旬のホタルイカを満喫。富山・北山鉱泉の一軒宿 《宿泊レポート》 前編
富山の春の味覚といえば「ホタルイカ」。プリっとはじける身と、トロっとあふれ出る濃厚な肝が絶品ですよね。
とれたてを味わえるのは、漁が行われる3〜5月のごく短い期間だけ。富山在住の私もこの季節を心待ちにしていて、毎年シーズン中は旬のホタルイカ料理を求めて居酒屋や旅館をめぐっています。
今回は、ホタルイカづくしの会席があると聞きつけて、富山県魚津市の湯宿「元祖 仁右衛門家(にえもんや)」を訪れました。
この記事では、宿についてご紹介。後編ではホタルイカ会席について詳しくレポートしています。
ホタルイカをお目当てに、山あいの一軒宿へ
「仁右衛門家」があるのは、蜃気楼(しんきろう)で有名な富山県魚津市。古くから湯治場として愛されてきた温泉地「北山鉱泉」の一角です。
山の中ということもあって、私が訪れた3月上旬はまだしっかりと雪が残っていました(4月中にはすっかり溶けるのでご安心を)。
「北山鉱泉」と書かれた案内にしたがって、山あいにある宿を目指します。
富山市中心部からは車で40分ほど。北陸新幹線で来る場合は、富山駅または黒部宇奈月温泉駅で下車し、バスまたはタクシーを利用して来るのがおすすめです。
ちなみに、周辺はとっても静かで、コンビニも飲食店もありません。アメニティなどは揃っているので不便さは感じませんが、ほかに必要なものがあれば買い出ししてから訪れるのがおすすめです。
そんな閑静な山の中にある「仁右衛門家」ですが、海や市街地からは車で約15分という好立地。だから海の幸も山の幸も新鮮なまま手に入るんですね。
料理自慢の宿ということで、夜のお料理にも期待が高まります。ワクワクした気持ちでチェックインしました。
雰囲気ある玄関をくぐると、出迎えてくれるのはご主人の清河さん。そして看板犬の一休(いっきゅう)と絵馬(えま)です。とっても人懐っこい二匹が、駆け寄って歓迎してくれます。
なんと「仁右衛門家」にはペットと泊まれる部屋もあるそう。ワンちゃん好きにはたまりませんね。
チェックイン時には、こちらの館内案内図をもらえます。思わず「かわいい!」と声を上げると、清河さんは「若女将が描いたものなんです」と教えてくれました。
館内案内図を頼りにお部屋まで向かっていると、館内のいたるところに若女将が描いたイラストやメッセージが。小さな宿ならではの温もりが伝わってきて、なんだかほっこりしました。
ちなみに、公式ホームページにも若女将のイラストがたくさん使われています。とってもかわいいので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
和モダンなお部屋で、くつろぎのひととき
今回は、露天風呂付きの「すずらん」で一泊させていただくことに。和モダンな雰囲気のお部屋は、夫婦やカップルなど2〜4人で泊まるには十分な広さ。手足を伸ばして快適に過ごすことができました。
露天風呂はいつでも好きなタイミングで、人目を気にせずお湯をひとり占めできます。私は早朝に利用したのですが、ひんやり冷たい空気のなか入る露天風呂は最高でした!
150年以上続く名湯で、身体の芯から温まる
全国からお客さんが訪れる「仁右衛門家」ですが、人気の理由のひとつがお風呂。近くの少彦名神社に参拝してから湯に浸かると、子宝に恵まれるという言い伝えがあるそうです。
1Fの内風呂「ほたるの湯」は、洞窟のように薄暗くて落ち着いた雰囲気。こぢんまりとしたサウナも併設されていました。
3Fにある「草笛の湯」はガラリと雰囲気が異なります。内風呂と露天風呂があり、自然を近くに感じられる開放的な造りです。
1Fの「ほたるの湯」とは男女入れ替え制。滞在中、趣の異なるふたつのお風呂を楽しめるのはうれしいですよね。
なかでも私が気に入ったのが、露天にある陶器風呂。滑らかでクセのないお湯と、陶器のしっとりとした肌触りが気持ちよくて、いつまでも浸かっていられそうでした。夜にはちょうど月が見えて、幻想的な気分に浸れましたよ。
お風呂から上がったあともお肌はツルツル。身体の芯から温まって、一晩中湯冷めしませんでした。
また訪れたくなる、アットホームな宿
滞在中は日常の慌ただしさから離れて、ゆったりと過ごすことができました。お部屋やお風呂も清潔感があって、丁寧にお手入れされているのが伝わってきました。
郊外の小さな宿ですが、全国各地から足を運ぶリピーターも多いというのも納得です。なによりも「また清河さん夫婦と看板犬に会いに帰ってきたい!」。心からそう思える宿でした。
後編では「【春限定】ホタルイカを食べよう」プランのホタルイカ会席について詳しくご紹介しています。
▼公式ホームページ
▼料理紹介ページ