見出し画像

つらさは相対的に量ることができない--比較できない、「わたしだけ」のからだ

こんばんは。 乳がん闘病中のまいです。


そういえば、今飲んでる薬の副作用に、「感情障害」ってのがありました。

急に泣き出したりするやつね。気持ちが憂鬱なんも、薬のせい、って思うとすこぅし気が楽かも。

私が飲んでる薬は女性ホルモンを止める薬。副作用は更年期障害と一緒。一足早く更年期障害が来てるって思えばえぇんかな。うーん、そう思うのも何となく憂鬱やけど(^^;



先日、友人と話してて言われたんです。

「つらさは、相対的に量れるもんじゃない」って。

私の身体は、私にとっては唯一無二のもので、他のものに替えることができない。だから、どこであろうと身体の一部を失って、悲しくてつらいはずだって。


多くのがん患者さんと比べれば、

がんだけど、他への転移もなく、抗がん剤治療も免れた。右胸乳房全摘出とホルモン療法だけで済んで良かった。

もっとつらい想いしてる人、おるんやから、このくらいで済んで良かったって思わなあかん。


私の中に、どこかで、こう思ってるところがあった。

だから、手術で処置できて、薬の副作用も少なくて、良かったんやって。


確かに、その通りなん。

でも。心の底から、心底納得できない。

だからといって、つらい想いがなくなるわけではないから。


私は、私の唯一無二の人生の中で、これまでにないほどつらい体験をたくさんした。この3ヵ月で。

モノのように扱われて傷ついたこともあれば、

どうにもならない痛みに一人で耐えるしかなかったことも。

今まで考える必要がなかった選択を迫られ、

やり場のない悲しみを抱えて淡々と決断を下してきた。

悲しむ余裕もないほど、あっという間にその日は来て、過ぎ去っていった。



つらい時、自分よりつらい人の頑張っている話を聞いて、前向きに生きる力をもらえることもある。

誰かのつらさが私のつらさを癒してくれることもあれば、勇気づけてくれることも、確かにある。

だからと言って。

私が「今」、つらい想いをしている事実はなくならない。

無理やり、つらさを押し殺す必要は、ない。


誰と比較するでもなく、私は私の人生の中で、今、確かに、つらい想いをしてる。


いつかは、「手術とホルモン療法だけで済んで良かったね」って言える日が、必ず来ると思う。必ず。


でも、今は。

言えない。

だって、つらいんやもん。

病気だと言う事実。身体が痛いこと。気分が晴れないこと。未来が見えないこと。


画像1


退院後、尊敬する入院マスターとランチした時に。「この程度で済んだ」私がブログを書いていいのか。お互い、そういう想いを持ってるってことを共有できたん。詳しくはこちら↓

どこかで、無意味な罪悪感を抱えてるんかもしれん。

この先も生きられる命をもらっておきながら、素直にありがたいと思えないことに。


この経験が、私の人生をよりより方向へ導いてくれるかもしれんけど。きっと、私はそういう方向へ人生を持っていこうとするだろうけど。

今は、そう思うよりも。

どうやって明日を生きていいかが、分からない。

ただ、普通に、寝て起きて食事をして、明日が楽しみな普通の日常。どうやってたっけ?どうやって、毎日、呼吸して、ご飯食べて、生きてた?

画像2


私が、今、生傷のままのつらさをここに吐露するのは、1年後だとこのつらさをきっと忘れてるから。

乗り越えてから振り返ったら、リアルな感情が欠落する。

私があの時、何を感じて、何がつらくて、何が痛くて、何が嫌だったんかをきちんと記しておくことが、必要やと思った。


どんなつらさを乗り越えて、未来の私がいるのか。

乗り越えた後の私から、それを量ることはできない。

今じゃないと、生々しいつらさは書けない。



病気を抱えてる人には、それぞれ、その人だけの痛みやつらさがある。

つらくて、当たり前。ほなって、自分だけの身体やもん。

誰かと比較するんやのーて、つらいからって休んだり甘えたりしてもいい。

言わないと、周りには伝わらない。

健康な人には、病気のつらさはなかなか理解し難い。

だから、私は伝えられるように。こういう形を選んだ。



読んでて、悲しい想いをしたり、余計につらくなったりする人もおるかもしれません。

今回、noteやFacebookで乳がんだということを公にしてから、実は自分も手術してた、体調悪かったんだって話をしてくれる人がいます。婦人科系の病気で。言えんのですよね、なかなか。人には。特に男性に完全な理解を求めることは難しいし。でも体調不良を隠して仕事するんって、めちゃくちゃきついと思う。よく、言わんで耐えてるなぁ、えらいなぁって思います。

病気なんやけん、しんどい、つらい、少し休ませてくださいって言える世の中やとえぇよね。

幸い、私は周りの理解があって、学業も仕事も待ってもらえてます。



病気だから分かった、私のつらい想いが、

病気の経験が無い人に少しでも伝わりますように。

あなたの理解が、未来の誰かの助けになるかもしれん。世の中が少し生きやすくなることにつながるかもしれん。

実は知らないだけで。あなたの周りにも、病気で人知れずつらい想いをしてる人、おるんやないですか?


手術、するん?1週間の休みで大丈夫?1ヵ月くらい休まんで平気なん?仕事はだいじょうぶよ、1ヵ月くらい休んでも。身体を大事にして!


そういう労わりが自然とできるような社会でありますように。






画像4

牛すじカレーを作りました。ちゃんと食べてます。毎晩、こうやって想いを文字に認(したた)めながら、泣いてるけど。私は、生きてます。

いいなと思ったら応援しよう!