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西野さんのVoicyで「はっ!」と気づいた エンタメはみんなでつくるの本当の意味

◆歌舞伎

歌舞伎かぶきとは、言わずと知れた日本固有の演劇で、伝統芸能のひとつです。

語源は、以下の通りです。

歌舞伎という名称の由来は、「傾く(かたむく)」の古語にあたる「傾く(かぶく)」の連用形を名詞化した「かぶき」だと言われている。戦国時代の終わりから江戸時代の初頭にかけて京で流行した、派手な衣装や一風変わった異形を好んだり、常軌を逸脱した行動に走ることを指した語で、特にそうした者たちのことを「かぶき者」とも言った。
そうした「かぶき者」の斬新な動きや派手な装いを取り入れた独特な「かぶき踊り」が慶長年間(1596年 - 1615年)に京で一世を風靡し、これが今日に連なる伝統芸能「かぶき」の語源となっている。

引用:Wikipedia

平たく言うと、
・派手
・新しい
・変わっている

ということが、かぶき者、ひいては歌舞伎の語源と言えそうです。


◆1人7役?

歌舞伎ファンは、「歌舞伎役者を観に来る」と言います。

ですから主演の歌舞伎役者は、1人3役などは当たり前のようです。
正義の味方と、それに対する悪党の親玉、そんな両極を演じるのも歌舞伎には”あるある”のようです。
少しネット検索しただけで「1人7役」なんて記事もヒットしました。

主役ありき、いや違いますね。
主演ありきのエンターテイメントのようです。


◆券売

歌舞伎界では、劇場が満員になるかいなかは、主演の責任という『常識』のようです。
もっと正確に深く言うと、主演の奥さまの責任、ということらしいのです。

歌舞伎役者さんの奥さんを「梨園の妻」と言いますよね。
こちらの記事、勉強になりました。


しかしチケットを売る、つまり券売けんばいの成否が、たった1人にのしかかるのは、ちょっと怖ろしい世界とも言えます。


◆歌舞伎界の現状

昨年、2021年の歌舞伎界の現状ですが、みなさんの想像通りです。

コロナの猛威、コロナに翻弄される人間の猛威の渦中。
歌舞伎ファンは年配の方が多く、その方々にとってコロナは恐怖です。

劇場は公演できなかったり、公演できてもお客さんはパラパラ。
客席ガラガラです

歌舞伎界の危機です。


◆プペル歌舞伎

今年、2022年1月3日から、
市川海老蔵主演歌舞伎『プペル ~天明の護美人間~』
が開幕しました。


危機感をず~っと感じていた海老蔵さんの、新たな歌舞伎ファンを獲得するための挑戦です。


『プペル』とは、
まず、絵本『えんとつ町のプペル』があり、


映画『えんとつ町のプペル』があり、


ミュージカル『えんとつ町のプペル』がありました。


僕は、特にミュージカルが好きです。
最高でした。


そして歌舞伎です。
1月3日から、1月20日までの公演だったのです。

開幕初日から、大好評、大興奮、絶賛の嵐でした。

僕は、地理的事情や個人的事情で歌舞伎だけ観れていません。
しかし、だからこそニュースやTwitterなどので感想をたくさん読みました。

「カーテンコールが鳴りやまない」
「何度目? 6回か7回か? すごいカーテンコールだ!」
「スタンディングオベーション⁈」
「海老蔵さん、カッコ良すぎ!」
「早替り、あれどうやってんの?」
「ぼたんチャン、勸玄くんが、かわいい!」
「泣けた~」

歌舞伎でのスタンディングオベーションです!
偉業ですよね。
(ああ、観たい! 名古屋公演お願いします!)

歌舞伎ファンはもちろん、普段の歌舞伎の劇場では見かけない若者や子供の姿も多く、連日大盛況です。
歌舞伎ファンからも評価が高く、逆に、初めて歌舞伎を観た方からも評価が高い!

絵本でのルビッチ、歌舞伎での『はる』は、ぼたんチャン勸玄くんのダブルキャストで、1日ごと交互に出演していました。


◆公演中止

1月19日。
突然の中止でした。

お昼12時の、開演ギリギリでの中止発表です。
関係者に体調不良者が出て、苦渋の決断です。

この日は、ぼたんチャンの千秋楽でした。

そして翌日も中止。
勸玄くんの、新作歌舞伎『プペル ~天明の護美人間~』の、千秋楽でした。


◆みんなでつくる

この記事は、今朝の、西野さんのVoicyを聴いて書こうと思いました。


このVoicyの後半に、西野さんが

「舞台というものは、みんなでつくるんだなぁと思いました」

って、そう言ったのです。


エンターテイメントはみんなでつくる、という意味です。
別段、なにも珍しい発言ではないですよね。

ただ、この「みんな」には、ファンも含まれています。


19日は、開演直前に「中止」の発表がなされました。
新橋演舞場には、すでに大勢のお客さんが集まっています。

しかし、お客さんからは、ひと言の苦情もなかったというのです。
それどころか「覚悟をもって中止していただき、ありがとうございます」と言ってくださったそうです。


拍手も、スタンディングオベーションも、応援も、支援も、理解も……。
考えてみればエンターテイメントは、お客さんナシでは成り立ちません。

最高の作品は、
最高のエンターテイメントとは、
ファンも、つくり手の1人なのです。


◆オンライン「全部喋る会」

西野さんが、中止になった新橋演舞場の舞台で、
「キンコン西野が公演中止になった舞台セットに立って、『プペル ~天明の護美人間~』のストーリーを全部喋る会」
を行いました。

アーカイブが残りますので、まだ購入できます。


料金は800円です。
この売り上げは全額、歌舞伎運営者への寄付です。チケットの払い戻しなどありますので、西野さんから海老蔵さんへの応援です。


この「全部喋る会」の最後の歌で、僕は泣きました。

西野さん自身は、「歌が下の下だ」と言っていましたが、最高の最高です。これはひいき目ではありません。

歌は味です。

歌舞伎を観たかのような気分にさせていただき、その最後に歌。
ギター弾き語り。

最高でした。

屋根の上の、片方だけのスリッパも、なんか味がありました。


西野さんファンだけではなく、海老蔵さんファミリーのファンの方も、支援になりますしエールにもなります。
そして、観る価値がメチャクチャあります。面白いです。

上のリンクからどうぞ。
尚、視聴にはFacebookアカウントが必要です。


◆〆

西野さんの

「あまり悔しがりたくない」

というひと言。


理由は、

「悔しがると、体調不良になった方が責任を感じてしまうから」

です。


ハンサム具合では、遺伝ということもあり敵いませんが、いつかは、
この『優しさ』において、僕は西野さんに勝ってみたいです。




おしまい



※この記事は、エッセイ『妻に捧げる3650話』の第659話です
※僕は、ゆかりちゃんが大好きです

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奈星 丞持(なせ じょーじ)|文筆家
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