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もう一年、まだ一年、やっと一年。 -乳がん発見からちょうど一年が経ちました-

こんばんは。大変お久しぶりです。

乳がん闘病中のまいです。


手術も無事に終え、抗がん剤治療をすることもなく、この先の長い服薬だけを地道にこなしてるだけの毎日。

ぼちぼち、生活リズムも気持ちも平常に戻ってきとります。

ふとした瞬間に、「あ、ほうか。あたしって、そういや病気なんじゃった」とかって思い出すくらい、日々の忙しさに追われとると乳がんのことを忘れてしまうくらい。


ちょうど一年前やったんね。

ブラジャーを着けようとした時に右胸の外側のしこりに気付いたんが。

家族旅行のために東京から徳島に帰っとって。

帰った初日に実家で気付いて、ものすごい不安に襲われた。


え、なんかある・・・

次の日触っても、消えてない・・・

なんか、ある・・・

どうしよう、胸にしこりがある時って、悪性腫瘍の場合もあるし、放っといたらあかんのでないかな。

調べてみたら良性ってことのが多いみたいやし。

とりあえず、東京に戻ったら病院で検査してみよう。



ちょうど週末に東京に戻ったんで、病院に行ったんは週明け。

一週間、よく分からん不安を抱え、誰にも相談できず、とりあえずインターネットで調べる。


まずは。

どこ、行ったら検査してもらえるんやろか。


35年間、がん検診のことなんて1ミリも考えたことなかった。


健康診断の時に見てもらえるような検診センターでも検査は受けられるらしい。

けど、そういうところやと確定診断には至らんで、他の病院でもっかい検査ってこともあるらしい。


結果に時間がかかるん、いややな。

はよ、知りたい。この不安の正体を。



そう思って、マンモグラフィー、エコー、そして針生検までやってくれる近場の病院を探したん。

月曜日に電話して確かめて、火曜日の朝一で病院に行く。

公共交通機関に乗るんが怖かった時期やったから、歩いて行ける距離の病院を探したんね。

地域の病院みたいで結構混んどって。

廊下で20、30分待って、診察室に呼ばれる。

先生にまずは触診で見てもらう。

確かに、はっきりとしこりを確認できる。

怪しいねぇ、という話で、レントゲン、マンモグラフィー、エコーと順番に検査を受けてくる。

マンモグラフィーは痛いという噂やったけん、覚悟してったけど、そんなに痛くなかった。

エコーが長いんが、精神的につらい。

探されてる間、ずっと無言やし、不安がどんどん膨らんでく。


検査が終わったら、また診察まで廊下の待合いで一人待たされる。

ちらほら若い人も見えるけど、大半が年配の方々。

家族が付き添いで来とる場合もある。

一人なんが、すごい不安。


診察室に呼ばれて、検査の結果を見る。

結局、マンモグラフィーとエコーの結果だけじゃ分からんくて。

でも明らかに腫瘍だということで、最終的には良性の腫瘍なんか、悪性の腫瘍なんかを調べるための「針生検」をすることになるん。



一応ね、病院行く前にどんな検査が必要なんか調べてきたんよ。

針生検、っていうのが普通の注射器より太い針を患部に刺すってことも知ってたん。


診察室の隣の「処置室」(と言ってもカーテンで区切られとるだけ)のベッドに寝かされて、患部が見えないように覆いをかけられる。

「先に麻酔をするね」と言って、局部麻酔をしてくれたけれども。



いやぁ、あんなに痛かったこと、人生でそうそうないわな、ってくらい、痛かったん。

麻酔が効きにくい体質ってこともあると思うんやけど。



しかもね。



針生検は、特殊な注射器で腫瘍細胞を抜き取るってやり方なんやけど。

一回じゃ済まんのですよ。

ズドン、ズドン、ズドンと。

三回。



え~~~~、三回やるんやったら、最初に教えてだぁ!!!

一回で終わりと思っとったんで、二回目が来た時の衝撃と言ったら。

三回目はさらにそれを上回り、過呼吸になりかけましたよ。



しかも、針痕が大きいから、その後15分間、看護師さんが患部を圧迫しとらなあかんくて。

痛いのにさぁ、圧されてさらに痛いわけ。


15分の圧迫が終わった時には、ベッドからすぐ立ち上がる気力もなかったわよ。


結果は1週間後。

その日は歩いて帰ることができず、帰りはバスに乗ったん。

夜、寝る時まで患部が痛くて。

結果が分かるまで、親には余計な心配をかけたくなかったけん、検査を受けたことはすぐには言わんかったん。

その晩は、いつも泣きつく友達に電話をかけました。




そんな時期から、はや一年。

そこから6月くらいまでが怒涛のように過ぎ去っていった。

療養期間は何もしてなかったけど、やらなあかんことをやるべきではないかという精神的焦りと、何かが失われることのよって自分の将来が受けるインパクトに追い詰められてた。


あれから一年。

まだ、一年。

暖かくなってきたんで傷の痛みや違和感はほとんど感じない。

鏡を見なければ、右胸がないことも気にならん。

毎朝、薬を飲み忘れんように気を付けるだけ。

それでも、ふとした時に「そっかぁ、私は病気なんやな」という現実に足を引っ張られんように。

できるだけなんでもない顔をして、前を向いている。

少しでも後ろを向いたら、引きずり込まれそうで。


そうか、やっと、一年なんだな。

この一年、何しよったんやろ、自分。

もっと、できたこと、たくさんあったように思う。

でも、やれる限りやってきた気もする。

自分の気持ちともたくさん向き合ってきた。

この先、どう生きたいんか。

誰と生きたいんか。

何をしてたいんか。



変わらんのは、「やりたいことを仕事にしたい」ということ。

今はそのために力を蓄える期間。

そういう環境に恵まれとるってこと、ありがたいなと思います。

逆に、恵まれてるからこそ、そういう環境をしっかり使わんとあかんな、とも思う。



乳がんになって、ものすごーーーくよく分かったのは。



私は、たくさんの人に愛されてる。

だから、私は幸せにならなあかんの。

幸せの形は人それぞれ。誰かのに合わせる必要なんてないんやけど、自分で自分の幸せを考えてあげなあかんな、そろそろ、ということに気付いた。



4月から、去年諦めた仕事を始めることができます。

待っといてもらえたん、ありがたい。

気負わず、私にできることをやっていこう。

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