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人生を豊かにするのは、まだ叶えられないステキな夢と、愛する家族と、大好きな友人と、歌と小説だな

僕は、高校生の3年間、ミッチくんに入り浸りました。
ミッチくん家は、居心地が最高に良かったのです。

ミッチくんは2人兄弟で、下でした。
お兄さんは3学年上で、僕たちが高校入学のタイミングで社会人に。県庁所在地の盛岡に行ったので、ミッチくんは、お母さんと2人暮らしです。
ミッチくんのお父さんは、海の事故で、早くに亡くなっていました。

ミッチくんとミッチくんのお母さんは、誰かを悪く言うことがありません。
日中、家の玄関に鍵がかかることもありません。

ミッチくんがいない場合も、誰もいない場合でも、居ないからという理由で帰る同級生はいませんでした。
家の中に入って、テレビをつけて待ちます。まるでわが家のように。
勝手に煎餅とかも食べちゃいます。お茶も煎れて飲みます。

僕は、しょっちゅうミッチくん家に泊まりました。
ミッチくんが大好きだったから。

僕にとってミッチくんは憧れでした。目標でした。ミッチくんみたいになりたいと、いつも思っていました。

僕は社会人になって、ふと気がついたら、理想の家庭は【ミッチくんの家】になっていました。
友だちが気軽に訪れる家。
友だちが「居心地イイ」と思う家。

今、妻のゆかりちゃんの人徳で、そんな【理想の家】になりつつあります。

輪番で5年に1度まわってくるマンションの理事。僕たちのメンバー場合は、理事会をわが家で行ないます。公民館の会議室を借りる必要がありません。
Iさんも、Bさんも、Wさんも、管理会社のHさんも「イイんですか~」と言いながら、気軽に集まってくれます。

ゆかりちゃんの友人も、わが家を気軽に訪ねてくれます。
親友のヒロミちゃん、その娘やお孫さんも、喜んで来てくれます。幼い子供が喜んで来てくれるって、すごく嬉しい!

僕、幼い子供と犬には嫌われたことがありません。えへん。

* * *

昔、確か僕が中学生の時でした。
ミッチくん家で、ミッチくんがいませんでした。
ミッチくんのお母さんが、

「ミッチは、優しいんだよ~。
 私が近所のKさんを説明するのに、
 ミッチに『ほら、あの足がビッコ人だよ』って言ったらね。
 『母さん、その言い方は、かわいそうだよ』って言ったの。
 『その人も、好きでビッコを引いて歩いているワケじゃないんだしね』
 ってさ、そう言うのよ~。
 私、反省してさぁ~。
 そして、ああ~、ミッチは優しいなぁ~って、そう思ったの。
 それが、私には自慢なんだぁ~」

どこかに行っていたミッチくんが帰ってきて、今聞いたばかりの話をしたならば、

「そんなことは、言わなくてイイんだよ~」

と、やはり、すごく優しい顔と声でミッチくんは言ったのです。
ちょっとだけテレて、それを隠して、お調子者の口調で言ったのでした。

僕は、褒められるために良いことをするタイプの子供だったので、
褒められても喜ばないミッチくんに驚きを覚えました。

(ミッチくんは、褒められるために良いことをするんじゃないんだ)
(ミッチくんは、褒められなかったとしても「損した」とは思わないんだ)

その当時、このように言語化できたワケではなかったのですが、でも、僕の本能は、そういう驚きのようなモノを感じていたのです。
ミッチくんのことが、【好き】から【尊敬】に変わったのは、この時だったかもしれません。

* * *

前の妻を悪く言うようで、書きにくいのですが、でも書きます。
前の妻は、「自宅に他人ひとを招きたくない」と明言しました。

結婚前の同棲中は、毎月1人、部下を招いて食事していたのにです。
結婚してから、「それも本当はイヤだった」と言い出したのです。

このことが決定打で離婚したワケではありません。
でも、「目指す理想の家庭が違うのだ」と、とても大事なことが判明した気分になったのは事実です。

ゆかりちゃんと交際中に、僕は、
「友だちが、しょちゅう来てくれる家庭が、僕の理想の家庭なんだ」
と説明しました。
たぶん、受け入れられるか質問したハズです。

僕は【ひと】が好きです。
人見知りするので、初めての人とは気さくに話せなかったりしますが、それでも人が好きです。

嫌いなタイプの人は、残念ながらいます。
でも、かなり少ないんじゃないかなぁ。

このnoteでは、オフラインでの交流では出会うことのない方と繋がれます。
なかには、すごく気の合う方がいます。
ありがたいですね~。

小学、中学、高校と12年間の友だちの中で、
最高に気の合った友だちはミッチくんだけです。
あと2人いましたが、今は疎遠になっちゃっています。

社会人になって、3人の友人と1人の先輩が、かけがえのない出会いでした。
約30年で4人。

ところが、noteはまだ3年です。
ちょっと、ワクワクしています。
僕が勝手に感じている相性の良さを、大切に育みたい!

今日は、上手い着地点が見つかりませんでした。
ひとり言にお付き合いいただきまして、ありがとうございます。

僕は、ゆかりちゃんが大好きです。






チャオ!


※この記事は、エッセイ『妻に捧げる3650話』の第1132話です


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奈星 丞持(なせ じょーじ)|文筆家
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