ロウ・イエ監督「ふたりの人魚」
2001年公開、中国、日本、ドイツ合作映画。なお中国では上映禁止となったが、いくつかの映画賞を受賞し、ロウ・イエ監督の最高傑作と言われているらしい。
蘇州河が流れる上海の場末が舞台。客に頼まれれば何でも撮影するビデオ・カメラマンの男の目線でストーリーが進むため、出だしの方はカメラが揺れまくりで素人が撮影しているようなリアルさがあって面白かった。(ヘタすると気持ち悪くなりそうだったけど・・。)その男とナイト・クラブの人魚ショーに出演しているメイメイは恋人同士だ。そしてもう一組、運び屋のマーダー(かなり怪しいものも運ぶ)と資産家の娘ムーダンは恋人同士だったのだが・・・。
メイメイとムーダンは一人二役を演じている。ある日マーダーがメイメイをムーダンと信じてナイトクラブにやってくる。
過去と現在、メイメイとマーダー・・・淀んだ蘇州河、場末の街の暮らしとその空気感が絡まり合って幻想的な雰囲気を醸し出している。はたしてメイメイはマーダーが愛するムーダンなのだろうか。
サスペンスでもなくファンタジーとも違うし・・・。でもそんな雰囲気をもつ映画。
不思議な世界に旅行してきた感覚になったし、恋人たちの気持ちが切なく迫ってきた映画だった。主演の女優さんがロリータっぽい妖艶さと可愛さを併せ持っていて魅力的!「死ぬまでわたしを探してくれる?」と言われて、なにドギマギしてるんだ自分!と思った。
しかし・・・どうして中国で上映禁止になったのか理解できないなぁ。