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ロンドンに住んで、どのような変化が起こったのか。その道の途中。

2時間後にはヒースロー空港を飛び立ち、日本へ帰国する。
今後数ヶ月は日本に滞在予定なので、この機会にロンドンに住んで感じた自分自身の変化について書き留めたいと思います。


そう近くない未来、進むべき道が見えた

まず一番の変化。
そう近くない未来、言い換えると今後の人生の指針となるものが、これまでよりはっきりとした具体的な輪郭をもって考えることができるようになった。
具体的な指針がなにかということについてはまだ自分の中で留めておきたいのでここで言うことは控えますが、デザイン事務所を独立し、その後何かの予感からアートプロジェクト(と言えるのかどうかも分からない状態)を始め、右も左もわからぬまま必死で行動することだけを続け、その途中で幾度か自分が感じた「ちょっとした違和感」の正体がなんなのか分からないまま語学留学のためイギリスへきた。
そうしてロンドンにいる間ずっと(正確にはここ数ヶ月は以前よりもちゃんと自分と向き合って)自分はなにに違和感を感じているのか、なにを求めてがむしゃらに動いているのか、そうして本当に望んでいるものは何なのか。
そういったことへの一つの答えが、ようやく納得できる形でぼんやりと現れてきたように思います。

具体的に動くのはこれからなんですけどね。
それでも、この発掘体験は自分にとって大きな変化だといえるでしょう。
昔はよく若者が、インドへ自分探しの旅にでる、などと揶揄していましたが、当時はどこの国へいったってそうそう変化が見つかるものではないだろう、と思っていた側の人間だったにもかかわらず、今では環境を変えることは新しい自分の側面を見つけるための一番の近道だと言えると思います。


変化の起こった理由

では何故変化が起こったと感じたのか。
まず私は始めから、今後の指針になる何かを探しにイギリスへきました。そのため、ただぼんやりと過ごしていたわけではなく、新しいものを見るたび、誰かと話をするたびに自分の意識と照らし合わせて過ごしていた事が大きなポイントなのでしょう。
そして二つ目に、日本とイギリスの環境の違いは大きな因子だと感じます。アートやデザインの業界に身を置く自分にとって、アートに囲まれたロンドンの環境は本当に刺激的でした。
日本にいた頃も、おそらく芸術に興味のない人に比べれば様々なエキシビションに行っていた方だとは思いますが、それとは比較にならないほどの量と数、ロンドンで過ごす間に美術館やギャラリーを周り数々の本物を見て周りました。理由は単純で、アートと人との距離が日本より近いのです。街を歩けばいたるところでギャラリーや美術館を目にし、その殆どは無料。大きな展覧会であれば長期間展示していますが、そうでない場所ではわずか数週間で次々に新しい展示へと切り替わっていきます。またギャラリーでなくとも、街中にはストリートアートが溢れ、様々なジャンルのアートと出会う機会が多く、そんな環境で過ごすうちに自分がそれらと出会った時に受け取る感覚が変化していった事を感じています。


考えるための時間がある、という豊かさ

そして最後に、日本で必死に仕事ばかりをしていた頃よりも、考えるための時間をとることができた、というポイントも大きいです。
日本に住んでいた頃「考える」行為というのは、今の生活の延長線にあるものを自然と考えていました。例えばそれはこれからの仕事のことや、周りとの人間関係、お金や数年後の自分の姿など。
その考える行為というのは、現実の延長であり、予測できる範囲内のことで、次々に新しい体験をしたい自分にとってこの考え方は、当時少し飽きてきていたのです。
ロンドンに住んでいる時に行っていた「考える」行為というものは、これまでの日常の延長ではなく、フラットに、自分の人生をもっと豊かにさせるためにどの方向へ進んで行ったら良いか、その事を考えるとても贅沢な時間だったと思います。もし私が同じ期間東京に住んでいたとしたら、今出ている答えと同じ答えは出ていなかったことでしょう。どちらが良い悪いということではなく、環境が違えば考え方の選択肢も変わるということなのだと思います。


さいごに

人の行動は環境によって変化すると私は感じています。いまは空港のベンチに座りこの記事を書いていますが、以前より晴れやかな気持ちで日本に帰国することが出来そうです。
そして、何かを考えたり、始めたりすることに遅すぎるという事はありません。周りでは、本当は〇〇をやってみたいんだよね、という声もよく聞きます。もし少しでも本気でその事をやってみたい気持ちがあるのであれば、まずは少し、歩き始めてみてはいかがでしょうか。

それではまた。

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Mai Muraguchi 村口麻衣 emu inc.
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