アンチエイジングとはまさに【映画感想】「新宿スワン」(2015)

●もう一度観たい度 ★★★☆☆
●度肝抜かれ度 ★★☆☆☆
●かじりつき度 ★★★★☆
●どんな人に勧めたいか 東京に憧れを抱いている人

【あらすじ】

金もなく新宿の街をふらついていた白鳥龍彦は、水商売のスカウトマン、真虎に声をかけられ、スカウト会社バーストで働くことにする。

新宿歌舞伎町を舞台に水商売や風俗などの裏社会の中で龍彦が成長していくおはなし。

【感想】

新宿という街はすごく身近で、田舎者の私からしたらある意味で憧れの東京そのものっていう時期もあったかな。今では同じ都内ならもっと綺麗な場所を選ぶけど。

いろいろな種類の人間がいて、それぞれが独特の価値観でうまく共存している場所。ありとあらゆる悪いものが、良いものと隣合わせに普通に存在していて、一歩間違って踏み込めば危険な目に遭いそうな雰囲気もある種の「都会感」として、妙なワクワク感を感じたのは田舎者ならではなのかな(恥

実際、一歩間違って踏み込んだことはなかった。だからその踏み込んだ先の世界をこの映画は見せてくれたのが楽しかった。画面に映るのは見慣れた歌舞伎町の風景。この世界のこの場所に自分もいたかもしれない、でも決して交わることがない、裏社会での出来事が、嘘か誠かって感じで垣間見れた。


主人公の龍彦は19歳という設定だが、主演の綾野剛が32歳で演じたとのことでものすごく興味を惹かれて見たのです。アンチエイジングは他人事ではない(キリッ

金髪でボサボサ頭、顔いっぱいに表情を作って体いっぱいでリアクションすることで、すごく若々しく、むしろ中学生男子ぐらいの幼さに見えた。実際龍彦というキャラクターは奔放である種ピュアで、しっかりした19歳と比べたら更に幼いはず。綾野剛の思い切った演技が最初のシーンからたっぷり見れて、そういう意味では見どころだらけだった。

こういうときすぐに、同時期に他に何やってたんだろうと調べてしまうのだけど、前年にはあの髭面飲んだくれの役で「そこのみにて光輝く」が公開されている。

私は美容室に行って差し出される雑誌の対象年齢が上がってきていることに諦めのような気持ちになって、控えめな注文をしてしまいがちだけど、この映画でアンチエイジングの大成功例を目の当たりにして、同世代としてはニヤニヤが止まらない。

そんなことより中身はどうかというと、エンタテイメント作品ならではの盛り上がりと適度な暴力と美女という畳み掛けで普通に楽しかった。(ざっくり)後半のシーンで屋上から飛び移るんだけど、それまでわりとリアリティ感じて見てたのに急にうそみたいなアクションが出たので、そこで「ああ、漫画だもんなもともと」と変に冷静になってしまった。

「私の王子様」のフレーズはクサいセリフだけれど「ハッ!」としたあれはなんだったんだろう。沢尻エリカが可愛かったからかな。

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