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サンタクロース🎅、あすずさん、魔法の言葉の1つ「可愛いね」(人間らしいね)

僕がたぶん、5歳~7歳のときでした。昭和47年~49年です。
1歳と半年年下の弟が、

「お兄ちゃん。サンタさんって、いるの?」

と、僕に聞いてきたのです。

幼い僕は、(はは~ん)と思いました。
弟は、クリスマスプレゼントが欲しいのです。でも、わが家にプレゼントは届かなかった。
弟は欲しいものを、心の中でサンタさんにお祈りしたのかもしれません。
そのプレゼントが貰えず、ガッカリしていたのでしょう。

実は、お兄ちゃんの僕は、前の年も今年も、考えていたのです。
サンタさんって、いるのだろうか、と。

わが家には来たことがない。
でもテレビでは、サンタさんがプレゼントを運んでいる場面をよく見かける。テレビでは「サンタさんからプレゼントを貰った」と、同い年くらいの子供が喜んでいるのだって、何度か見たことがある。

いる、いない、どっちだろうか。
いるような気がするが、ならば、どうして僕にはプレゼントが届かないのだろうか。

サンタさんの風ぼうを思い出します。
サンタさんは、外国人っぽい顔をしています。そして、少し太っています。そして、サンタさんは、煙突を通って家の中に忍び込むと聞きます。

でも、僕ん家の近所では、人が通れるような煙突など1度も見たことがありません。
見かける煙突は、こんな煙突ばかりです。

人が通れる穴ではありません。

僕は弟に、

「いるけど、外国の話だよ」

と言いました。

何度も考えて、たくさんの煙突を調査して、僕が導き出した答えでした。


弟は「なんで? なんで?」と聞いてきました。
とても欲しい何かがあるようです。

「僕たちはプレゼントを貰っていないだろ。
 友達もお姉ちゃんも貰っていないし。
 何よりも、日本の煙突は小さくて、人が通れないよ」

と僕は、真剣に答えました。

「人が通れる大きい穴の煙突がある、外国のことなんだよ」

弟は、悲しい顔をしました。
言い返せないだけで納得していない、そんな顔でもありました。


この記事の結論です。

僕って、賢くって可愛い子供だったのです。

これを、皆さんに伝えたかったのです。


妻のゆかりちゃんは、

「子供のころから理屈っぽかったんだ。…キモ」

といって、僕を、尊敬のまなざしで見つめていました。


「キモ」

の意味が、よく分からないんですが。「肝試し」とか、「着物」とか言いかけて、テレビの画面に気を取られて言葉が途切れたみたいでした。


もう1つ思い出しました。

僕の母はクリスマスになると、毎年、同じダジャレを言いました。
僕が、中学生になってからのことです。

「クリスマスだなんて、こっちは、苦しみますだわ」

これが母の、お気に入りのジョークでした。

絶対に、母が考えたのではなく、誰かが言ったのをパクったのです。
それがバレバレでした。

母の、(どう? おもしろいでしょ~)という表情を見て、僕は複雑な気持ちになったものです。

今、思ったのですが、このダジャレは、クリスマスで出費が増えた人が言うべきです。
子供たちにクリスマスプレゼントを買うこともなく、クリスマスだからと料理を豪華にするワケでもない母。

よく平気で、毎年言ったものです。

母も、可愛いのです。


この記事は、あすずさんの記事にインスパイアされて書きました。
この記事です。


あすずさんは、僕の記事をマガジンに加えてくださった、とっても素敵な方なのです。


「可愛い」の連発は、この動画の影響です。


この「魔法の言葉」の3つ目が、僕はとても気に入りました。

ゆかりちゃんは、とっても人間らしく可愛い奥さんです。
僕は、ゆかりちゃんが大好きです。






おしまい


※この記事は、エッセイ『妻に捧げる3650話』の第1352話です


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奈星 丞持(なせ じょーじ)|文筆家
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