【企画】忘れられない外国人のあのひと~留学先のステキなホストマザー~

私は、金運はないが、人運がいい。

大学生のときにオーストラリアのブリスベンで、ホームステイを経験しました。


完全にビジネス目的で全く留学生の相手をする気がないホストや、部屋がとても汚い、家族仲が悪くて居心地が悪い…など色々とネガティブなコメントを聞く中で、すばらしいステイ先でした。

就職活動で悩んだ私は、大学4年を休学して、アルバイトでためたお金をはたいてオーストラリアに10か月留学することに決めました。

ブリスベン空港に着き、迎えに来てくれていたホストマザーに
ドキドキしながら拙い英語で自己紹介すると

彼女からいきなり
ほっぺにチュー♡

出だしからカルチャーショックを受けました!(笑)

年齢ははっきりわからなかったけど、おそらく70代のおばあちゃん。
ご主人をすでに亡くされていて一人暮らしでした。

私は、一応、大学では外国語学部所属で、それなりに英語の知識はあったものの

やっぱり話すとなると自信がなくなって、しどろもどろになってましたが、


「毎日、今日あったことを私に話してね。」
と、根気よく最後まで聞いてくれました。


バスが2時間に1本しか来ず、シティからの終バスが21時、

というかなり不便なところだったのですが、もっと本数が多いバス停まで送り迎えしてくれたり、


お皿洗いを手伝おうとすると「あなたは勉強してなさーい」とキッチンから追い出されたり

「アルバイトで貯めたお金で留学に来た」という話をしたら
「あなたからもらったお金だから」とランチ代をくれたりしました。


「こんなによくしてくれてありがとう。」と伝えると
「自分の孫がホームステイしたら、こうしてほしいな、と思うことをやってるだけよ~」と。


最初1か月分しかステイしないつもりだったのですが、居心地が良すぎて3か月以上はお世話になってしまいました。

彼女のおかげで私のスピーキング力はかなり伸びたと思います。
私が生徒と話すときに思い浮かべるのは、私の発音や文法のミスを、決して否定せず、優しく正してくれた彼女の対応です。毎日何時間も色々な話をしました。

途中で語学学校をやめてTAFE(職業訓練校)でTESOL(英語教授法)の資格を取ることにしたので、お金と移動時間を節約するため、そして自立するために、シェアハウスに引っ越したのですが、
その後も何度か食事に呼んでもらったり、よくしてもらいました。


帰国後も一度は連絡をとりましたが、引っ越してしまったようで、その後は連絡がとれなくなってしまいました。

外国で最初に出会う人は、その国の印象をある程度決めてしまうと思います。

もしホームステイ先がよくなかったら、ホームシックになったりして、最後まで楽しめなかったかもしれません。

私は日本語教師ですから、学習者にとって、最初に出会う日本人である可能性が高いです。

彼女の優しい笑顔を忘れずに、今後も生徒さんと根気よく向き合っていきたいです。

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