距離があるからこそ話せることがある。近いからこそ話せないことがある。
先日、はじめて講師として受け持ったクラスの生徒への、最後の授業がありました。
まだ舞台本番があるので、会う人とは会うのですが。
卒業式にも行きますが。
その日が最後になる生徒もいたし、3年生として全員での授業は最後でした。
わたしはあと2週間あると勘違いしていて
「え?最後の日にピザとろうと思ってたのに」
と、最後までとんちんかんでした。
2年生で受け持ちはじめた時は、毎週誰かしらが泣いていて(笑)
みんなでずっと話した日もありました。
そんな日が懐かしい。
はじめての授業で話したのは
「先生も人間なので、忘れたり、間違えたりします。めちゃくちゃします。そんな時はみんなに助けて欲しい。お願いね。」
ということ。
たくさん助けてもらいました。
忘れっぽい私に
「先生、何か探してます?」
「先生、忘れてませんか?来週これです!」
「先生、大丈夫ですか?」
たくさん、声をかけてくれました。
最後の授業で言ったのは、
卒業したら、もっと時間が過ぎたら、
困ったときに相談出来ない、誰にも言えない。
ちゃんと出来ていないといけない
こんなこと言ったら何か言われる
もう子どもじゃないんだから
そんなふうに思うことが増えるかもしれません。
わたしは増えました。それが辛かった。
だから、みんなにもそんな瞬間が来たら、誰かに話したいけど誰にも言えなかったら
第三者であるわたしを思い出すことがあったら、いつでも連絡ください。
わたしにとってみんなは、はじめて受け持った生徒だから。わたし、みんなのことずっと忘れられないと思うから、どんなに時間が経っても、必要な時はいつでも連絡して。
そんなことを言いました。
その日が終わりと思っていなかったので、全然、考えて話せなかったけど。
みんなの顔を見ていたら、そんなことを思いました。
授業が終わって、残って話していた生徒から
今まで一度も聞いたことのなかった話を聞きました。
どれだけ悩んでいたんだろうと思いました。
辛かったろうな、と、思いました。
最後だから話せたんだろうなとも、思いました。
距離が離れるからこそ、話せたんだろうなと。
その子は、「小さな幸せを見つけられる人になりたい」と言いました。
なんだか心に残りました。
みんなの素敵なところを、卒業式には手紙にして持っていこうと思います。
小さな幸せを見つけられる人になりたいと言ったあなたは、
周りのみんなをよく見て、素敵なところによく気づき、それを言葉にして伝えることが出来る人だった。
必ず小さな幸せも見つけられると、わたしは思っています。
わたしの気持ちも、ちゃんと伝えたいと思います。
はじめの頃、何度か「先生って呼ばないで」と言ったのを無視して笑
みんなが「先生」と呼んでくれたから
わたしはこの子たちより先に生まれたものとして、出来ることを全部やろうと思えました。
わたしを先生にしてくれてありがとう。
もっとみんなと一緒にいたいです。