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2016年10月の記事一覧

ロマン・ポランスキー「ローズマリーの赤ちゃん」1968

近年リメイクされたらしい「ローズマリーの赤ちゃん」。気になるロマン・ポランスキーがハリウッド進出を果たした作品である。この予告編の動画は画面が粗くて今観ると物足りないが、他の動画と比べて一番雰囲気が伝わると判断して選んでみた。

 この映画、名前だけは聞いたことがあった。昔の映画だからそんなにのめり込むことはないと気楽に見始めたのに、ノンストップで引き込まれていった。今どきの映画みたいなCGや特殊
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マノエル・ド・オリヴェイラ監督「ブロンド少女は過激に美しく」

この映画は「アンジェリカの微笑み」の前に100歳でオリヴェイラ監督が完成させた作品だ。

 原題はSingularidades de uma Rapariga Loura。1873年出版、ポルトガルの文豪エサ・デ・ケイロスの小説が原作である。直訳すれば「ブロンドの少女の特質」う~~ん。これではねぇ。だからと言ってこの邦題はないよね(笑)
 女優さんのヘアはブロンドにしては暗いし、過激という表現は内
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101歳で監督!「アンジェリカの微笑み」

2015年に106歳で亡くなったポルトガルの映画監督マノエル・ド・オリヴェイラの作品。ご長寿にびっくり!さらに101歳で現役だったなんて!・・・という興味本位で鑑賞。
 不思議な魅力に、ひたひたと浸かるような時間を過ごせた。
 ご高齢だったから当然だけれど、今どきハリウッド映画とはまるで異なる静かな空気感。舞台となるポルトガルの田舎町の風景、人々の生活の様子、歴史ある建造物などが独特の雰囲気を醸し
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森 絵都「アーモンド入りチョコレートのワルツ」

森 絵都「アーモンド入りチョコレートのワルツ」

 Mさまが紹介されていたのを読んで、速攻購入。森絵都さんが好きだったし、エリック・サティもお気に入りだったのを思い出したから。
 そして待ち遠しかった週末になり、昨日病院の待合室で読み切った。表紙タイトルを含めクラシック音楽の小品に寄せられた三つの短編から成る本だ。

 うう(・・・号泣したかったけど)・・・漏れる声を抑えるのに苦労した。目を見開いて涙がこぼれないようにした。自宅でだったら涙と鼻水

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