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【短編小説】なんのスイッチ?(ニコ編)


このお話は
【少女小説】ミスミ先生の犠牲になります
トップ絵を描いてくれた
よるつきちゃん の ✨描きおろしイラスト&原案✨を元に
作者である私こと麻衣が
本編ラストシーンの数日後を書いた、お楽しみ短編小説です♪


↓これの続きっす(*^▽^*)/



『ミスミ先生の犠牲になります』
を読んでからの方がより楽しめますが
読まなくても楽しめるように考え得る限りの最善を尽くすので、良かったら読んで下さい! 短編で短いし悲しい事もないし!
しかも本当に短いし悲しい事もないんで、良ければ!!!

わいは、ニコとミスミの事をみんなに一杯知ってほしいんや!!!!!(´;△;`)!!!!!


届け! マグマの如く熱きこの思い……!!!!!
(ニコとミスミの推し活が熱い!)


とゆーわけで
↓よるつきちゃんの描きおろしニコ(・∀・)/✨↓

※イラスト※ よるつきちゃん




【イラストを描いてくれた✨よるつきちゃん✨によるイラスト解説】

ニコちゃんのお話によると、朝ごはん2人分作って並べた後
「そうだ!あの部分を直さなくちゃ!ごめんニコ!先に食べててくれる…?すぐ戻るから…!」
ってパソコンカタカタ始めちゃって、
一緒に食べたいから待っていたけど、ミスミ先生が没頭してうんうん唸り始めて資料やら本やら漁り始めて、
手伝いたいけど今は邪魔しないほうが良いかも…でもひとりで食べるのも…とかとか……

よるつき的にはミスミ先生に早く我に返ってもらってまず2人で一緒に朝ごはん食べてもらいたいですね笑(`・ω・´)

よるつきちゃんメールより✉️


麻衣(・∀・)
「それは麻衣的にも、ミスミおめー何してんだ、だわ笑」


さて
ニコが、よるつきちゃんが描いてくれたお顔になっていた時
何が起こっていたのでしょうか!?
(*^▽^*)/チェケラー✨


【登場獣人紹介】


*イラスト 麻衣です!*

ニコ(12歳。虎獣人の女の子)

*臆病だが一生懸命な女の子

*ミスミの兄(カトゥ)に交通事故から救われ、ミスミと縁を持つ。ミスミの神話調査について来て、ミスミと2人暮らし

*ミスミから「俺の女神」「俺の後継者」「神話の申し子」等と呼ばれている

*虫🐝とは話せない


ミスミ(29歳だった頃。虎獣人の男性)


*大学院所属の神話学研究者。神話の話がものすごく長い

*母がニンジャの末裔でニンジャ屋敷育ち。何があっても生存するのが得意

*兄のカトゥが交通事故で死んだ事をいつまでも許さない

*虫🐝と普通に話すやん

*何かと凝り性だが、女の子の為ならば即座に全てを覆せる

*ニコが生きがい




『なんのスイッチ?』


朝のミスミ先生、いつもとっても忙しそうだ。

ベッドから勢いよく飛び起きて「おはよ!」と挨拶したら、すぐに窓をバーン!と開けて、シーツと枕カバーをはがして、洗濯乾燥機をまわして、毛布を干して、ゴミを出す準備をして、シャワーをものすごいスピードで浴びて、朝ごはんを作ってくれる。
だから僕もお皿を並べるお手伝いくらいはしたいのに、先生は僕をひょいっと持ち上げて食事用の椅子に座らせるんだ。それから必ず「今日の給食の献立って何だっけ!?」と不安そうに聞くんだ。

今日もお手伝いしようとしたら、ミスミ先生は僕を持ち上げて椅子に座らせてくれた。朝用のマグカップに入れたお茶も、勢いよく僕の手元に置いてくれた。
だから、言おうとしたんだ。
今日の給食の献立はクリームシチューとパンとフルーツサラダですって。

でもミスミ先生は、いつもみたいに「何だっけ!?」と言わなかった。

心配になって見上げたら、先生はさっき開けた寝室の窓をにらんでいた。雨が降りそうなら毛布の心配かなと思うけど、今朝はまぶしいくらいにとってもいい天気だ。

「…………そうだったのか」

遠くの窓を見たまま、ミスミ先生は低くて真剣な声で言った。

これは、ミスミ先生の中にある神話スイッチが入った時の声だ。
忙しい朝の時間に……?せっかく先生が早起きして準備をしてくれたのに、僕たちは神話スイッチのせいでまた遅刻してしまうかもしれない。

それとなく今の時間を伝えたくて、ちょっと大げさすぎる動きでマグカップをテーブルに置いてから、掛け時計を見てみた。
先生は無反応だ。すごく嫌な予感……。
何度も何度もマグカップを置いて、掛け時計も見てみた。でも先生は腕を組んで、目をつぶってしまった!

「……つまり、コヨウテがライガと結婚したのも暗殺目的だったって事か!」

神話スイッチが入った低い声で先生は言って、カッと目を見開いて、ドン!と足を踏み鳴らした。いや、踏み鳴らしたんじゃない。スタートダッシュだ!
先生は床を蹴って、食事テーブルを取り囲む本棚に一瞬で飛びついた。

「ニコ! コヨウテって知ってる!? あ~~! コヨウテの資料ってどこにしまったっけ!? コヨウテは後回しにして来たから……この辺か!?」

「ミスミ先生。僕、先生から聞いてます。コヨウテはライガの3人目の奥さんで、2人はライガが釣りをしている時にばったり出会ったんです。それなのに暗殺って……自然に出会ったふりをしただけで、実は仕組まれた出会いだった……?」

「……可愛い! それに賢くて、いや~助かった~! これでコヨウテの一般書を探さなくていいな~! なあ、ニコ! ニコが考えてくれた4人目の奥さん生存説みたいにコヨウテもシュンライのスパイで、ライガ暗殺の為にライガと結婚したのにライガに懐柔されてシュンライを裏切ったとしたら……あの新婚旅行のメチャクチャぶりにも説明がつくと思わない!?」

ミスミ先生、コヨウテの資料が見つけられたみたいだ。
可愛くて賢いってコヨウテの事かな?僕じゃなくて残念……だけど、とっても面白くて整合性もあるお話だ!
僕の中の神話スイッチも、カチリと音を立ててオンになった。

「……はい! 最初だけメチャクチャで、途中から落ち着いた事に説明がつくと思います!」

「コヨウテも4人目の奥さんみたいに結婚してからライガに惚れて、それで、病死したのもひょっとしたらさ!」

「4人目の奥さんみたいに死んだふりをしたのかも!」

「ニコの考えた4人目の奥さん生存説が、ライガ国の歴史を覆す大発見に繋がるかも知れない! もう居ても立っても居られない! ニコ! 朝飯1人で食える?」

「え…………」

僕1人で?
歴史をくつがえす大発見ができたらとってもうれしいけど、朝ごはんはミスミ先生と一緒じゃないとのどを通らないよ……。

僕の中の神話スイッチがカチンとオフになって、勝手に喉がくーと鳴った。

いつものミスミ先生なら、僕の鳴き声にすぐ気がついてくれる。でも今は、本棚から勢いよく本を引っ張り出すのに真剣で、僕の鳴き声どころじゃなさそうだ。

先生が作ってテーブルに並べてくれたお茶粥の湯気が、消え始めてる……。せっかくミスミ先生が早起きして作ってくれたのに……悲しい。
マグカップのお茶を少しずつ飲みながら、忙しそうなミスミ先生の背中をチラチラ見た。
視線がチクチク刺さって、こっちを向いてくれないかな?

「つまり……ライガには元スパイの奥さんが2人いた。ライガは……コヨウテと4人目の奥さんを同じ場所に隠したのかな? いくらライガにデリカシーがなくても、2人の奥さんを同じ場所に? まさか戦地には連れて行けないだろうし……いや連れて行くか……強ければ全然……愛する獣人でも……いや、愛すればこそ……愛しているから……ライガを奪い合う2人の女性が争うように武勲を立てたら、それはライガの侵略だって上手く行くよな!? なあ、ニコ~!? そうだよな、ニコ! 女性は……すごいもんな!?」

ミスミ先生、お話に夢中で全然振り向いてくれない。

真剣にお話してくれているのにすごく申し訳ないけど、僕は絶対にミスミ先生と一緒にごはんが食べたい……。なんでもミスミ先生と一緒がいい。
それにこのままじゃ、僕もミスミ先生も遅刻だ。遅刻したら、ミスミ先生がまたミモザ先生に叱られちゃう!

見ているだけじゃダメだ。なんとかして、うまくミスミ先生とごはんを食べて出かけないと!
……そうだ!

「ミスミ先生……ミスミ先生!」

がんばって大きい声で呼んだら、ミスミ先生は耳をピン!と立てて、勢いよく本棚に本を戻した。その勢いのまま、僕の隣の椅子に座ってくれた。

「ごめん、ごめん! どうしたの!?」

「あの、僕、考えが……あります!」

「……ニコ! ニコは可愛いけど、それだけじゃないもんな。神話の神々に愛された、神話の申し子だもんな。その叡智が導き出した光輝くアイデアを俺にも教えてくれる? どうしても知りたいんだ!」

ミスミ先生のオレンジ色の目が、真剣に僕を見た。顔を近づけてじっと見つめてくれて、優しくて大きな手も肩に置いてくれた。

僕の中にある僕の知らないスイッチが、カチリとオンになった。

「あ、の♡ あの……はい♡ コヨウテの秘密は……学校の図書室に隠されているかも……!」

「流石は俺の女神! 今までノーマークだったコ
ヨウテの資料のありかさえ、神話を詳らかにするその千里眼でお見通しって事!?」

「その……えっと……はい!」

「それなら今すぐ食って、今すぐ学校へ一緒に行かなくちゃな! ……ん? ニコの茶粥が全然減ってない! ……もしかして熱かった? ふーふーする?」

「お願い、します……♡」

「いくらニコが惑星の冒険家でも、茶粥は1人じゃ食いづらいもんな? ごめんな~ニコ~♡ もう熱くないよ~? あーーん♡」

「いただきます……」

「美味い?」

「うにゅ~~♡」

「……そっか。良かった~! ……あれ!? 今日の給食の献立って何だっけ!? 茶粥じゃない!?」

「あの、クリームシチューとパンとフルーツサラダです」

「そうだった! クリームシチューも美味いよな~♡ 今度作ってみようか? クリームシチューって好き?」

「にゅ~♡」

「幸せそうな顔して~! 可愛いな~♡ ニコの好物なの? クリームシチュー」

ミスミ先生、とっても優しく僕のほっぺをツンツンしてくれた。喉が勝手に、くーと高く鳴った。

僕、とっても幸せ……♡

先生も、さっきまでのバタバタが嘘みたいにニコニコしてる。今なら伝わるかもと思って掛け時計を見たら、一緒に見てハッとしてくれた。これで今日は遅刻しないですみそうだ。

でも……学校の図書室にあるコヨウテの本を、ミスミ先生は気に入ってくれるかな?

図書室の奥に、先生達が全然見ない小さな小さな本棚があるんだ。未整理の本が多すぎるから、手書きの本は後回しにしようって、みんなで話していた。
なんだか胸騒ぎがしてちょっと見てみたら、コヨウテのマークが入った古代ライガ語の本をたまたま見つけたんだ。手書きだから、もしかしたらコヨウテがすごい秘密を書き残している日記かもしれない。

もしミスミ先生があの本を気に入ったら、「ニコ! 面白いから一緒に読もう!」って、僕を誘ってくれるかな……?
本を読むのも、ミスミ先生と一緒がいい。できたらお膝にも乗せてほしいな……♡
僕をお膝に乗せてくれたミスミ先生が「そうだ! すごい本を見つけてくれたニコに、ご褒美がまだだったな~!」なんて言ってくれて、キス、しちゃうとか……♡

すっごく楽しい夢を見ていたら、ミスミ先生はスプーンを置いて、僕の頭を優しくよしよししてくれた。

「とっても可愛いな~♡ とっても幸せなの? ニコニコして♡」

「あ、の、はい♡ あの、歯みがきして、そろそろ出かけなくちゃ!」

「張り切ってるな~。学校が楽しみ?」

「はい! ごちそうさまでした!」

ミスミ先生と一緒に行けるなら、どこでも楽しみなんだ!

急いで歯みがきして、上手に髪をとかして、帽子もかぶって、ミモザ先生にもらった手作りリップクリームもぬって、おしゃれしなくちゃ!
ミスミ先生と今よりもっと仲良しになりたいから、いっぱいいっぱいいっぱいがんばるんだ!
僕の中の知らないスイッチがまたカチリとオンになって、知らないうちに手がグーを作っていた。
 
これって、なんのスイッチなのかな?







麻衣(*^▽^*)
「それって、何のスイッチかなあああ~~!!!?✨✨」



※撮影 ゆーぴーさん※
ここまで読んでくれてありがとうのお花🌸✨
どうぞ〜〜♬




『なんのスイッチ?』 ミスミ編に続く!!






やっっっっっと書けたミスミ編🐯✨



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