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「大丈夫」の使い方が間違ってますが、それが何か?

ゆかりちゃんと一緒に、ソファーでテレビを観ていました。

僕の手に、ゆかりちゃんが自分の手を重ねてきました。

(おお?)

こんな風に、ちゃんと重ねてきました。

なんの冗談だろうか?

でも、冗談な感じでもない。
チラと、ゆかりちゃんの顔を見ると、ゆかりちゃんはテレビに視線を向けたままです。


こんなことは滅多にありません。

たまにはケンカするのも良いのかも……。
ケンカのあとは「燃える」とも言うし……。


ゆかりちゃんが、さらに積極的になったみたいです。
僕の右手を引き、ゆかりちゃんの両手で包みました。

(ま、まじで、マジか?)


ゆかりちゃんは、僕と眼を合わせ、

「あげる」

と言いました。


山口百恵さんの、『ひと夏の経験』が、僕の脳内に流れます。


僕の脳内には、もう1人、別な僕が居ました。
そいつは、冷静な僕です。

そいつは、ゆかりちゃんが精いっぱい色っぽい表情をしているのに、
そのゆかりちゃんの表情の中の、わずかな引きつりを見つけます。

そいつは、「ふん。お互い50代やん」と鼻で笑っています。

僕はそいつとは違って、ドキドキしていました。
僕は、純粋なのです。


ゆかりちゃんは、僕の手のひらに何かを握らせました。

コレです。

愛?
欲情?


失敗しました。
冷静なもう1人の僕を全無視して、ゆかりちゃんを押し倒せば良かった。

そっちが面白かったハズだ。

あれ? 純粋は?


大丈夫です。
僕は、ゆかりちゃんが大好きです。





おしまい


※この記事は、エッセイ『妻に捧げる3650話』の第866話です
※この記事は過去記事の書き直しです

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奈星 丞持(なせ じょーじ)|文筆家
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