マノエル・ド・オリヴェイラ監督「ブロンド少女は過激に美しく」
原題はSingularidades de uma Rapariga Loura。1873年出版、ポルトガルの文豪エサ・デ・ケイロスの小説が原作である。直訳すれば「ブロンドの少女の特質」う~~ん。これではねぇ。だからと言ってこの邦題はないよね(笑)
女優さんのヘアはブロンドにしては暗いし、過激という表現は内容に全然合わないと思う。徒にセンセーショナルなタイトルにして損をしていると思った。
わたしだったら「団扇の少女」くらいにしておくけどなぁ。だって今どきの映画とは違う古典的な雰囲気なんだもの。特に光と影の使い方が秀逸で、「アンジェリカの微笑み」でも感じたポルトガルの風景の美しさを堪能できる作品だった。
しかしこの映画を観てわたしが感動したかというと、ちょっと違うかもしれない。ある意味で興味をもったと言えるかもしれないが・・。それは、ポルトガルの今を知りたいということだ。19世紀末はこんなだったかもしれないけど、今はどうなんだろう。男女の恋でこういうのってあり得るのかな。7年経っても街の風景はこんな情緒を残しているのだろうか・・・等々。
原作を読んでいないから(読む予定はないし、読むことはおそらく不可能)はっきりしないが、原作は19世紀末だから内容が古めかしい。多分わたしの記事を読む人がいたとして、この映画を観ようとする人はいないと思うから書いてしまう。
一目ぼれして恋い焦がれて、様々な障害を乗り越えてやっと婚約できた相手が万引きする女だったと気が付いて、速攻で「出ていけ!もう戻ってくるな!」と片付くんだろうか。もっと葛藤とかないんだろうかね。ストーリーではそこが一番納得できなかった。
付け足すと、この男優さんは「アンジェリカの微笑み」でも主役だったけど、監督のお孫さんだそうだ。
普段馴染みのある国の映画ではないということは、なかなか面白いものだ。
悪くはないね。ポルトガルについてもっと知るべきだな。