【映画感想】スイス・アーミーマンを観た
何かの映画を観に行ったときに、いくつかの公開予定作品のチラシを取った。
その中にあったとあるポスターを指差して夫が言った。「お、これ観たいんだよね」
おれ「ん?なに?」
夫「なんか死体が万能なの」
おれ「は?」
席につくと予告が流れた。
ハリポタで育った世代(大袈裟)には衝撃的な、ダニエル・ラドクリフの土左衛門姿もさることながら、死体で海を渡ってる・・・死体から水吹き出して飲んでる・・・死体喋ってる・・・
これは見てみないとね、と話しておりましたが先日やっと観てきました。場所は日比谷TOHOシネマズシャンテ(場所わかりにくい)
【ここからネタバレ含みます】
●もう一度観たい度 ★★★★★
●度肝抜かれ度 ★★★★★
●かじりつき度 ★★★★☆
●屁度 ★★★★★
【あらすじ】
無人島でひとり、孤独に耐えられず首を吊ろうとしている青年、ハンク。
いざ足元から踏み台を外そうとした瞬間、波打ち際に打ち上げられている男を見つける。
ハンクの願い虚しく男は死んでいた。が、腹内にたまった腐敗ガスをお尻から出すことで海の上へ走り出していた。
慌てて飛び乗ったハンクと死体は無事に無人島を抜け出すが、そこも人里離れた森の奥。そこから、故郷へ帰るためのふたりのサバイバルな冒険が始まった。
【感想】
死体のメニーはジェット屁で海をわたるだけじゃなかった!
口から(多分綺麗な)水を出したり、歯で髭も剃ってくれるし、体が斧のようになることも。普通に意思を持って喋れるし、自立こそできないがあの部分がコンパス代わりにも。
「スイス・アーミーマン」というタイトルは「スイス・アーミーナイフ」のもじりで、「万能ナイフ」ならぬ「万能男」ってことらしいけど、
男がみんな憧れるあの万能ナイフのように心強いってことだ。
おれはとにかく作中の「おなら」(以下屁)率の高さに驚いたし、
屁で始まって屁で終わる、屁みたいな◯◯とはよく言いますが、こちらはとんだ屁映画でした。
なにやら主人公青年の孤独がどうだとか、死体のメニーはハンクの抑圧された欲望の裏返しだとかいった深い見方もできるようです。でも敢えてここは、
屁を基調としたくだらないコントを90分かけて真面目に作った。 という見方で行こうと思います。
かといって、感動の映画でないわけはなく。
冒頭の屁ジェットで海を渡るシーン(予告ではここがハイライトのように思えたがなんと序盤だった)で、ハンクの口ずさんだ鼻歌が重なり、壮大なメロディとなって海に出る二人の映像の上にタイトルがババンと出たその瞬間に、謎の涙が出てきたの。
最後にまた、メニーがまた屁ジェットで去っていくシーンも、涙が止まらなかった(屁なのに)
ティム・バートン監督の「ビッグフィッシュ」を思い出した。こちらも自分的に「泣ける映画」として生涯大好きな作品のひとつ。
夢なの?現実なの?どこからが現実?そもそもこんな映画最初からなかったんじゃないの?なんて思ってしまうほど、自然にファンタジーの世界に引き込まれて、そのまま境界線がわからないまま戻された感じでした。
2017年一番、語りたい映画でした。
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