卵、大豆、米、小麦、牛乳、肉、魚アレルギー?!
そんなことってある?と思うのですが、あるんですね。
子供の離乳食といえば日本では大体6ヶ月くらいから「10倍粥」を始めてみるわけです。そうしたら、肌が赤くなって、湿疹が出てきた。
はじめは、自分の子供がアレルギーになる、という発想がなかったので、そこまで気にしていませんでした。初めて食べると肌が荒れることもある、と聞いていたし、乳児湿疹かな?と思ってみたり。
でも、人参や南瓜のポタージュをあげると、肌は綺麗。おかゆや、豆腐をあげると出る。というように、明らかに特定の物をあげると肌に反応が出て、痒がる。まだ6ヶ月、子供が不調を伝えられるわけもなく、ただ機嫌が悪くなる。むずがる。耳の付け根が割れてしまったり、鼻水や涙目になったり。これって、もしかしてアレルギー?と疑い始めました。
アレルギー学会専門医といっても
沖縄の小児科に連れていき、アレルギーテスト。血管なんか見えない、柔らかいフワフワの腕に注射の針が刺さるのかと思うだけでも心が痛みました。
「アレルギーテストは陰性ですから、いろんなもの、どんどん食べさせてください。」と言われる。「湿疹が出たら、ステロイドの薬を塗ってね」
「そうなんですか。う〜ん…。」という疑問の気持ちがよぎりながらも、自分自身もあまりアレルギーのことを知らないし、小児科医の言うことだからまず、言われた通りにやってみよう。
でも、色々少しづつ食べさせても肌はひどくなるばかり。ステロイドの薬も、こんなに毎日塗っていいのだろうか?という疑問が生まれました。アレルギーのことを勉強していくうちに、反応が出る食物を除去していく方法もあることを知りました。
アレルギー学会員の先生が何人か沖縄にもいるので、セカンドオピニオン、と思い診てもらいに行きました。どの先生も、口を揃えたように、「どんどん食べさせて。検査は陰性なんだから」と。目も見ずに「質問は看護婦にしてね」と言う先生もいました。
「アフリカの子供にはさ、アレルギーなんてないでしょ」
は?!どう言う意味で言ってるのか本気でわからない。
「今は肌は綺麗ですが、この食べ物をあげると、こんな肌になります」と食べ物とそれを食べた時のリアクションの一覧を写真付きで持参していくと、「今、忙しいから後で見ておくよ」と机の端っこにぽいと投げ捨てる先生もいました。
人としてどうなんだろう
まず、アレルギー専門医という以前に、人として、目も見ずに話す、ってどうなの?と信じられない気持ちでいっぱいでした。自分の子供が原因不明の蕁麻疹になり毎日機嫌が悪い。そんな我が子をどうにかして笑顔にしてあげたい。子供を持つ親なら誰しも願うことではないのか。
もちろん、私の娘はアナフィラキシーショックを起こすタイプのアレルギーではなく、命の危険があるタイプのアレルギーの子供の治療が優先、と言う先生の態度もわからなくはないのです。そして最近、ひどいアレルギーの子供が増えているから、次々と患者を診ないといけないから、という事情も。
でも生まれて何ヶ月かの子供と、どうにか解決策はないのだろうかとすがる思いで結構な待ち時間を待っていたと言うのに、診療は1分ほどで終わり、質問をすると明らかに苛立ちを隠せない態度で「アレルギーじゃないから。様子見てください」と。悔しい思いでその病院を後にしました。
救世主がいた!
何ヶ月もかかりつけの先生探しをして、ようやく3人目のアレルギー学会専門医の、ある若いドクターに診てもらう事に。
病院に電話をすると、「3ヶ月先まで予約がいっぱいで。初診には1時間もかけて、まずはしっかり話をきくのでどうしても混んでしまうんです。どうします?」と看護師さんがおっしゃいました。
それを聞いた時点で、その先生にとても会いたくなりました。娘のちょっと変わったアレルギーの話も聞いてくれるかもしれない。「3ヶ月先でもいいから予約をお願いします」と即答。
その先生はとても穏やかな口調で話す若い先生で、今まで誰にも話を聞いてもらえなかったこと、どんな食べ物でどんなリアクションが出てきたか。写真もじっくりと見てくれて、検査の結果と共に丁寧に娘を診てくださいました。
「アレルギー検査でわかることは、ごく一部なので、アレルギ検査が陰性だからといって、絶対アレルギーではない、と言うことではないんです。逆に、アレルギー検査が陽性でも、その食べ物を食べて大丈夫な子もいます。のえちゃんのように、アレルギー検査が陰性でも、特定の食べ物で反応すると言うことは、何らかのアレルギー反応が起きている、と言うことなので、今は無理に食べさせるのはやめていいと思います。」
「お母さん、今まで、大変でしたね」と先生言われた時、涙が出てしまいました。やっと、話をまともに聞いてくれる先生がいた。娘の栄養を一緒に考えてくれる人がいた。何を食べさせればいいのか。ちゃんと育つのだろうかと心配だった気持ちが、一気に安堵へと変わりました。治る、治らない、ではなく、一緒に考えてくれる先生の存在が何よりも嬉しかったです。
その先生は、栄養士の方も必ず診察の時に同伴して、娘の今食べているものが今の月齢の栄養として足りているかを計算してくださっていたので、安心して毎日のご飯を与えることができるようになりました。アレルギー反応の出るものは食べさせなかったので、娘の肌も一気に綺麗になり、毎日ご機嫌に。本当に、私たちの生活の救世主としか言いようがありません。
娘、6歳の現状。
結果から言うと、今娘は6歳になり、アレルゲンになる食べ物の量は少なかったり食べさせ方に工夫がいるものの、鶏肉、牛肉以外は大体リアクションなく食べることができるようになりました。基本はヴィーガンのような食事ですが、週に何回か、動物性タンパク質を食べるようにして、慣らしています。
どのようなご飯をあげてきたか、と言うことは、また別の回で書く事にしますが、沖縄で、アレルギーのお子さんを持つ方で、かかりつけの良い先生が見つからない、と言う方はぜひ連絡をいただければ、この先生を紹介します。
子育てに正解はないと思うのです。一人一人が違う子供で、違う体。私たちはこの先生が娘をアレルギーの子、アレルギーじゃない子、と言う選別だけで判断をせずに、一人の子供として向き合ってくださったこと、そして一緒に考えてくださる先生だった事に感謝しています。
子供のアレルギーがいっぱいあって、何をあげれば良いのか困っているお母さんへ
この回では長くなってしまうので、また別の回に、おかずのレシピや栄養の工夫など書いてみようと思いますので、興味があれば、フォローをしてくださいね!
よろしくお願いします。
マイコ