右胸全摘手術から一年が経ちました。私は元気です。
こんにちは。乳がん闘病中のまいです。
と言っても、普段は自分が乳がんだということを忘れるくらい、普通の生活を送れとります。
昨年4月頭、右胸側面1.5cmほどのしこりが悪性腫瘍だと分かり、
5月14日に摘出手術したん。
6月に卵子の冷凍保存を行い、6月末から服薬+注射のホルモン療法を続けとります。
ホルモン療法は服薬+注射を5年、さらにその後服薬だけを5年、合計10年の治療がスタンダード。
閉経前と閉経後で使用する薬が違い、投薬中は妊娠できんの。
今の主治医は最低2年は薬の治療をして、妊娠したい場合はそこから考えましょう、と言ってくれとる。
病気になるって、命や身体の危険だけではなく、将来の可能性が奪われることもあるって初めて知ったん。
こんなことなら、もっと早くから結婚とか妊娠とか考えておくべきやった…
って後悔してもあとの祭り。
今の私に残された選択肢の中から、何が最善かを選び取るしかないんね。
がんになって一番つらかったことは、
「先が見えん」こと。
がんって告知されてもどのくらい悪いかすぐには分からんし、これまでと体調は変わらんのに手術せなあかんくて、その傷がいつ癒えるんかも分からん。
何に気を付けたらえぇかも分からん。
とにかく、標準治療(手術と薬)を信じるしかない。
だから、「自分は乳がんなんじゃ」って思いから普段は離れとったほうが幸せやし、前向きに生きられる。
でも、完全に忘れることなんて、無理。
未だに傷口が痺れて痛い日もあるし、将来のこと考えると不安が募ることもある。
それでも、今は病気になる前とほぼ同じ生活が送れとる。
早期発見できたことと、比較的「顔つきのよいがん」だったことが幸いしとるん。
がんはめっちゃ個別性が高い。
私の経験は誰かの役に立つかもしれんし、誰の役にも立たんかもしれん。
それでも、「あの時、知っとったら」と思うことがいくつかあるん。
あまりにも唐突に病気になったから、何の準備もできとらんかった。
最善の選択をしたと思っとるけど、それでも、「あの時…」って思ってまう自分がおるん。
知るということ。
情報があれば、選択肢が増える。
その情報を与えてくれる人が分かっとれば、その人に聞けばいい。
私は私の経験しか伝えられんけど、乳がんになる前よりも伝えられることは増えた。
だから、忘れんうちに書き残しておこうと思うん。
痛い思いも辛い思いもたくさんしたけど、
今、とりあえず元気やし、
たくさんの人が私を心配してくれて、たくさんの人に愛されてると気付くことができたけん。
否定しても、ジタバタしても、病気である事実は変わらんので。
一年経って、上手く自分の感情と付き合う術が見えてきたかな。