母(はま子)の愛
高校生のとき、
毎日お弁当を作ってもらっていた。
栄養士の資格を持つ母(はま子)のお弁当は
大体冷凍食品でした。
(しっかりズボラが遺伝してる🫶)
そんなお弁当エピソードを思いだしたので
書き留めておこうと思う。
卓球少女
私は中学生時代、卓球部だった。
中学最後の市内大会で個人・団体ともに優勝し
特待生として高校進学。
走り込みや筋トレは毎日行い
牛乳は1リットル飲み、
ご飯のおかわりはあたりまえ。
それでも親からは「うちの子は食べない」
と言われて育ってきたので
自分がまあまあ食べる人間だという自覚がなかった。
入学後しばらくしてお弁当生活が始まり、
クラスで仲良くなった子と
4人でご飯を食べていた。
そこで私は衝撃を受けた。
お弁当が1段
私以外の3人のお弁当は1段。
幼稚園児?小学生?が食べるのか?
というほどの小ささ。
対して
私のお弁当は2段。
ごはんもおかずもぎっしり。
それをぺろりと平らげる私。
(デザートに購買のパン買って食べたりしてた)
帰宅後、私ははま子に相談した。
「私のお弁当、でかくて恥ずかしい…」
「みんなお弁当1段でちっちゃいの…」
今思えばそんなこと気にしなければ良い話だけど
思春期の女子高生だった私は
あいつめっちゃ食べてる笑
と思われることが死ぬほど嫌だった。
はま子は翌日すぐ対応してくれた。
お弁当が1段になっていた。
ウキウキで持っていく私。
静かにドヤ顔で迎えるお弁当の時間。
あっという間に食べ終わるお弁当。
私の感想は
「えっ…?みんなこれで足りるの…?」
悟ったはま子
からっぽのお弁当箱を見てはま子は
「足りた?」
と聞いてきた。
私はもちろん「足りなかった」と答えた。
はま子は色々と悟ってくれた。
翌日、
また1段のお弁当箱が用意されていた。
昼休みにお弁当を開けると
前日と変わらないお弁当。
パッと見ただけでは分からなかったけど
食べ進めて納得した。
米がぎゅんっぎゅんに詰められていた
食べても食べても米がなかなか無くならない。
握ってから入れたのか?と思うほど
ぎゅんぎゅんの米が詰められていた。
私ははま子のおかげで女子高生の尊厳を守りつつ、
お腹いっぱいで高校生活を送ることができた。
はま子の愛
農家の娘であるはま子にはおそらく
「空腹はかわいそう」
という軸がある。
たくさん食べるのは恥ずかしい
という娘の気持ちを察して
米ぎゅんぎゅん弁当を作ってくれた。
今思い返すと本当にくだらないことで
悩んでいたなと思う。
2人の子を持つ母になった私は
「娘にそんな相談をされたらはま子と同じことするかも?」
と想像してニヤッとするのでした。
母の愛に感謝!