アートディレクターの渡英日記:ポスター制作の依頼:3月20日
学校が始まって初めの週。ポスター制作の依頼が舞い込んできました。
はじめまして。
日本でグラフィックデザインに携わって約13年、アートディレクターの村口です。
普段はファッションのフォトディレクションやブランディングをメインにお仕事をさせて頂いています。
詳しくはHPをご覧ください。
環境問題をリサーチする授業
昼から始まる授業に2日目から入った私。
どんな英語の授業なんだろう……とドキドキしていましたが
英語を教えてくれる授業、というよりも
すでにある程度英語が理解できる前提で、たくさんの人と喋って議論するための授業、という感じでした。
まず、テーマが与えられます。
・タバコのゴミ捨て問題
・プラスチック問題
・紙の消費問題
この3つの中で、学校の中で一番問題だと思うものは何か?
同じ問題意識を抱える人たちと2グループに分かれ、なぜ問題だと思うか?を議論します。
そのあとで、学校の中庭や、別のクラスへ行き、他のクラスの生徒たちにアンケートを取りました。
あなたが問題だと思うものはこの3つのうちどれなのか?その理由は?
結果として、タバコのゴミ捨て問題が一番問題だと思っている生徒が多いようでした。
ここ数年、日本でもタバコの規制が強くなっていましたが、私が住んでいるイギリスの地方では、例えば喫煙場所などはなく、灰皿も道に設置してあるわけではないので、みんな色んな場所でタバコを吸い、適当に道に吸い殻を捨てていて、10年前の日本をみているようだな…と心の中で感じていました。
議論を深める授業で、自分の意見を伝えられないもどかしさ
生徒には色んなタイプの人がいます。
真面目な人、ちょいちょい授業を抜け出して休憩している人。ムードメーカーなど。
私はスピーキングが苦手なので、おそらく周りからシャイな日本人だと思われていることでしょう。
タバコのゴミ問題についてどう思う?
と聞かれて自分の意見を伝えようとしても、一体何を言っているのかわからない…という反応をされてしまうことも。
そんな中、金曜日にはリサーチ結果をまとめて、チームで発表してください、という話が出ていました。
私はまだ入ったばかりの週だから、みているだけで良いですよ、と先生からは言われていたのですが、木曜日になって、誰が資料を作るの?パワポとか使ったことないよ…PCも持ってないし…PCルームは授業中だから使えないし…どうしよう……
と同じチームの人がなっていたので
Do you want me to make it for you?
I am a graphic designer.
(私が作りましょうか?私はグラフィックデザイナーです)
と言ったところ、マジで!!Yhea!!!という歓声があがりました(これは本当に…海外の授業はみんなめちゃくちゃ喋るし賑やかです)
本当はそのまま見ていようか悩んだのですが、喋れない分どうにかして仲間に入らなければ…という手段として手を挙げたような感じです。
先生たちの間で噂が広まる
こちらの授業で素晴らしいなと思う点の一つに「生徒一人一人を褒める」というものがあります。
例えば、「あなたはプレゼンの時にまず、みんなに対して挨拶から入ったわね、素晴らしいことですね」や「hope(希望)という言葉を選んだことはすごく素敵だと思う」など。
そんな中私は「あなたは素晴らしいグラフィックデザイナーですね!感激しました!あなたがいなかったらこのプレゼンは成立していなかったでしょう!みんな拍手して!」と、言われ(おそらくそう言われた気がします)みんなから拍手を受けました。ちなみに他の生徒を褒めた時も、全員で拍手をします。
もう一方のチームは、プレゼン資料を作れる人がいなかったのでしょう。
それぞれ考えた内容だけを口頭で発表して終わっていました。
無事プレゼンが終わってよかった〜とランチタイムをしていたところで、一人の先生から声をかけられます。
「あの授業の先生から聞いたんだけど、あなたは素晴らしいグラフィックデザイナーなんだって?もしよければ、二週間後の課外授業のポスター制作を手伝ってもらえないか?もちろん無理にとは言わないけれど…わからない英語はサポートするから、どう?」
もちろん私はOKと返事をしました。
心の中では、音楽とかスポーツとか芸術とか……自分に表現ができることがある人って喋れなくても強いんだなぁ…!と驚いていましたが。
そんなこんなで私の渡英はじめての一週間は終わりました。
来週は、少し早めに学校へいってポスターを作るための話をすることでしょう。
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