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#フランス映画

「サガンー悲しみよこんにちはー」シルヴィー・テステュがサガンそのもの!

週始めからノンストップの忙しさ。昨夜ようやく一息つけるかと気が緩みAmazonプライム覗いてこれ見つけ、ノンストップで掴まって睡眠不足になったという愚か者だ。
フランソワーズ・サガン「悲しみよこんにちは」はサガン18歳のデビュー作。少女だったわたしは偶然手にとって読んで以来、しばらくサガンの世界に浸り続けていたという記憶がある。
この映画はサガンが劇的なデビューを果たした18歳の頃から孤独のうちに
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小さな惡の華・・・自由への渇望

1970年代のフランス映画。当時フランス国内での上映を禁止された。内容があまりにも背徳的だという理由で・・・。
確かに厳格なカトリック系の寄宿学校の生徒ブルネットのアンヌとブロンドのロールの言動は反宗教的というか反道徳的、反社会的・・・と「反」のオンパレードだ。司祭をコケにし、ドン臭い庭師を誘惑してからかい、動物を扼殺し、放火に殺人、挙句の果ては学校のステージで心中ときたもんだ!ボードレールの「惡
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Yve Saint Laurent

「イヴ・サンローラン」を観た。メゾン公認ということで、素晴らしい衣装の数々が溜め息ものだったし、イヴを演じた俳優がまるでサンローランその人であるかのような存在感を醸し出していたのも素晴らしかった。しかし誰よりも何よりもわたしの心を魅了したのは、公私にわたるパートナーであるピエール・ベルジェの存在だ。彼とイヴの出会いのシーンは心締め付けられる美しさだった。その後どん底にある時も献身的にイヴを支え、愛 もっとみる

久々に「ご馳走様でした」

1989年公開のフランス映画。ミュウ=ミュウ(ファッションブランドじゃない)主演。観終わって今、上質な映画による満足感で指先まで満たされている。ボードレール、デュラス、トルストイ、サド・・・様々な本を朗読する場面の、お洒落で官能的でユーモラスなこと!依頼主はちょっと個性的な人々ばかり。背景、インテリアと衣装が構成する画面の色彩配分に目を奪われる。また、朗読された作品を読み返したくもなった。こういう もっとみる