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SOLARIS・・「ソラリスの陽のもとに」スタニフワフ・レム
SFの古典、スタニスワフ・レム「ソラリスの陽のもとに」を読んだ。DVDでアメリカ版「SOLARISU」を、次にロシア版「惑星ソラリス」を観たことがきっかけで原作を手にとることになったのだ。学生時代にSFオタクの彼が話していたから名前だけは知っていたけれど・・・。
レム(1921~2006)はポーランドの人。マルチな才能を持つ学者らしい。ソラリスが出版されたのは1961年、日本では1965年。なんと約45年前にこのようなSF小説が存在していたなんて驚きだね。
何がすごいって、地球外生命体(と言えばいいのかな)が、なんと惑星を覆う「海」なのだから。
地球外生命体と人類となれば、ドラマや小説では大方「殺るか殺られるか共存の道を探るか」という択一でしょ。ところがソラリスの海は、そんな人間の思惑の全然及ばないところに存在しているのだよ。海全体が巨大で高度な知能を有する存在。その「高度な知能」というのもたかが人間の尺度。そんなものには当てはまらない摩訶不思議さだ。
この世の様々な事象を理解するのに、私たちが地球に住む「人間」であるという縛りから解放されることはないのでは・・・などと考えてしまった。
恐れ入ってしまうことだけじゃないけどね。
何しろ45年前でしょ。記憶媒体が超小型カセットテープとかね(笑)ステーションの中に膨大な書類ファイルが山になっているとか・・・。細かなところでへへえと思うところが多々あって、それはそれでお楽しみとなった。
最初にアメリカ版「ソラリス」、次にロシア版「惑星ソラリス」、最後に原作という順番だったのは、今から思うと最適な順番だったと思う。記録の順番について迷ったけれど、やはり原作が先ということにした。次回は映画について比較したい。