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ゆらぎ期になると、ローラさんのマネがイッコーさんになるらしい

「嫌いなんですよ」
「もう何年も会話してません」

30代の片岡くん(仮名)は、奥さんのことを「嫌い」と言い切るのです。
もう、一緒に出掛けることも皆無と……。


片岡くんの趣味は、
ソロキャンプ、
登山、
バイクでのツーリング、
釣り
(バスフィッシング)、など。

休日は、趣味を楽しみます。
1人でです。(もしくは趣味仲間と)

子どもや奥さんとは、完全に別行動。

「仮面夫婦です」
「子どもが大きくなるまでのガマンです」

とも言っていました。


1度目の結婚生活を、僕は破壊しました。
今では、僕が悪かったと、本心から思います。
しかし、当時は、「妻が悪い」「もうムリ」と、100%思っていたのです。

だから、片岡くんには何も言えません。
そもそも、片岡くんはアドバイスなんか求めていません。

このような内容を、僕は、ゆかりちゃんに語って聞かせました。
目的やオチなどない、チョットした世間話です。


* * *

昔読んだ本に、「好きだという理由で結婚するから、離婚する」と、ありました。

ゆかりちゃんに、
「僕もそうだった」
「好きだから結婚した」
「そして、嫌いになって離婚」
「昔読んだ本に、書かれていた通りだったってワケなんだよ」

と言いました。

きっと、このあと僕は、
「片岡くんも同じで好きで結婚したんだろうね」とか、
「娘の結婚まえに、語って聞かせなきゃね」とか、そんな話を続けたかったはず……。

しかし、

「あら~?」
「私のこと、好きだから結婚したんじゃないの~」(ドヤ顔でニヤリ)

と、ゆかりちゃんが、嬉しさをこらえたおもしろい顔をして、僕を茶化します。

ちなみにその本では、

「結婚とはお互いを見つめ合うものではない」
「お互いに、同じ1つの方向を見つめるものだ」
「理想の夫婦」
「理想の家族」
「私たちの目指す人生や生活」
「それらを、一緒に見つめて、一緒に歩き出す」
「それが結婚だ」
「そのとき、自分の隣を歩く人としてふさわしい人」
「そういう人と結婚すべきなのだ」
「たとえ大好きな人でも、目指す『理想の夫婦』や」
「目指す『理想の家族』というものが、もし異なるのなら」
「結婚すべきではない」

と説いています。このことは交際中に、ゆかりちゃんに何度か語りました。
結婚してからも語ってきました。


「何度も話してるから、本の内容だって知っているじゃないか」

と、僕は言いました。


するとゆかりちゃんは、なんと!

「てへぺろ~~~!」と、言ったのです。


アラフィフの「てへぺろ~」です。
ローラさんの発音ではなく、イッコーさんの「どんだけ~」の発音です。
少しイタイ。
僕以外、誰も聞いていないのが救いです。


僕は、なんか少し腹が立ったので、
「80歳代になっても『てへぺろ~』って言えよなぁ~」と言いました。

「ん~~~」
「覚えてたらねぇ~」


と、とぼけたセリフを言って、ゆかりちゃんは強引に話題を変えます。

「わたしは、ゆらぎ期なの」
「じょーじ、『ゆらぎ期』って、知ってる?」

「知らない」
「なにそれ?」


「調べて、そして私に、やしくし~やぁ~」

「お、おう」


* * *

アラフィフの「てへぺろ~」を食らって、胸や肩や背中の調子が悪いまま、僕はGoogleで検索してみました。

40歳を過ぎたあたりから、心身に変化を感じはじめる女性が多くなります。 今までにはなかった急な感情や体調の変化に、戸惑いを覚えてしまうことも。 それが女性特有の“ゆらぎ”です。
この女性特有の“ゆらぎ”は、40代以降、“女性らしさを保つチカラ“が急激に減少することによって引き起こります。

更年期は「ゆらぎ期」とも言われています。

オトナの女性のゆらぎ期… それは「更年期」のこと。 加齢により女性ホルモンが低下することで、心身が不安定になる期間。


要は、「更年期」ですね。

なるほど、やさしくしなければ。
そう思いました。

なにが「ゆらぎ期や!」とも思いました。言いませんけど。
「更年期って言えばイイじゃないか!」とも思いました。言いませんけど。

「ゆらぎ期だから血迷って、ローラ風に『てへぺろ~』って言ったのか?」とも思いました。
「ローラじゃなく、イッコーさんやったけどな」とも思いました。
どっちも言ってません。思っただけです。

「面白かったから、まあ~いいか」とも思いました。
これも、言ってません。


僕は、もちろん、ゆかりちゃんが大好きです。
大好きだから、交際を申し出ました。
横浜と岐阜県という、遠距離での交際を6年半、続けました。

ゆかりちゃんとなら、
「笑いの絶えない夫婦」
「友だちがちょくちょく遊びに来るわが家」

を、目指せる。

そう思いました。
僕は、そこに向かってゆかりちゃんと共に歩く、と心に決めたのです。

僕の眼は確かで、現在、笑いの絶えない夫婦&家族になっています。
これは多分に、ゆかりちゃんのおかげです。


もう1度書きます。
僕は、ゆかりちゃんが大好きです。






おしまい


※この記事は、エッセイ『妻に捧げる3650話』の第985話です
※この記事は、過去記事の書き直しです



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奈星 丞持(なせ じょーじ)|文筆家
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