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「タイムパラドックス」をなんとかして説明する試み

読む前に注意しておいてほしいこと

これは、娯楽作品における「タイムトラベル」によって起こりうる事象のことであり、現実の歴史研究におけるものではないことをご留意ください。

「タイムパラドックス」について

前置き

皆さんは、アニメ「ドラえもん」において過去と未来を行き来する「タイムマシン」という乗り物が出てくるということに関してはご存知の方が多いだろう。
だが、その「タイムマシン」により過去と未来を行き来する「タイムトラベル」ができるようになったことによって起こる問題点がある。

"タイムパラドックス"だ。

そもそも時間というものは過去と現在、そして未来への一方通行(某禁書目録のアクセラレータではない)である。
言うまでもなく、今の我々が存在しているのは過去があったからである。
つまり過去が変わってしまえば現在も変わってしまうのだ。
タイムパラドックスは、過去を遡ることが可能になった場合を仮定し、その際に起こりうる矛盾のことである。

歴史から例を挙げる

ウラジーミル・レーニンはどうやってロシアに戻れたか

少々わかりにくいと思うが、旧ソビエト連邦(今のロシアやウクライナなど)の初代指導者、ウラジーミル・レーニンを例に挙げてみる。

実はレーニンは第一次大戦中はロシア(この頃は帝政)にはおらず、スイスにいた。
19172月にロシア皇帝ニコライ2世が退位する2月革命が起きロシアが共和制に移行し、レーニンはロシアに帰国することにした。
しかし、帰国ルートは戦争でほとんど封鎖されてしまっており、ドイツ帝国の国土を経由するルートが唯一だった。
当時のドイツ帝国政府は、レーニンのようなロシアの反政府分子をロシアに帰国させることでロシアに混乱をもたらせると判断し、列車を手配してスウェーデン・フィンランド経由でロシアに帰国させたのだ。
このレーニンを乗せロシアに帰国させた列車を「封印列車」という。
(以後紆余曲折あって10月革命が起き、ソビエト連邦(ソ連)が誕生するが、ここでは長すぎて説明できないので省略)

もし仮に不慮の事故などで・・・

かなり強引だが、仮に「封印列車」が不慮の事故やゲリラの攻撃などで破壊され、レーニンが亡くなってしまったとする。
この場合、タイムパラドックスが発生してしまう。

タイムパラドックスを解消する方法

タイムパラドックスを解消する方法はいくつかある。その中から以下の5つを紹介していく。

  1. そもそも干渉できない(過去は変えられない)

  2. 過去改変の試みまで折り込み済み

  3. 改変はできるが辻褄合わせが起こる

  4. パラレルワールドへ分岐する

  5. じわじわ影響される

1.そもそも干渉できない(過去は変えられない)

これは『タイムトラベルで歴史を改変するような行動を起こそうとすると邪魔が入るので結局歴史は変えられない』パターンだ。
そもそも論だがタイムトラベル自体ができないというパターンも多い。

2.過去改変の試みまで折り込み済み

これは『歴史を改変した出来事がすでに起きていた』や『改変のために行った行動が結果的に史実の出来事をもたらした』パターン。
つまり上の例に挙げた話では「タイムトラベラーが過去を変えようとして結果的にレーニンはロシアに帰国できた」、という話だ。

3.改変はできるが辻褄合わせが起こる

これは『歴史改変は起きたが辻褄合わせが起こる』パターンだ。
上の例の話だと、「レーニンは死んだがトロツキーが遺志を継いだため結果的に史実通りソ連が誕生するが、後年スターリンに粛清される」ということになる。

4.パラレルワールドへ分岐する

身も蓋もないことを言えば「史実とは違う世界へ向かう」ことである。
この場合、ロシア革命のうち、共産主義革命である10月革命は発生しないことになる。

5.じわじわ影響される

これは『歴史改変の影響が現代にも染みわたる』ことだ。
この場合、ソビエト連邦が誕生しなかったため、現在のロシアやウクライナは現実とは違った現在になるだろう。

最後に

これらのうち正解が1つしかないということはない。
なんなら全部正しかったり間違ってたりするかもしれない。