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2017年1月の記事一覧

小川洋子「ことり」取り繕えない人たち

小川洋子「ことり」取り繕えない人たち

 前から気になっていた「ことり」をやっと読むことができた。ずっと本棚で待っていてくれてありがとう♡

 11歳の頃から小鳥の言葉を理解し、小鳥の言葉を話せるようになった兄。言い換えると、小鳥の言語しか聞き話すことができない兄と、唯一兄の言語を理解できた弟の物語。
 社会の中に適応することが困難な、ある種の障害をもった人たち。著者の言葉をお借りすると、「取り繕えない人たち」の物語である。

 声高に

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アレハンドロ・ホドロフスキーに出会ってしまった!「The Rainbow Thief」

Tさんのレビューで気になっていた映画。田舎では観られないよね~と諦めようとしていたのに、またまた某クラウドで見つけた!二割引き期間ということで即刻お買い上げ♪何もかも放り投げて鑑賞した後は、感動の波に飲まれてもみくちゃにされて、溺死状態だった(笑)

 この映画はわたしにとっての初ホドロフスキー。恥ずかしながらお名前も知らなかった。調べてみるとタイトルだけは見覚えがある作品も・・・。「カルト映画の
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ロウ・イエ監督「ふたりの人魚」

原題「SUZHOU RIVER(蘇州河)」以前から気になっていたが、UPLINK Cloudで無料配信していたので観てしまった。(好評につき延長だそうだ)
 2001年公開、中国、日本、ドイツ合作映画。なお中国では上映禁止となったが、いくつかの映画賞を受賞し、ロウ・イエ監督の最高傑作と言われているらしい。

 蘇州河が流れる上海の場末が舞台。客に頼まれれば何でも撮影するビデオ・カメラマンの男の目線
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AVE VERUM CORPUS・・・天上の音楽

大雪警報が出ている夜。モーツァルトをヘッドフォンで聴いていた。アヴェ・ヴェルム・コルプスはクリスチャンでないわたしも懺悔して祈りたくなる曲。大人の声も素晴らしいけど、子供の声で歌われるとあっという間に視界が滲む。
 モーツァルトは子供の頃から特別に好きだった。天上世界に煌きと共に連れていかれて♯や♭で囁かれると体が震えるような感覚を味わう・・・。それがたまらなく好き。
 神に愛された天才の一人なの
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エドワード・ヤン監督「恐怖分子」

エドワード・ヤン監督「恐怖分子」

 エドワード・ヤン監督「恐怖分子」1986年制作の台湾映画。日本公開は1996年となる。
 ふと目に留まってお正月休みに鑑賞。30年前の台湾映画ということで、異国情緒とレトロ感に包まれてしまう。そして登場人物たちの心情(孤独感)が静かに・・・そう、静かに押し寄せてくるという感じ。
 都会に住む人間たち、それぞれの苦悩や孤独感を描いている。それぞれがばらばらのピースなんだけど、微かな接点で繋がってい

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Gustavo Dudamel "Mambo!"新年早々エキサイトした音楽♪

2017年ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートで指揮をしたグスターヴォ・ドゥダメルの「マンボ」が巷で話題になっていたらしい。友人のツイートで知って感動したわたし。
 ウィーン・フィルではお上品に指揮していたらしいが、さすが南米ベネズエラ出身!バーンスタインのマンボをこんなにノリノリで楽しむオーケストラを観たことがない。観客も楽団員も、心底音楽を楽しんでいる感じがする。こういうのいいね♡
 これ
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