S.S.V.R. 【ボディ活】しっかり食べてローカーボ(前編)
シニアワーカーが増える中、いつまでも元気で輝く「スーパーシニア」を目指す筆者の知見を ジャンル別にレシピ化した このシリーズ。
今回は、科学的アンチエイジング手法としての、正しく食べるローカーボ(糖質制限)についてのレシピを お届けする。
活力レシピ:カロリーをキープしつつ、ローカーボを楽しもう
ローカーボの重要性
活力有る状態で歳を重ねて行くには、糖尿病だけは避けねばならない。
しかし、糖尿病や糖尿病予備軍は、年齢と共にどうしても増えていく傾向にある。
これは、年齢とともに 細胞がインスリンに対して抵抗性を持ち 高血糖状態が続きやすくなるからだ。
そのため ローカーボ(糖質制限)は、活力あるスーパーシニアを目指す上での重要な科学的アプローチの一つとなる。
ローカーボの食生活は、糖尿病予防だけで無く、安定した体重管理やAGEs(終末糖化産物)の生成抑制など、多くのアンチエイジング効果が期待できるのだ。
ローカーボに対する誤解
しかし ローカーボに対する一般的な誤解や偏見は いまだに存在する。
その最たるものは「ローカーボの実行は、通常の食事から炭水化物を減らすだけでいい」という誤解だ。
ローカーボは、単に炭水化物カットすれば良いというものでは無く、糖質以外をしっかり摂取して「必要なカロリーをキープする」必要があるのだ。
成人男性の1日の推奨カロリー摂取量は2,000〜2,500kcalで、そのうち45〜65%が炭水化物由来だ。
もし炭水化物を半分カットすると約500〜700kcalが減少してしまうことになる。
これを実行したら 痩せるだろうが、エネルギー不足で動けなかったり、筋力低下や肌荒れを招きかねない。
不足しているカロリーは、第一にタンパク質、第二に脂質で補う必要があるのだ。
様々な食材と料理の選び方
減らした白米などの炭水化物の代わりを どうするかが問題だ。
カロリーは、肉、魚、卵、大豆製品、ナッツ類など、タンパク質を多く含む食材で補うのが良い。
ステーキやハンバーグ、焼き魚や刺身、オムレツやベーコンエッグなど、出来るだけタンパク質の多い おかずを ご飯代わりに多く食べるのがお勧めだ。
最初は慣れなくて白米が恋しくなるかもしれないし、我慢のしすぎは禁物だ。
そういう時は、先に おかずや繊維質のものを少し食べておき、腸での糖質の吸収を抑えてから、美味しい白米を食べるのが良いだろう。
ただし、炭水化物を食べるなら、代謝が活発でインスリン感受性が高く、血糖値が上がりにくい朝か昼にすべきだ。
ローカーボでは、総カロリーに気をつければ、間食も可能だ。
豆菓子やナッツ、ハイカカオチョコなどは、甘さがあるため、口寂しい時のポテチや煎餅の代替としても優れている。
揚げ物については、脂質は気にしなくても良いが、衣は炭水化物であるため、ご飯代わりのカロリー源にするのであれば、トンカツなら通常の半分程度が適量だ。
すなわち、ご飯を食べずにトンカツを1.5倍食べるのだ。
それでも、糖質は27gも減らせる計算になる。
・ご飯一膳(150g)のカロリーが160kcal、糖質37g
・ロースカツ半分(50g)のカロリーが200kcal、糖質10g
これらの低糖質の食材や料理をしっかり食べることで 満腹感も得られるから、ローカーボは続けやすいのだ。
もしも炭水化物に少量含まれる食物繊維が気になるなら、低糖質の野菜(葉物野菜、ブロッコリー、カリフラワーなど)を中心に、これらを多めに摂取するので十分だ。
より厳密な糖質制限を行いたければ、MCTオイルで補強するのもアリだが、筆者は 食事は美味しく食べることが、活力につながると考えているため、この方法は お勧めしない。
果物に含まれる果糖は、血糖値そのものはあまり上げないのは良いのだが、肝臓での脂肪生成を促し、インスリン抵抗性を引き起こす可能性があるので、食べ過ぎないように注意が必要だ。
中編では、筆者が実際に購入しているローカーボ食品を中心に記事にしていく。