第290話 『知ってるワイフ』の、1話と2話を続けて観た


たった今、観終わった。

フジテレビの木曜劇場『知ってるワイフ』をだ。

ゆかりちゃんと、一緒に観た。


***


今日の午前中、僕は、このnoteの記事を書こうとしていたのだが、どうにも眠くて、ソファーで仮眠した。

そして、昼食をいただいて、記事を書こうとして、下書きのマインドマップを開いた。

ゆかりちゃんは、ダイニングテーブルの僕のとなりに座って、

「あ、撮ってたドラマ観よ」

と言って、リモコンを操作した。


少し、ちらりとTVに眼をやると、月が2つだった。

僕が、「月が2つだ」といっても、ゆかりちゃんはスルー。


小さいことを気にしないのは、ゆかりちゃんの長所だ。

ちなみに、ま、これは蛇足なのだが、ゆかりちゃんは、【ゆかりちゃん原因】で起こった、ドラマの聞き逃しや見逃しなどは、一切気にしない。

だが、【丞持(じょーじ)原因】で起こった、ドラマの聞き逃しや見逃しは、メッチャ気にする。

怒りを顕わにして、巻き戻し操作をする。そして、その巻き戻しは、いつも巻き戻しが足りない。

何度も、巻き戻し→再生→巻き戻し→再生となるのが、もはや、パターン化している。


ドラマの内容は、月が2つあって、かつ、「過去は変えられる」とか「タイミングが重要だ」とか言っている。

(・・・メッチャ、気になるじゃないか)

「これ、2時間ドラマ? それとも連続ドラマ?」と僕。

「あ、これ? 連続ドラマだよ」と、ゆかりちゃん。


ならば、ドラマを観たとしても1時間のロスだ。

今日は、このnote記事を、2つ書きあげて、明日の勤務に備えるつもりだ。しかも、このあと夕方4時半から、ゆかりちゃんと出かける予定がある。

でも、(1時間なら、ドラマを観てもなんとかなるか)と、つい、ノートパソコン上の手を止めてしまった。


***


広瀬アリスが、カニの爪を投げた。あれはDVだ。

カニの爪は、大倉忠義の頬をかすめて、ダーツの的に突き刺さった。

「にゃはははは~」

「ウチも、ダーツの的、買ってこないとね~」

と、ゆかりちゃんは言った。

・・・。

(どういうこと?)

(同じことがしたいって、そういう意味か?)

ドラマを一時停止して確かめるほどの、そこまでの疑問でもないから、僕はスルーしたが、となりのゆかりちゃんは楽しそうだった。

きっと、面白いジョークを、ビシッと決めたつもりになっている。


広瀬アリスが、汚い言葉を使う。

僕は、観ていて、なんか気の毒になった。そんなイメージが、世間に定着しないことを願う。役者さんって、大変だなあって、ホントに、そう思った。


1話が終わりそうになったら、「これ、あと1話観なきゃ」と、ゆかりちゃんが言った。

僕の、心の中の(え?)という声が聞こえたかように、ゆかりちゃんは、

「2話も撮ってあんのよ」と、事もなげに言った。


ゆかりちゃんのスムーズなリモコン操作で、即、第2話が始まった。

ドラマが気になって、書けそうもない。

「もう、気になるから、いっそ、ソファーに移動して観よう」と、僕は提案した。


***


タイムスリップうんぬんは置いといて、このドラマの夫婦間の描写は、とても興味深い。

それぞれに言い分はあるのだ。

それぞれに「自分は正しい」と思える背景があるのだ。


ゆかりちゃんが、「丞持(じょーじ)、このドラマは、これからも観る?」と聞いたので、僕は「うん」と答えた。

週1なら、なんとか観れると思うし、観ると楽しそうだし、観ると勉強にもなりそうだ。


◆〆

ということで、今日の記事は、一筆書きとなった。


一緒に観ていたら、実はこんなことがあった。

ドラマの1話の途中で、ゆかりちゃんが突然叫んだのだ。

「ティッシュ!!」

(それだけでは、Siriなら「?」だよ)と思ったら、ゆかりちゃんは、さすがに単語を叫んだだけだと気づいたようで、叫びなおした。

「とって!!」

(固有名詞を叫ぶだけの次は、今度は【命令】ですか?)と、僕は思った。言わないし、ちゃんと取って差し上げるけれども、そう思った。

訂正が、訂正になっていないと気づいたゆかりちゃんは、

「違ったね、あと1枚、ティッシュをあと1枚とってください」(笑顔付き)

と、今度は、普通の声で言った。

僕は、抵抗するのは怖ろしいので、2枚くっついているティッシュを、1枚にはがそうとした。

このボケは、ゆかりちゃんにはウケなかった。

ゆかりちゃんは、ニヤニヤしながら「そのままでイイです~」と右から左に流した。

ゆかりちゃんの、このときのニヤニヤは、僕のボケに対してではない。

ドラマにモロ影響を受けて、自分の口調が荒くなったことに大ウケの真っ最中だったのだ。

自然に口調が荒くなって、そんな自分に、(わたしってオモシロイなぁ)と、ゆかりちゃんはゆかりちゃんにウケていたのだ。


僕は、そんなゆかりちゃんが大好きなのだ。




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奈星 丞持(なせ じょーじ)|文筆家
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