第62話　マッサージ機

緊急事態宣言の解除。

ゆかりちゃんの、ガマンの限界。

アウトドア派のゆかりちゃんには【ステイ ホーム】が、超辛かったらしい。

今日は、ゆかりちゃんが珍しい平日休日。

僕も休日。

「イオンモール行こ！」「IKEAも行こ！」「ユニクロにも寄ろう！」と、ハイテンションだ。

イオンモールで昼食。普段ならフードコートだ。

「お互い、好きなの食べられてイイやん！」が口癖。

ところが今日は、専門店のフロアーを廻ろうと言う。

「じょーじ！　回転ずしの食べ放題！どう⁉」

一番安いのが2,980円！！？？？？

「いや、昼めしに3,000円はないだろいう」

「別にイイよ！　久しぶりだし！」

会話の全部に【！】ビックリマークが付いている。

正直、お腹いっぱい寿司を食ってイイ！には、かなり後ろ髪を引かれた。

牛タン屋でも、高くても良いと言うし。

・・・いつもと逆で調子が狂う。

結局は、牛タンやで昼食をとった。

イオンモールに来た一番の目的は、ユニクロで僕のパーカーとトランクスを買うことだ。

ところが「ユニクロがない。わたしの下調べが違ったみたい」とのこと。

しかし、こういうショッピングモールの良いところは、いっぱい店があるところだ。

いっぱい店がある所を、ショッピングモールと言う。

ぶらぶらしていると、それだけで面白いのだ。

で、5分ほどブラブラしていたら、マッサージ機の無料体験コーナーがあった。

珍しいのは、チェアータイプではなく、ベッドなのだ。

フランスベッドがメーカーらしい。

ゆかりちゃんは、マッサージ機が大好きなのだ。

ケーズデンキに行くと、30分はマッサージ機に座る。座るためにケーズデンキ行くことも、しょっちゅうある。

やりたそうだが、これは【その後にセールス】があるパターンであることが明確なのだ。

僕は躊躇った。

すると、簡易健康測定機がある。それに気づいた。

指を入れて、少しすれば！

なんと！　血管年齢がわかるらしい。

ゆかりちゃんが食いついた。

そりゃそうだ。そもそもマッサージもやりたがっている。

そのあと、断ることに精神的負担が少ないから、やる気満々だ。

僕は、営業マンだった経験から、買う気がない場合のお試しが、苦手なのだ。

がんばる営業マンを、断るのが、忍びないのだ。

そういえば、ゆかりちゃんは買わないのに試食する。

僕は、それが嫌で、それでケンカしたこともあった。

ゆかりちゃんが測定した。

結果は【E】。

血管年齢判定は60歳～67歳。

店員さんと僕は、苦笑い。

「じょーじが、途中で話しかけるからやん！」

僕もやった。

結果は【A】。血管年齢は30歳から40歳。

朝食を抜いたり、朝散歩したり、寝る前と起きてすぐに水を飲んだり。

運動したり、酢を飲んだり、炭水化物を控えたり、IAP呼吸法を行なったり。

最近の僕は、健康にだって意識高い系の53歳だ

当然の結果だ。

「じょーじが話しかけたから～」

と、ゆかりちゃんは再度計測した。

結果は【F】。

血管年齢は62歳～74歳。

爆笑。

やっぱり、と思った。

こうなったらオモロイだろうなぁ、と思った通りになった。

店員さんも、遠慮なく爆笑！

マッサージも気持ちよく、ゆかりちゃんが当然とばかりにセールスを断った。

マッサージ機は高額だったから、ま、当然だ。

それにしても、この血管年齢測定機の【測定王】は、

すごく正確な機械だった。感心した。

「ぜったいnoteに書くやら～（笑）」と、ゆかりちゃんは言った。

さすが！　わかっている！

僕は、そんなゆかりちゃんが大好きなのだ。