西野さんのVoicyで「はっ!」と気づいた エンタメはみんなでつくるの本当の意味
◆歌舞伎
歌舞伎とは、言わずと知れた日本固有の演劇で、伝統芸能のひとつです。
語源は、以下の通りです。
平たく言うと、
・派手
・新しい
・変わっている
ということが、かぶき者、ひいては歌舞伎の語源と言えそうです。
◆1人7役?
歌舞伎ファンは、「歌舞伎役者を観に来る」と言います。
ですから主演の歌舞伎役者は、1人3役などは当たり前のようです。
正義の味方と、それに対する悪党の親玉、そんな両極を演じるのも歌舞伎には”あるある”のようです。
少しネット検索しただけで「1人7役」なんて記事もヒットしました。
主役ありき、いや違いますね。
主演ありきのエンターテイメントのようです。
◆券売
歌舞伎界では、劇場が満員になるか否かは、主演の責任という『常識』のようです。
もっと正確に深く言うと、主演の奥さまの責任、ということらしいのです。
歌舞伎役者さんの奥さんを「梨園の妻」と言いますよね。
こちらの記事、勉強になりました。
しかしチケットを売る、つまり券売の成否が、たった1人にのしかかるのは、ちょっと怖ろしい世界とも言えます。
◆歌舞伎界の現状
昨年、2021年の歌舞伎界の現状ですが、みなさんの想像通りです。
コロナの猛威、コロナに翻弄される人間の猛威の渦中。
歌舞伎ファンは年配の方が多く、その方々にとってコロナは恐怖です。
劇場は公演できなかったり、公演できてもお客さんはパラパラ。
客席ガラガラです。
歌舞伎界の危機です。
◆プペル歌舞伎
今年、2022年1月3日から、
市川海老蔵主演歌舞伎『プペル ~天明の護美人間~』
が開幕しました。
危機感をず~っと感じていた海老蔵さんの、新たな歌舞伎ファンを獲得するための挑戦です。
『プペル』とは、
まず、絵本『えんとつ町のプペル』があり、
映画『えんとつ町のプペル』があり、
ミュージカル『えんとつ町のプペル』がありました。
僕は、特にミュージカルが好きです。
最高でした。
そして歌舞伎です。
1月3日から、1月20日までの公演だったのです。
開幕初日から、大好評、大興奮、絶賛の嵐でした。
僕は、地理的事情や個人的事情で歌舞伎だけ観れていません。
しかし、だからこそニュースやTwitterなどので感想をたくさん読みました。
「カーテンコールが鳴りやまない」
「何度目? 6回か7回か? すごいカーテンコールだ!」
「スタンディングオベーション⁈」
「海老蔵さん、カッコ良すぎ!」
「早替り、あれどうやってんの?」
「ぼたんチャン、勸玄くんが、かわいい!」
「泣けた~」
歌舞伎でのスタンディングオベーションです!
偉業ですよね。
(ああ、観たい! 名古屋公演お願いします!)
歌舞伎ファンはもちろん、普段の歌舞伎の劇場では見かけない若者や子供の姿も多く、連日大盛況です。
歌舞伎ファンからも評価が高く、逆に、初めて歌舞伎を観た方からも評価が高い!
絵本でのルビッチ、歌舞伎での『はる』は、ぼたんチャンと勸玄くんのダブルキャストで、1日ごと交互に出演していました。
◆公演中止
1月19日。
突然の中止でした。
お昼12時の、開演ギリギリでの中止発表です。
関係者に体調不良者が出て、苦渋の決断です。
この日は、ぼたんチャンの千秋楽でした。
そして翌日も中止。
勸玄くんの、新作歌舞伎『プペル ~天明の護美人間~』の、千秋楽でした。
◆みんなでつくる
この記事は、今朝の、西野さんのVoicyを聴いて書こうと思いました。
このVoicyの後半に、西野さんが
「舞台というものは、みんなでつくるんだなぁと思いました」
って、そう言ったのです。
エンターテイメントはみんなでつくる、という意味です。
別段、なにも珍しい発言ではないですよね。
ただ、この「みんな」には、ファンも含まれています。
19日は、開演直前に「中止」の発表がなされました。
新橋演舞場には、すでに大勢のお客さんが集まっています。
しかし、お客さんからは、ひと言の苦情もなかったというのです。
それどころか「覚悟をもって中止していただき、ありがとうございます」と言ってくださったそうです。
拍手も、スタンディングオベーションも、応援も、支援も、理解も……。
考えてみればエンターテイメントは、お客さんナシでは成り立ちません。
最高の作品は、
最高のエンターテイメントとは、
ファンも、つくり手の1人なのです。
◆オンライン「全部喋る会」
西野さんが、中止になった新橋演舞場の舞台で、
「キンコン西野が公演中止になった舞台セットに立って、『プペル ~天明の護美人間~』のストーリーを全部喋る会」
を行いました。
アーカイブが残りますので、まだ購入できます。
料金は800円です。
この売り上げは全額、歌舞伎運営者への寄付です。チケットの払い戻しなどありますので、西野さんから海老蔵さんへの応援です。
この「全部喋る会」の最後の歌で、僕は泣きました。
西野さん自身は、「歌が下の下だ」と言っていましたが、最高の最高です。これはひいき目ではありません。
歌は味です。
歌舞伎を観たかのような気分にさせていただき、その最後に歌。
ギター弾き語り。
最高でした。
屋根の上の、片方だけのスリッパも、なんか味がありました。
西野さんファンだけではなく、海老蔵さんファミリーのファンの方も、支援になりますしエールにもなります。
そして、観る価値がメチャクチャあります。面白いです。
上のリンクからどうぞ。
尚、視聴にはFacebookアカウントが必要です。
◆〆
西野さんの
「あまり悔しがりたくない」
というひと言。
理由は、
「悔しがると、体調不良になった方が責任を感じてしまうから」
です。
ハンサム具合では、遺伝ということもあり敵いませんが、いつかは、
この『優しさ』において、僕は西野さんに勝ってみたいです。
おしまい
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