ で教わりました。
◆僕が、ゆかりちゃんに発揮した優しさ
僕が、ゆかりちゃんに発揮した優しさは、上司の『上級の優しさ』でした。
主に、『注意する』と『叱る』でした。
求められていないアドバイスも、優しさのつもりで行ないました。
当然ですが、ゆかりちゃんは「余計なお世話」と思ったワケです。
◆女性の思う優しさ
先に、「女性は恋人に『私個人への優しさ』を求めている」と書きました。
では、女性の思う優しさとは何でしょうか。言語化してみます。
女性の思う優しさ
・許すこと
・守ること
・見守ること
・待ってあげること
・信じること
・その人の思いや考えを受け取ること
・その人の存在を愛すること(「ただいるだけでいいの」、という思い)
・その人を肯定すること(評価しないこと)
以上は、母親のわが子への『優しさ』を考えて見つけたワードです。
「優しさではなく甘さだ」と思う人もいるかもしれません。30代の僕です。
◆30代の僕の理想
30代の僕は、仕事で成果を出し、自分の能力に自信満々でした。
「より良い部門にするぞ」
「より良い会社にするぞ」
「日本を良くするのはオレだ!」
と、本気で考えていました。
家族を犠牲にしました。
「芸のためなら女房も泣かす」という 『浪花恋しぐれ』の歌詞の世界が、僕の理想だったのです。
2番のような考えをする女性を、心から求めていました。
そんな女性は、いやしません。
男性が、妄想の中で作った女性だけです。
◆一隅を照らしてから
30代の頃の僕は間違っていました。
大切にする順番を間違っていたのです。
正しい順番は、
妻 → 家族 → 身内 → 自部門 → 会社 → 取引先
→ その他のコミュニティ → 市 → 県 → 日本、です。
1つずつ順番にクリアーすべきなのです。照らす所を変えてはいけません。最初の『妻』にスポットは当てたままです。
徐々に、照らす範囲を大きくするのです。
「一隅を照らす、これすなわち国宝なり」
延暦寺を開かれた最澄の言葉です。
「一隅を照らす」は、よく耳にするのではないでしょうか。
一隅とは、自分のいる場所のことです。
「あなたのいる”そこ”を照らしなさい。それが積み重なることで世の中が良くなります」
そういう教えです。
僕は、一隅を照らすことなく日本を照らそうと思いました。
そんな愚か者でした。傲慢でした。
◆再度、女性が恋人に求める優しさを検証
もう1度女性が、恋人やその候補の男性に求める優しさを検証してみましょう。
女性は、恋人やその候補の男性に『私個人への優しさ』を求めている。
「私だけに優しくして」という要求。「まわりにの女子にも優しくしてほしい」という場合は、「私がコミュニティ仲間に嫌われてしまうから」という理由で、結局は『私個人への優しさ』の求めている。利己的である。
これは、当然の求めではないか?
この求めをクリアーしているのなら、公的な優しさでも、社会的な優しさでも、何でも世の中に発揮して構わないのだろう。
54歳、初老のじょーじは、そのような考えに至りました。
考えが変わりました。
◆わが子への優しさ
わが子への優しさ。「教育」とか「躾」とも、言い換えることができます。
女性の思う優しさは、そのまま発揮して良いと思います。
女性の思う優しさ
・許すこと
・守ること
・見守ること
・待ってあげること
・信じること
・その人の思いや考えを受け取ること
・その人の存在を愛すること(「ただいるだけでいいの」、という思い)
・その人を肯定すること(評価しないこと)
上司・リーダーの”最上級の優しさ”も、そのまま発揮して良いと思います。
上司・リーダーの『最上級の優しさ』(1%しかいないリーダーの優しさ)
・タブーを教える(なぜやってはいけないのかを、キチンと説明する)
・その人の可能性を信じる
・信じて任せる
・把握する(見守る)
・小いさな失敗させる(小さな失敗を許容する)
・再チャレンジを認める
・手柄は部下
・責任は自分
上司・先輩の”普通の優しさ”がありました。
上司・先輩の『普通の優しさ』(主任、係長クラスの優しさ)
・手助けする
・援助する
・支援する
・励ます
・期待する
これは、母親が積極的に行なっていますよね。もちろん、父親も発揮して構わない優しさです。
ただ、母親でも父親でも、この優しさは最小限にとどめるべきでしょう。
理由の解説は省略します。簡単には説明できないからです。
岸見一郎、古賀史健共著の『嫌われる勇気』と『幸せになる勇気』の熟読をオススメします。
◆わが子にしてはならない優しさ
わが子に発揮してはいけない優しさは、上司・先輩の”上級の優しさ”です。
上司・先輩の『上級の優しさ』(課長、部長の優しさ)
・注意する
・その人の能力を認める(褒める、評価する)
・その人の成果を認める(褒める、評価する)
・叱る
アドラー心理学では、褒める教育も、叱る教育も、どちらも否定しています。
とても深い思考で、理解が簡単ではありません。そして実践は超難関です。しかし、すばらしい教えです。
ここでは説明いたしません。
やはり、岸見一郎、古賀史健共著の『嫌われる勇気』と『幸せになる勇気』の熟読をオススメします。
この、上司・先輩の『上級の優しさ』を行なう夫は、妻にとって最悪です。
にもかかわらず最近は、これを発揮してしまう母親が多いと感じます。
自分が夫にされたなら「余計なお世話」と思うのに、なぜ、それをわが子に行なうのでしょうか。
ダメな夫と、同じ思考をしていると思います。
・そうしてあげることが『優しさ』と、勘違いしている
・それが『躾』と、勘違いしている
この2つが、わが子に、上司・先輩の『上級の優しさ』を行なう原因ではないでしょうか。
◆リーダーや親には『説明責任』がある
教えてもいない、説明もない、かつ、世間の常識でもない。にもかかわらず「やり方が違う!」と注意したり叱る上司がいます。
これは、リーダーが行なうべき説明責任を怠っています。
自分の怠慢を棚に上げて部下を注意し、あるいは叱る。これは、軽蔑されて当然です。
子どもを注意したり叱る場合、親は、本当に説明責任を果たしているでしょうか?
例えば、子どもは小動物に残酷な行為をする場合があります。
やってはイケないと知らないのです。
大人の「それは常識」は通用しません。子どもは常識を知らないのが、常識でしょ?
胸に手を当てて、よく考えてみるべきです。
1%しかしない最高のリーダーが、メンバーに真っ先に行なうのは、
「タブーの共有」です。
ただ「ダメ」と言うのではなく、なぜダメなのかという理由や根拠まで、ていねいに説明します。理解ではなく納得してほしいのです。
これをキチンと行なえば、子どもは公共の場で騒いだりしません。
もっとも、「子どもは親の言うことは聞かないが、親のやることは真似る」といいます。
勉強しない親が「勉強しなさい」というのは、少し考えものですよね。
◆まとめ
・女性の求める「私にだけ優しくして」は当然の要求である
・会社での優しさの『上級の優しさ』を、家庭に持ち込んではいけない
・大きな範囲に優しさを発揮したい場合でも、一隅は照らし続ける
・照らす場所を変えるのではなく、少しずつ光を大きくする
・わが子への優しさは、女性の思う優しさと、1%のリーダーの優しさ
・リーダーと親には『説明責任』がある
・説明責任は、聞き手が納得するまで丁寧に行なうもの
もう1度、子どもにとっての『良い優しさ』を書きます。
女性の思う優しさ
・許すこと
・守ること
・見守ること
・待ってあげること
・信じること
・その人の思いや考えを受け取ること
・その人の存在を愛すること(「ただいるだけでいいの」、という思い)
・その人を肯定すること(評価しないこと)
上司・リーダーの『最上級の優しさ』(1%しかいないリーダーの優しさ)
・タブーを教える(なぜやってはいけないのかを、キチンと説明する)
・その人の可能性を信じる
・信じて任せる
・把握する(見守る)
・小いさな失敗させる(小さな失敗を許容する)
・再チャレンジを認める
・手柄は部下
・責任は自分
もう僕は、わが子にこの優しさを発揮できません。子どもは独立し、一人暮らしです。
信じる
これだけはできますね。
離れていてもできます。それで良しです。
少しでも参考になったなら嬉しいです。
おしまい
※この記事は、エッセイ『妻に捧げる3650話』の第671話です
※僕は、ゆかりちゃんが大好きです
PS.僕の、初のKindle本『いいかい、タケルくん』です!
読むと、恋人ができてしまう自分に変わります。そういう本です。
ご一読いただけたら幸いです。
kindleアンリミテッド会員、Amazonプライム会員は、全て無料で読めます。こちら ↓ に詳しく書きました。
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