エッセイ「心の性別、体の性別」
わたしのこと。
わたしはセクシュアルマイノリティに属している。
生まれつきの体の性別は生物学上、男性。
性自認、心の性別は女性寄りのクエスチョニング。
クエスチョニングとは、
心の性別が分からない、
はっきりしない、
あるいは決めたくないというニュアンスを持つ。
明確に男性として扱われることは、少し辛い。
女性として扱われることは、嬉しい。
嬉しいがその反面、罪悪感と言おうか、後ろめたさが付きまとう。
わたしの体はとても男性的だ。
それは、苦しい。
ホルモン注射や整形手術等は、今の所するつもりは無い。
無いが、今すぐ女性の体になれると言われたら、喜んで飛びつくかも知れない。
わたしはわたしの体が、ちょっと苦手かもしれない。
インターネットにおいては、顔や容姿は相手に伝わらない。
配信でもしない限り声も伝わらない。ハンドルネームとアイコンが全てだ。
黙っていれば、わたしは真に「女性」のままでいられるのだろう。
けれど、わたしの体は男性で、心は女性寄りのクエスチョニングで。
「男性か女性か」という枠で見られるのは、ちょっと辛いかも知れない。
ところでわたしは、
ファッションが好きだ。
メイクが好きだ。
女性の服はバラエティ豊かで楽しい。
わたし自身、身につけるものの大半はレディースだ。
女装をしたいかと問われればそれは違って、
わたしはただ「らしい」自分でいたいのだ。
それが、わたしだ。
今のわたしだ。
嫌われたとしても。
気持ち悪がられたとしても。
わたしは、わたしのままでいたい。
だから勇気を振り絞った。
これが、わたしだ。
2023.7.13
「心の性別、体の性別」
日向まいな